二章 2 リーダー萌音
誤字訂正ありがとうございます。自分でも気づいてなかったためとても助かります。本当にありがとうございます。
SIDE 萌音
「それであそこに何か意味があるの?」
私は、怖い顔しているテラたちにこえをかけた。
「あそこは、私達が引き渡しに使われた場所です。私達はメイ様が以前言われた通り、嵌められて奴隷に落ちました。盗賊の根城であり、あそこで奴隷商に引き渡しされるのです。」
と、答えてくれた。だからテラたちが全員怖い顔していたのか。メイちゃんが助けるまでその境遇はひどかったらしい。詳しい事は思い出させたくなく聞いてないけど。
「今は盗賊はいにゃいみたいですにゃ。」
と、ユフィアが返してきた。獣人族は鼻がいいらしく、遠く離れていてもある程度はわかるらしい。
「どうするの?」
琴葉ちゃんが私に判断求めてきた。結希斗君がいないと私がリーダーなのかな。テラたちも私に視線を向けていた。メイちゃんと狼君と、レイ君は私に意見を聞かず、ただただ洞窟を見つめていた。そもそも、メイちゃんと狼君は結希斗君のガチャから出たから。それはしょうがないよね。とはいえ、指示なしで勝手に動くこともないから大丈夫かな。
「結希斗君が目覚めるまで、あそこを拠点にしようか。今は、下手に動かないほうがいいと思う。そして、次盗賊たちが来たら殲滅してテラちゃんたちみたいな奴隷がいたら助けよう。おそらくだけど、また奴隷つれて来ると思う。そしたら一石二鳥だと思うよ。今後同じことが減るかもだから。どうかな?」
私がそんなふうに問いかけると、特に反対意見などは出なかった。そこで私たちは洞窟の中に入った。中は広く奥の方まで行くといくつもの檻があった。万が一のことが起きたとき、このままじゃ逃げづらいかな?そんなことを考えていると、ふとレイ君がさっき浮かばせてた物の一つに気が向いた。
「レイ君。その鈴借りれないかな?」
私はレイ君に頼んだ。レイ君は考える素振りをしたが、結局貸してもらえた。鑑定したらこのように書かれている。
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目覚ましの鈴 UR
〘状態異常回復〙〘強制起床〙〘疲労回復〙
この鈴がなったときに、登録していた魔力の者に状態異常回復、疲労回復を行った後に100%目覚めさせることができる。これは本来の持ち主である結希斗を含め20名まで登録でき、整理する際マスターのみ登録魔力の削除ができる。
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これは、おそらく結希斗君のガチャからでたものだろう。気絶前にガチャを引いたのかな?なんでかわからないけど、でも一つ足りない。現在この鈴と狼君もあわせて8個。結希斗君の腕治すためにメイちゃんが使用していたけど、それをあわせても9のはず。
「レイ君。ガチャの物、これだけかな?」
私が聞くと頷いた。ということは、最初から9だったのかな。それは、結希斗君が目覚めたときにでも聞いたらいいかな。確かタブレットにログが残っているはずだから。私は、鈴をレイ君からもらって、それにそのまま私の魔力を登録した。魔力の登録の仕方は分からなかったけど、魔力を登録しよう思うと、回復魔法使うみたいな感じで血液とは違うものが身体の中を流れるのを感じ、気づいたら登録できていた。
「琴ちゃん。琴ちゃんもこの鈴に魔力登録して。その後テラちゃんたち。もちろんレイ君と、狼君と、メイちゃんも。」
私が琴ちゃんにそう話していると狼君が、
「グルルル。」
と、吠えた。一瞬敵が来たのかと思ったけど違うらしい。吠えてるのは、私にたいしてらしい。何か狼君の不興でもかったのかな?私がそう考えていると、メイちゃんが口を開いた。
「ウルは自分の名前はウルだ。と、吠えてる。」
メイちゃんはそういった。つまり狼君ではなくウル君というわけね。そして、私が狼君と呼んでいたから訂正で吠えたのか。そういえばまだウル君のこと鑑定していなかったね。
「わかった。今度からウル君と呼ぶね。」
私がそういうと、ウル君は、
「ワフ」
と、嬉しそうに吠えた。
「そうだ、一つ気になることあるの。メイちゃん。ウル君の話していることわかるの?」
琴ちゃんが気になったことを聞いた。言われてみたらそうだ。それに対してメイちゃんは悩むような顔をして、
「魂のつながり?なんとなくわかる。」
と、回答が帰ってきた。つまりメイちゃんでもあまりわかってないのかな?
