一章 29 チェリーボアボスとの戦い
俺たちは大きい岩や太い木があるところに移動した。チェリーボアボスは、正しく猪突猛進だった。俺たちが常に斜め前方の位置をとりながら逃げてると、全くもってダメージを受けなかった。しかもだ、何かにぶつかるたびに自己ダメージを受けている。まぁダメージ自体は少ないが、それでも俺たちが戦いやすい場所に移動したときは、HPが約1割減っていた。こいつ相当馬鹿なのでは?今の十倍逃げ続ければHP0になるだろう。だけどそんな時間はないからここで決着つけることにした。
「メイは左からいって。」
「わかった。」
俺が指示すると、メイは返事して、すぐに俺と別れて猪の後ろをまわってから左側にいった。ここで前通ると獲物として突撃されるからな。チェリーボアボスは二手に別れた俺たちをキョロキョロと見て俺に狙いをつけたのか俺の方をむいて、頭を下げて、右後ろ足で2回地面を蹴る。これは何度も見ているからわかるが、突進する前の構えだ。だが逆に言えばこの構えをとったあとはその直線上にいなければいいだけ。俺はすぐにチェリーボアの右側によけた。その真横をチェリーボアボスが通り過ぎた。もちろんチェリーボアボスは止まれず大きい岩にぶつかる。そしてぶつかると後ろ足を両方曲げて、座り込んだようになる。大きな隙だ。俺たちは左右から次々攻撃いれた。そして再び立ち上がろうとしたときに大きく距離を取る。俺はこの場所を見つけるまでただただ逃げてたわけではない。攻撃のモーションなどすべて観察していた。そしてそれはメイも同じだったようで、お互いに何も話さずコンビネーション取れていた。ちなみにメイは、最初の大きな隙のときに首をかろうとしたが流石に糸では、通らなかった。
「この調子でいくぞ。」
俺が声をかけたとき、俺の影から何か飛び出した。レイだ。そういえば俺の影に入ったままだったな。そのままレイはチェリーボアボスの影に入ってスタンをいれた。RESが低いからかあっさりスタンが入った。
「ナイスだレイ。ふたりとも攻めるぞ。」
俺が声かけるとメイとレイも動き出した。レイは、じゃんじゃん魔法を撃っていて、メイもどんどん切り刻んでいた。そして俺は、刀を突き刺した。こうしておけば持続ダメージが入り続ける。
HPが5割切ったくらいでスタンが取れたようだ。俺とメイは、いそいで距離をとったが、レイは、離れなかった。未だに至近距離で魔法うっている。そして怒ったチェリーボアボスがレイに突進した。俺は避けろと言いかけたが、あることを思い出してそのまま見ていた。チェリーボアボスはレイの身体をすり抜け後ろの大木に当たっていた。そうだよ。レイは物理無効だからただの突進は当たらない。当たらなければインパクトも破壊も起きない。ランクでみるとレイが下だが、相性でいうとレイに軍配があがるな。レイもそれに気づいていたのかそのまま囮を引き受けてくれた。俺とメイは、攻撃し放題だ。
ちなみにレイはもう一度影縫いのスタンいれようとしたが、連続のためか耐性でもついたのか分からないがスタン入らなかった。それとチェリーボアボスの動きも見ていたが明らかにスピードなど落ちていた。レイの能力は夜の間ほんとに強いな。
あまりにも攻撃が入らないためか、チェリーボアボスは今度はメイに狙いをつけた。だがそれでどうこうできるほどメイは弱くなく、糸を飛ばしてターザン的方法で飛んで避けてた。まぁ予想どおりだ。その後レインがメイとチェリーボアボスの間に割って入って強めの闇魔法放って、チェリーボアボスの気をひかせる。レイのスタンは入らないがそれでもおのおのの役割を全うしていた。流石に俺は刀を持続ダメージに使っているためゴブリンどもをしばいたときにゲットした。ランクの下がる武器だがそれでもダメージを稼いでた。的確にすでに傷ついてある場所に剣をいれてよりダメージを増やしてた。残り4割きったとき再びレインのスタンがはいった。
「よし、いまだ。」
俺の指示で3人とも攻勢にかわった。なれたもので次々に攻撃入れて、俺は黒刀をさらに奥に埋め込ませた。これにより刀の当たる範囲が拡張され、より持続ダメージを増やした。1割切ったところでスタンがとれた。
「気をつけろ。能力があがってるぞ。」
