二章 7 地下室
SIDE萌音
メイちゃんが狩りに出なかった理由のひとつなのかな。
「何があるのかな?」
私がメイちゃんに聞くと、メイちゃんは首を横に降って、
「わからない。勘。」
と、返してきた。メイちゃん自身わかってないのかもしれない。私は周りを見渡した。特に変なところも見当たらなかったので、今度は、鑑定しながら見てみた。くまなく見たけどおかしい場所はない。とはいえ、メイちゃんに言われてじっくり見てから何か違和感を覚える。
「うーん分からないの。でも手伝うの。探してないのはどこなの?」
琴葉ちゃんも私みたいに鑑定使いながら見渡したらしく、それで結論が出なかったみたいで、地理をだしていた。それでも何も分からなかったみたいだ。メイちゃんに手伝うと伝えていた。
「あっ私も手伝うよ。」
私もそれに便乗していった。もしかしたら本当に何もないかもだけど、時間はあるから、いっそのこととことん調べた方が満足できるとおもうからね。
「調べてないのは後ここだけ、手伝い助かる。」
メイちゃんは今いる場所を指さしながら答えた。
「わかったの。地下室とか隠されてないかちゃんと調べるの。」
琴葉ちゃんはやる気を出して、床とか壁を触って調べ始めた。私は扇を取り出して、扇で壁や地面などを叩いて調べ始めた。メイちゃんは糸を出して壁や地面に指したりしていた。話し合ってはいないけど右側を琴葉ちゃん、左側をメイちゃん、真ん中私みたいな感じで別れて探し始めた。
私は壁や地面を叩きながら違和感を探った。すると奥の壁の下側で音が少しだけ違うことに気がついた。よく聞かないと気づかないくらいに微妙な差だ。
「メイちゃん、琴ちゃん。ちょっと来て。」
私は、二人を呼んで説明した。再び扇で叩きながら実際に音をだしてみた。
「私は、違うように聞こえるけどどうかな?」
私が音を出していると、しっかりと、音を聞いていたメイちゃんが、
「「確かに違う。(の)」」
と、メイちゃんと琴葉ちゃんは私と同じく、音が違うと気づいたらしい。そしてメイちゃんは躊躇なくその音の違う壁にむかって糸を大量にだした。結果、
「どこかに繋がっている。」
ということが判明したらしい。つまりこの壁は偽造だったというわけなのかな。そんなこと考えていると、
「あっ地理が更新したの。まっすぐ続いているの。」
と、琴葉ちゃんがいった。本当に隠し部屋みたいなのがあっみたい。メイちゃんは糸でその偽装された壁をくり抜いた。そしたら琴葉ちゃんのいった通りまっすぐ続いている道があった。
「どうする?」
私がきいた。でもなんとなく答えはわかっていた。
「行く。」
予想通りの答えが帰って来てメイちゃんは進みだした。私と琴葉ちゃんもそれに続いた。しばらく一本道を進むとわりと広い場所に出た。そこには大きい魔法陣が床に描かれており、そのまわりにいろんな部品が散らばっていた。そしてさらに奥に続く道があったため、一旦こちらをおいて、奥の方にメイちゃんは向かった。私も後に続いた。琴葉ちゃんは魔法陣を鑑定かけてたので、1言だけ残した。
奥の方にあったのは、物置だった。前に、人が入るサイズの大きい箱があって、周りには剣や弓といった武器があり、机の上にビーカーやフラスコみたいなやつやたくさんの錠剤みたいなのがあった。何か研究していたのかな?
