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閑話 結希斗の過去

今回は閑話となります。本編とは別扱いのため読み飛ばしても構いません。本日はエイプリルフールのため思いついた内容となります。本編の続きはまた明日から投稿します。

 俺は夢を見ていた。地球にいた頃の夢だ。




 ………………………………………………………………………………………………………




 俺が道場でいつものように軽く身体をうごかしていると、大きいあくびしながら道場に入ってきたひとがいた。


「唯華。気が抜け過ぎだぞ。」


 俺は軽く注意した。まぁ他に人がいるわけでもないし、あくまで建前だ。俺は別にどうでもいいと思うが、以前唯華がおなじことしたときに、俺が注意しないでいるとじじーに俺まで怒られた。曰く兄弟子なんだからワシが怒る前に注意しろと。今思い出しても理不尽だ。あくびは生理現象だし、出るものは仕方ないだろ。俺がそんなこと考えていると、当の唯華は気にした様子もなく、


「ねぇ兄さん。しってる?あくびってね人生でする回数決まってるんだよ。だから唯また寿命短くなっちゃったんだよ。どうしよう〜」


 と、全く困ってなさそうな声で俺に言ってきた。どこからどう聞いても嘘だろ。そう考えて俺は今日の日付を思い出した。4月1日だ。つまり俺を騙そうとしているのか、それなら俺にも考えがある。


「それは大変だな。そういえばこういう噂聞いたことある。この道場出るらしいぜ。夜な夜なちゃんとしてないやつを無理やり呼び出して説教するジジイが。唯華も気をつけたほうがいい。道場であくびしたんだからな。寿命縮まるより怖いぞ。」


 俺がそう言うと、唯華は涙目になり、


「えっうそ。そうなんだよ?嫌だ、もう怒られたくないんだよ。どうしよう〜。兄さん助けて欲しいんだよ。」


 と、今度はガチで信じた声をあげた。あまりにもピュアすぎねーか?将来まじで詐欺られないか心配になる。


「今日一生懸命特訓して、チャラにするしかないな。万が一でたら俺も一緒に謝ってやるよ。」


 俺がそういうと、唯華は涙目で頷き、


「わかったんだよ。今日は真面目にやるんだよ。兄さん謝るの約束なんだよ。」


 と、言っていつも以上に真剣に取り組み始めた。俺は呆れながら隣でいつものことを繰り返しているだけだ。俺のことを唯華はいつも兄さんと言っているが全く血は繋がっていない。俺が先に道場はいっててあとから入ったのだけれどその時ジジイが


「唯華。こいつは結希斗といって唯華の兄弟子になる。仲良くするといい。」


と説明したときに、唯華が兄弟子という言葉わからず、


「あにでしってな~になんだよ?」


と、聞き返した。その時にジジイが、


「兄弟子というのはお兄ちゃんということだ。兄妹になるんだよ。」


と、説明したため。唯華は俺のことお兄ちゃんと呼ぶようになり。それが兄さんに変化したのだ。お兄ちゃんから兄さんに変わったのは思春期だからだろ。少しだけ寂しい思いをしたのは秘密だ。そんなこともあり、血縁上は繋がりのあるジジイより俺の方に唯華が懐いた。そのおかげでジジイが俺にだけ大人気なく本気だしてきたのは言うまでもない。マジで思い出せば思い出すほどあのジジイは理不尽だな。


俺は孤児だったが、死んだ両親の知り合いであるジジイに引き取られて人生が変わった。ジジイを人生の師としていろいろ教わったが、それにまさる理不尽さ。時々感謝忘れるのも仕方ないだろ。


そんなこと考えていると唯華が近くによってきた。


「兄さんどうしたんだよ?悩みなら超絶かわいい妹の唯が聞いてあげるんだよ。」


と、いってきた。別に悩み事なんて無いんだけど、唯華にはそう見えたのかな。俺は無意識に唯華の頭を撫でて、


「ありがとな。別に悩みなんてないが、強いていうなら唯華のことかな。変な男に捕まらないか心配で心配で。」


と、わりとマジで本心に近いことを冗談風にいった。マジでピュアすぎる唯華のことだし、こうして俺に頭撫でられてるのに抵抗しないほどガードが甘すぎるから男目線て言うと騙しやすいし、ものにしやすいって感じだろ。まぁ俺が目の届く範囲でそんなことはさせないがな。それに対して唯華はキョトンとした顔をして、


「変な男?何で捕まるんだよ?唯には兄さんがいるんだよ。他の男なんていらないんだよ。」


と、聞き取り方によっては告白みたいなことを真面目な顔でいった。


「ありがとな。」


俺は唯華にお礼をいって、訓練に戻った。




…………………………………………………………………………………………………………




俺はそこで嫌な気配を感じ目が冷めた。俺のちかくを見るといるのは萌音と琴葉だ。そして薄汚い笑顔を浮かべる兵士。俺はすぐに状況を理解して、兵士の男を殴り飛ばした。懐かしい夢見てた気がするが、そんなことより今が大事。さっさとこんな檻みたいな護送馬車から抜け出すか。




…………………………………………………………………………………………………………




???サイド


私はテレビのニュースみながら涙してた。そのニュースであってるのはいきなり教師も生徒も消えたという事件のニュースだ。前にもバスの乗客、運転手が消えたという事件があったが。結局未解決で、この事件だ。警察などは同じ人の犯行として捜査しているらしい。


「お兄ちゃん。唯のお兄ちゃんはどこなんだよ…………………………」


私はしばらく家にこもって泣き続けた。もう頭にあの優しかった手のぬくもりを感じないことに涙が溢れてとまらなかった。他の道場の人たちが心配していたがそれも耳に入らず。ただ泣き続けるだけだった。











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