「登録終えたの。」
琴葉ちゃんは鈴をテラちゃんに回していた。テラちゃんとユフィアちゃんは問題なく、すぐ終わらせていた。マナちゃんや、シイカちゃん、シイナちゃんはちょっと手間取っていた。魔力操作が苦手なのかな。次はウル君だ。レイ君は影の中でもずっと起きてるらしいので必要がないらしい。主に本人談だけど。そして、最後にメイちゃんが登録して私に返そうとしてそれを止めた。
「メイちゃん。その鈴に糸を巻き付けて、罠はって貰えないかな?他の何かが侵入したときに、すぐ私たちを起こせるようにできるかな?」
私が聞くと、メイは頷き、
「わかった。問題ない。」
そうして、メイちゃんは入り口の方にむかった。レイも我慢の限界なのか外に狩り向かった。
「行っちゃったの。レイ君、バトルジャンキーなの。」
と、呆れた声が聞こえたけど、私も同じ気持ちだから返さなかった。
「それじゃー、メイちゃんが帰って来たら、今日は休もうかな。色々あったし。それに、そろそろマナちゃんやシイカちゃん、シイナちゃんが限界みたいだしね。」
私が声をかけるとウトウトしていた。3人はあわてて顔をふって、
「だ、大丈夫なのです。」
「私や妹まだ……。」
「大丈夫………です。」
と、訂正した。が、身体は限界そう。
「我慢しなくてもいいよ。結希斗君がごめんね。」
私は、一言そう言ってから結希斗君のバックを手にとってテントを取り出した。
「ほら、遠慮しなくていいよ。夜なべは肌に悪いしねー。ほら休んだ休んだ。メイちゃんが返ってくるまでは私と琴ちゃん起きておくから万が一の心配もないよ。」
この洞窟で今私たちがいる場所にたどり着くには4つの入口がある。メイちゃんが設置をしてない場所から万が一入ってきたら、私と琴葉ちゃんで対応したらいいだけのこと。そうして私はマナちゃんたちをテントにおくった。もちろん結希斗君もウル君がテントの中に運んであげてた。私は、レイ君がおいていった結希斗君のガチャ産を集め始めた。今回は、URが多い。さっきの鈴もそうだけど、目の前の映写機と琴葉ちゃんが触っている水晶も、URだ。それぞれの効果もそこそこのものだ。
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アイテム能力コピー映写機 UR
〘完全記憶〙〘完全コピー〙〘実物映写〙
この映写機で移したアイテムはすべての能力を記憶してそのアイテムにつき一度だけ全く同じものを作ることができる。一度作ると次のを作るのに3日かかる。ただし、ガチャ産のものでかつ、SSR以下のものなら10個まで作れて、再使用は1日となっている。また、URなら5個まで作れて同じく再使用は1日となっている。
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スキル継承水晶 UR
〘スキル記憶〙〘スキル継承〙
この水晶の前でスキルを使うとスキルを記憶する。使われたスキルのレベルは落ちる。そして触れた者に継承する。ただし継承されたスキルはレベルまでは継承されない。極めて進化したものだと進化する前の技が継承される。
只今の記憶スキルは鑑定×2
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そして、私の鑑定レベルが下がっている。これ初手罠でしょ。そして×2の時点で琴葉ちゃんも食らっている。とはいえ、今更言ってもしょうがないし、誰に覚えて貰おうかな?