「ここは何か秘密基地みたい。」
私がつぶやくと、メイちゃんは私に近づいてきて。
「秘密基地かっこいい。秘密基地って何?」
と、聞いてきた。どうやらメイちゃんは言葉に惹かれたらしい。
「秘密基地というのはね。個人、もしくは数人しか知らない秘密の場所のことだよ。」
と、説明した。あらためて聞かれると秘密基地についての説明難しい。と、かんじた。でもメイちゃんは納得したのか、頷いた。
「この人の基地?」
メイちゃんは何かノートみたいなのを手に持ってて、私にそう聞いてきた。私はノートを受け取って中を見てみた。
『μ1
ここまで来たら□□□□□□□教団も追って来ないはず。それにしても広い洞窟だね。
μ2
ここに私の□□□を作ろう。□□□□□陣があるみたいだが私には関係ない。□□□□□□□□□□□□□□。我が子のために。
μ9
研究は著しくない。我が子がこちらを見てる。こんな場所では暇を持て余しているのだろう。そうだ、万が一のために□□□□□□の研究したほうがよさそうだ。
μ15
□□□□□□は完成が見えてきた。今度からは箱と呼ぼう。次は元の研究だ。どうにか□□□□□□□□□
μ18
左手がついに□□□□□□まった。この姿見て我が子は何を思ったのだろうか?正直私は□□□が醜い。
μ21
そうだ。我が子の□□□消そう。これで我が子は悲しみに□□□いはず。例え私が□□□□□□□□
μ31
世間は新しい日を待っている。私に、新たしい日は来るのか。
α2
もう身体の左半分と足がだめだ。だが希望を捨ててはならない。
α10
だめだ。この薬じゃ効かない。急いで□□□□を見直さなくては。
α24
やっぱり運命には逆らえないの?このままでは私は□□□□□□□□我が子□□□□□□□□□□必ず。
α27
盗賊が住み□□たみたい。バレないように□□しなくては。
β1
もう□□がない。愛しき我□□。ごめんなさい。でもこの箱は完□したから、大丈夫なはず。
β5
意識が□□□たみたい。私はここから出るべきだ。我が子は、いい人□□□□てほしい。
β6
さようなら。』
ところどころ劣化により読むことができなかったけど、やはりここで研究していたらしい。そして子供と別れたみたい。悲しい日記だよ。
「……………箱って前のやつではないよね?」
私がつぶやいた。それを聞いたメイちゃんが机の引き出しを調べるのやめて箱の方にいき、箱を開けてみた。すると、箱の中から耳が尖った男の子がでてきた。私の知識上エルフだと思う。そしてその男の子は静かに目を開けた。
「ここはどこですか?おねーさん。」
エルフの男の子は周りを見渡しながら、聞いてきた。
「最近で何か覚えてることある?」
私が質問すると、エルフの男の子は首をよこにふった。
「何も覚えてないです。ここがどこか。名前がなにかも。」
エルフの男の子がそう答えた。私は鑑定を使うことにした。
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NO NAME (ハーフエルダーエルフ)
年齢 100 (誕生日3月31日)
性別 男
Lv 1
HP 67
MP 98
STR 17 DEF 21
INT 68 RES 113
MDF 78 AGI 14
DEX 57
エクストラスキル
〘追跡眼〙〘鑑定眼〙
スキル
〘生活魔法Lv1〙
称号
〘完全記憶喪失〙
装備
頭 無し
上半身 平民の服
下半身 平民の服
靴 平民の靴
武器 無し
アクセ 無し
所持品 無し
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何か情報わかるかなと思ったけど何もわからなかった。わかったのは種族だけか。
「うーん名前がないのは困るよね。ソウタとかどうかな?それとここは洞窟の中だよ。」
私がそう説明したら、エルフの男の子はわからないみたいな顔をしながら、
「洞窟ですか?僕は何してたのでしょう?」
と、聞いてきた。
「私は何も知らないかな。ここで寝てたみたいだし。ヒントとしてこのノートかな。これから一緒に記憶を取り戻そう。あっ名前名乗るの忘れてたよ。私は萌音だよ。そちらはメイちゃん。よろしくね。」
私がそういった。エルフの男の子は、私にお辞儀して、
「よろしくお願いいたします。あっ僕のことは、ソウタで大丈夫です。記憶取り戻すまでそのように名乗ります。」
エルフの男の子改めソウタはそういった。こうして旅の仲間が増えたのだ。結希斗君起きたら驚きそう。




