閑話 少女の記憶
入学式の時期ということでこういう話です。明日にも続きます。本編はおそらく明後日から再開します。
私は桜が舞い散る中、私は少し憂鬱さを感じながら入学式の門をくぐった。別に嫌なことはあまりないのだけど、人と会うときは私はキャラを演じている。私には知られなくない秘密があるから。秘密と言っても、裏稼業しているとか、どこかの国の姫というわけではない。ここはだいじ。いつか姫になりたいけどね。
私の秘密は2つ。1つは、親がいないこと。両親は私と妹を残して、交通事故でなくなってしまった。多額の遺産があったし、国の補償金のおかげで高校は通えるようになったけど、妹のためにもいっぱい学んでいい仕事につきたいな。もう一つは、私がコスプレが好きなこと。家がそういう仕事についていたこともあり、昔から自分で洋服を作ったりしていて、今では巫女や王女のドレス服、昔の西洋の服などそういうのに憧れていつか着てみたいと思っていた。
そんなことを考えていると目の前に年上の男が立っていた。私はよけようとしていると、避けた先にたち
「そこの新入生。俺たちの漫研部に入らないか。」
どうやら、部の勧誘らしい。面白そうな部活だと思うけど、私は部活に入る気はない。
「いや、ソフトテニス部に入るべきだ。」
「野球のマネージャーとかはどうですか。」
「美術部のモデルに」
「写真部」
「卓球」
「最初はグー部に」
様々な人が私に話しかけてきた。なんか変な部活もあるけど、私の心は揺れない。
「私は、部活入らないです。」
私は、丁寧に断わった。そもそも私は男子が苦手で話すということもいろいろ考えてしまう。私は、自分で言うのもあれだがかわいい部類に入る。そして発育もいい。近づく男の人は私に対して何か悪いこと考えていることが多い。
「そんなこと言わずにどうかな。楽しいよ。」
どうしよう。もちろんまわりも助けてくれない。新入生は見て見ぬふりして、女子の先輩は、さぞ私が悪いかのように無視していて、男子の先輩は集まるばかりだ。やっぱり女子高にしたら良かったかな。そんなこと考えていると、後ろから誰か近づいて来てるような気がした。また一人ふえるのか、そう思っていると、違ったみたいだ。
「先輩方。邪魔です。1人の女子にそんな勧誘してないで全体的に勧誘してみてはどうですかね。それとも、ここ高校は一人を脅して部活の新人を獲得するんですかね。」
その人も新入生らしく、私の後ろから怖い先輩たちに声かけてた。先輩たちの反応は半々だ。まわりを見て自分たちの行いをみるもの。その人の言う通り新入生の通る道を塞いでた。それに周りからみたら恐喝に見えなくもない。だがもう半分は激情して、その後輩につっかかるもの。
「おい、誰が脅してるんだと。」
「新入生のくせに生意気だな。」
と、私を助けてくれた人に文句を言いに行っていた。私は助けようと思ったけど動けなかった。
「それを脅しとわからない馬鹿ですか?」
その人はさらに、先輩たちを、挑発した。それについにブチギレた先輩たちが、首根っこを掴んでいた。
「たしかあなたは柔道部?で、拳を構えているのはボクシング部でしたっけ。それで、新入生に実際試そうとするのはだいぶ熱心な勧誘ですね。」
最後にそういうふうに助けてくれた人は煽ると、ボクシング部のパンチがまともに顔面に入った。それを見ていた他の先輩たちは追撃しようとしているボクシング部を止めようとしてて、それを振り払ってボクシング部は追撃していた。私は怖くて近づけずにいると、
「何やっているんだ。新入生殴るとは。」
と、教師らしき人が来てこの場は収まった。殴ったボクシング部の先輩と胸ぐらを掴んでいた柔道部の先輩は大量の先生たちに連れて行かれた。それで殴られた新入生は、先生たちが保健室連れていこうとする手をこばみ、
「別に喧嘩ふっかけたのこっちだし。それでも、流石高校の勧誘ですね。一人を囲んだ後、実践で試すとか中学とは大違いですね。」
その人はそう言って先生たちに言うと、入学式の会場にむかった。私はお礼を言えないままだった。そして入学式は普通に始まった。
「本日は桜に迎えられ私達に新しい日常がはじまります。」
新入生代表が話す中、私の目線は、先程の男子に目線を向けていた。いつも私に関わろうとする男子は少しでもお近づきなろうとする人が多い中、先程の男子はそんな様子もなく、むしろ私のことはもう忘れているかのような扱いだ。こっちのこと視たりせず、なんなら入学式で寝ていた。その後クラスわけが行われた。先程の男子とは別のクラスになった。そうして私の入学式は終わった。
次の日、この高校恒例の実力テスト。点数悪くてもどうこうというのはないのだけど、中学卒業からのサボり具合がわかるという新入生の裁判とも言われる毎年の恒例らしい。なぜらしいかと言うと、私に知っている先輩などいる訳はなく。そういう話をしていた他の人話が聞こえた。というだけだ。私は上の中くらいだ。張り出された成績表みるとTOP10に入ってる人は全員450超えだった。わたしが425なのでなかなか高い。そんななか異彩を放っているのは500点満点の黒刃結希斗という男子だった。私がその名前知ったのはその時が初めてだった。




