一章 4 ガチャ2回目
『常設ガチャ起動』
俺が、心の中でそう念じると、またタブレットが現れた。
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『常設ガチャが起動されました。ただいまの常設の内容は、日々の暮らしをよくするものです。』
『無料10連があります引かれますか?』
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ただいまの常設はって書かれているが、常設って毎度テーマが違うのか、それは曜日とかか?それとも回数?月って考えもあるな、少なくとも今回だけじゃわかりようがないね。それはおいおい調べるとして、今回のガチャの日々の暮らしをよくするものってなんだろうな。俺自身ならスマホなんだが。まぁ一人で考えてもわからないし、とりあえずひくか10連。俺は、無料10連をタップした。
タブレットの画面に例の白い玉が現れて、黄色、赤、青、黒とかわって分裂する瞬間銀に変わった。そして結果は、白4つ、黄色3つ、赤2つ、銀1つとなった。
「おー銀か。銀はさすがに黒より上だろうな。てことはSSSRとかか?銀があるならあと1段階金があるはずやし、金がURとかの最高レアになるのかな。それはともかくさっき以上に下位賞多いな。スマホゲームでは確率調べられるけど調べる方法はないのかな?」
俺は、銀がでたからか若干テンションあがり思ったこと全部声にでてしまっていた。ふと今の状況を思い出して、2人の様子を見た。2人共仲良さそうに並んで寝ていた。おれは起きてないことに安堵しながら今一度気をつけるようにしようと心に決めた。
気を取り直して白から開けることにした。
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C
破れた財布
ペットボトル(水)(2L)
破れているスキル鑑定の書
銀の玉
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財布、ペットボトル、鑑定の書はわかる。いかにもハズレっぽくて、なんで白から銀の玉出てくるんだよ。どこからどう見てもガチャ玉やし。これはあれか、ハズレと思ったらじつはあたりに変換される。ガチャあるあるのあれなのか?まぁいいやとりあえず今は次々開けていくか。
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N
ペットボトル(お茶)(2L、1ダース)
簡易食料10日分
解体用ナイフ5本セット
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食べものや飲み物はありがたいな。今の俺たちは実質無一文みたいなものやし。ただ持ち運びどうするかだよな。それについては後で考えるか。後ナイフだが解体と書かれているが最悪武器にもなるやろ。
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R
スキル鑑定の書
コピーの書
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また、新しい書が出たな。これも要検証かな。とりあえず銀開けるか。銀の玉に手をかざすと、どこからともなく光が集まり、魔法陣みたいなのが現れて2つの影が現れた。
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UR
アサシンメイド
純白のブランケット
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「は?」
俺がそういってしまうのも無理はないと思う。巫女服よりも衝撃がでかすぎたのだ。なぜなら自分の目の前にメイド服を着た女子が座っているから。まさかガチャから女の子が出るとは思わないだろう。これがスマホゲームならわかるが、自分のスキルのガチャでだ。正直頭がフリーズしていると、
「御主人様。名前。」
と、メイド服の女の子から言われた。どうやら人形とかではなく本当に生きてるようだ。
「あっと。ごめん、俺は結希斗。黎葉結希斗っていうんだ。そして後ろに寝てるのが萌音と琴葉だよ。えーと君の名前は?」
「ない。御主人様つけて。」
と、返された。名前ないのは確かに不便だしなにかつけるか。とはいえ、すぐに思いつかないな。メイでも大丈夫かな?
「メイというのはどうかな?嫌だったらかえるけど。」
俺がそういうとメイドの女の子は何度か小さな声でそれを繰り返した。
「メイ。覚えた。いい名前。」
と、嬉しそうにいった。そして、メイが気に入ったことをつたえてくると、タブレットに映る画面が変わった。
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メイ
年齢 12 (誕生日5月10日)
性別 女
Lv 1
HP 45
MP 250
STR 90 DEF 54
INT 43 RES 94
MDF 45 AGI 75
DEX 92
エクストラスキル
『糸使いLv1』
スキル
〘短剣術Lv7〙〘暗殺術Lv4〙〘毒耐性Lv9〙
〘麻痺耐性Lv10〙〘料理Lv10〙〘暗視〙
〘家事Lv10〙〘少距離転移〙
〘気配察知〙〘簡易鑑定Lv7〙〘生活魔法Lv8〙
称号
〘黒波結希斗のメイド〙
装備
頭 メイドのカチューシャ
上半身 メイド服
下半身 メイド服
靴 メイドの靴
武器 無し
アクセ 無し
所持品 無し
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と、書かれてた。色々突っ込みどころが多いステータスだ。まぁ年齢は見た目相応として、いやスキルからでた女の子に年が存在するのもおかしな話だけど。まあま一旦それはおいておいても、まずスキルがおかしい。メイドらしいスキル家事とか料理はいいとして、毒や麻痺に強い耐性あって、しかも暗殺術もあるという。どこかの組織に所属していてもおかしくはないと思うような構成だ。そしてエクストラスキルが糸使い。これまた想像できないスキルだ。
俺がメイのスキルなどを考察していたらメイが飽きたのか軽くあくびをこらえた後に
「御主人様なにかある?」
と、聞いてきた。メイは言葉たらずなことが多いな。なにかとはなんだ。何を言えば良いのかわからず聞き返すと
「命令。仕事ある?」
と、答えてきた。つまり御主人様にあたる俺の指示待ちということか。と、言われても何もないな。ここじゃ能力を自由に使っていいことはないし。かといって外にも出られない。たとえ出れたとしても二人をおいていく訳にはいかないしね。それに夜動くことかんがえると今は休んでいたほうがいい。そう考え、
「今は特にないかな。とりあえず夜に動き出すつもりやから。その後だね。二人にも紹介したいし。」
俺がそう言うと、メイは少し考えた後。
「わかった。でもなんで夜?こんなにパーティ多いのに。」
と、返してきた。おそらく気配察知のスキルのおかげか自分たちが乗ってる馬車の周りにいる人たちにきづいたんだろそれでパーティだと考えたんだろうな。俺はこれまでのことを軽くメイに伝えるとメイはかなり怒った顔をしながら、
「許さない。処す。」
と、小さくいった。このままだと何するかわからないため、全力で止めて夜動く旨を伝えた。夜のほうが足を辿られにくいしな。そう伝えると若干納得してない顔しながら頷いた。やっぱり俺のスキルで生まれたからか俺優先らしい。納得行かなくても俺の指示を聞いてくれる。そんなこと思っていると、
「リュックとナイフ貸して。外出る。」
と、言ってきた。伝わってなかったのかと思い、もう一度説明しようとすると、
「違う。万が一のとき、力把握してないと困る。」
と、言ってきた。つまり能力把握したいということだよな。まぁそれは確かにそうだな。最初からやるものでないし。俺がリュックとナイフ貸してあげると、子供におもちゃをあたえたような笑顔になった。
「行ってくる。」
と、メイはいった。それでどうやって出るのと聞きかけたところでメイの身体に異変が起きた。というのも一瞬の間だが、薄くなったと思うと消えていた。おそらく、少距離転移したんだと思うが便利な能力やな。それにしてもなんでリュックももっていったんだろうな。話相手もいなくなった俺は、ガチャから出てきた特産品を見ることにした。