俺が注意呼びかけていると、今度は俺に狙いをつけたのか、俺の方に突進のモーションかけてきた。俺がチェリーボアボスの真正面から避けた瞬間目の前を風が通り過ぎた。違う風じゃない。チェリーボアボスが通り過ぎた速さだ。あまり早すぎて見えなかった。そして今まで障害物を破壊するだけだったのに、そこから3メートルほど地面がえぐれていた。だがこれだけ速ければ隙も大きいだろうとチェリーボアボスをみるとすでに次の突進の準備をしていた。狙いはメイだ。
「マジカ。メイ避けろ。」
俺は指示出すまでもなくメイは糸を使って避けた。そして再び俺に突撃してきた。俺はギリギリで避けたが連続で俺が狙いのようだ。
「し、しまっ」
俺は連続攻撃に足元への注意がおろそかになっており木の根に足をひっかけてしまった。こけるのは踏みとどまれたが、それでも逃げ遅れた。
「御主人様危ない。」
メイの声がとぶ。仕方ない足一本犠牲にするしかないか。俺はメイの方に手を伸ばしながらメイの方に避けた。メイも俺の狙いがわかったのか俺の手に糸を巻き付けてきた。それでも一瞬間に合わないそう感じたが、
「障壁展開。」
という、声が聞こえたあと、パパパパパリーンと俺とチェリーボアボスの間で何か割れる音がした。それによりチェリーボアボスが減速した。メイに引っ張られ俺は足も犠牲せず助かった。そしてチェリーボアボスだが次の突進を構えようとしているときに、その両目に矢がささった。チェリーボアボスが大きく痛がり、その矢をとばしたほうに怒り突進しようとしている。だが俺は屋を飛ばしたほうに危険を呼びかけず
「やれ」
俺がそう指示するとレイは頷き、スタンとけてからずっとためてた闇魔法を叩きつけた。それにより持続ダメージなどで減っていた体力を削りとった。
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チェリーボアボス (エリアボス)(死亡)
装備品
なし
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その時タブレットが現れた。
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春に関する敵を15体倒すという隠しイベントを達成しました。イベントガチャ『春ガチャ』が開催されます。
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どうやら何か来たみたいだが、後で確認するか。俺は詳細を見らずにタブレットをなおした。
「はぁはぁキツいな。」
俺は常にチェリーボアボスの動きを注視して避け続けるという行動で精神と体力両方にどっと疲れてその場に座り込んだ。そして矢の飛んできた方を見て、
「ありがとな。萌音、テラ。」
と、声かけた。萌音とテラは大きい木の後ろから現れた。
「3人とも遅刻だよ。夕暮れ過ぎてるし。しかもなんか凄そうなボスと戦っているし。」
萌音がそう言いながら近づいた。ふと空を見上げれば夕暮れはとっくに過ぎていてきれいな星空が出ていた。それもそうか。レイの特殊能力が発動している時点で夜か。
「ご主人様。ご無事で何よりです。救出遅くなって申し訳ございません。」
テラは俺に謝まってきた。テラが悪い訳では無く、森のボアを全滅させてボスの出現をまった俺とメイの責任だしな。
「テラが悪い訳では無いよ。俺とメイの責任だし。」
俺がそういうとメイも俺に賛成するかのように
「狩りすぎた。」
と、言っていた。俺はそんなメイを撫でながら、
「メイもありがとな。糸を飛ばしてくれて。あれは完全に俺のミスだったからあれがなかったら危なかった。」
俺がそういうとメイは、胸を張りながら
「当然。」
メイはドヤ顔でそういった。俺はもう一人の功労者に目を向けるとチェリーボアボスからちょうど魔石を抜き終わったあとだった。魔石の大きさは30センチものの大きさだった。それを俺の前に持ってきた。
「ありがとな。そして戦いの方も、助かった。最後の攻撃力はとても良かったぞ。」
と、俺が伝えるとレイは胸に手を当ててこれからも俺に任せろと、いいたげな顔していた。何よりボス討伐は終わりだ。さてテントに帰るか。




