一章 16 夜のひととき
俺は鑑定も終わったため、ゆっくりしていた。少なくともこれ以上やることもないしな。ちなみにだが、常駐ガチャのほうはホブゴブリンの魔石入れたときにカウントが進んでおり、合計でボブゴブリンの50匹分の魔石を入れなきゃいれないため、残り20匹だ。こちらは明日にでもためるか。流石に明日昼までにここからゴブリン100匹はつらいし。他に調べてないことでもあるかな?あっそういえば、
「萌音さ。巫女服の時って〘ファションモデル〙によって追加されているスキルってなに?」
俺は、近くにいた萌音にきいた。鑑定したら速いんだが、勝手に覗くのはなんか悪い気がしてよぼどのことがない限り旅の仲間は鑑定しない。と、特に意味はないかもしれないがきめたことだ。
「うーんとね。3つあって、一つ目が〘邪気祓いEX〙これが私がお祓いするときに効果がものすごくあがるというらしいよ。で、2つ目が〘癒やしの波動〙これがパーティーメンバーにHP常時回復するらしい。まぁダメージ受けないことに越したことは無いんだけどね。そして3つ目は………………やっぱりいえない。あ、鑑定でも調べないでね。これはちょっと恥ずかしいし………」
と、萌音は3つ目の詳細のときに恥ずかしそうにしながらいった。そういう言い方されたら気になるが、言われた通り調べるのはよそう。もともと鑑定かけるつもりはなかったが、これからも鑑定しないほうが信頼されるだろうしな。
「安心して。俺は鑑定する気ないよ。少なくともデメリットではないんだろ?そもそも鑑定していたらきかないしな。まぁけじめとして宣言しておくけど、2人のステータスはよほどのことごないかぎり勝手に鑑定することは無いから安心して。ステータスみてて思ったのだけど、称号ってその人の生活とか一部出ているしね。」
おれがそういうと、2人は頷いた。
「じゃー。僕もそうするの。」
「私も〜。」
2人とも俺と同じく、これから仲間内の鑑定はよほどのことがない限りしない。ということにおちついた。
「僕から質問あるの。なんで結希斗先輩はリュック持ってるの?転移時の持ち物がそのままきてるはずだからちょっと気になって………体調不良とかだったりしないの?」
最後のほうは聞いちゃまずかったのかな。という顔しながら琴葉は尻すぼみできいてきた。別にこれくらいで怒ったりしないから堂々と聞いてもいいんだけどな。
「いや、ただ午後の授業サボろうとおもってな。普段なら無視してるんだけど、俺がその時イライラしていたこともあって、俺をいじめてた?奴らにちょっとドスをきかせたんだよ。お陰でさクラス全員シーンとなっちゃって、めんどくさくなったから、今日サボってしばらく休んでからほとぼりおさまった頃に登校しようと考えたんよ。まぁタイミングよく召喚されたけどな。だから身体とかに異常ある訳やないから安心して。」
俺がいうと、二人は少しホッとしたような顔をした。まぁそもそもの話、俺は一度も重い病気にかかったことないしね。そういった理由での早退は一度もない。
「よかったの。うん?よかった?あれ、いじめられてたんだよね。そっちは大丈夫なの?」
と、今度は別の意味で、心配された。当たり前だろうな。俺からしたら無視しとけばいいやって感じだったが、普通の人からしたらそれは心配になるだろ。いや、普通はターゲットにされないために加担する側か?まぁどちらにしろ、心配してくれるのは心優しい証拠だな。
「別にいじめなんて無視しとけばいいからな。だいたいいじめするやつって心がちいさいやつが自分を大きく見せるためにやるやつだろ。ぶっちゃけただただダセェやつの集まりだ。それで手を出されたらいじめてたほうが悪くなるだけ。だから俺自身はあんまりいじめられたってイメージじゃないんだよね。だからさっきも、いじめてたは疑問系だったろ。」
俺がそういうと、今度は萌音が反応して、
「確かに、いじめてた部分は疑問口調だったけど、さすがに手を出されたりしたら危なかったんじゃない、怪我したりするかもだし。誰かに相談とかしたほうがよかったと思う。」
萌音も俺のこと心配してくれているのか、そんなこと聞き返してきた。
「あくまでも俺だからできることなんだけどね。パンチとかはうまく流して、正当防衛として反撃できてたしね。そもそもやられたら流石にやり返す精神だから。それにさ、俺が抵抗して他の人がターゲットにされるよりはましだしね。それとあのまま高校卒業出来てもいじめてたやつがまともに卒業なんてできるはずないから。」
俺はリュックに入ってたボイスレコーダーを取り出しながらいった。
「正直にいってあいつら許すつもりはなかったし、俺の後輩にも手を出したからな。まぁ追放されて、逆に満足したよ。あいつらと同じ空気吸わなくて済むからな。ただ、いくらか俺と仲良くしてくれた人もいるから、そいつらは助けたい。ただ操られてるのを解く方法わからないから今は少しでも遠くに逃げるべきだな。少なくともさっきの兵士レベルばっかりというわけじゃないだろうし。敵は国だ。どうしようもできない。」
おれがそういうと、二人は呆けた顔をしていた。
「すごいの。僕はいじめられてるときにそんなこと考えれなかったの。」
「私も。自分偽ってたし。そんなこと気にする暇なかったかも。」
二人がそれぞれの過去を振り返りながら呟いた。若干落ち込んでいるようにも見えるけど。それが普通とは思うけどな。
「まぁ二人は俺みたいになる必要はないよ。おれがそういうことができる力を持ってるだけだからね。ふたりとも一度俺のステータスみただろ?道場みたいな場所通ってたからそういう武術系が得意なんだ。だから万が一にも暴力振るわれることないからね。それに対して二人は地球じゃそういう力なんてないんだから、自分の身を守ることが最優先で何も問題ない。」
2人ともなにかいいたそうに口を開いていたが、俺はそれを妨害するように、
「この話はここで終わり。二人共自分の過去振り返るのつらいだろうし、なんていっても楽しい話じゃないでしょ?ただ一つ覚えてて。俺は守るためなら突き放すよ。」
おれがそういうと、二人はまだこのことについて話足りないような顔しながら納得していた。ただ俺の最後の言葉の意味がわからずキョトンとしている。これについては今は分からなくていいし、俺としてもあまりやりたくないからね。
そんなこと話していると、レイが帰ってきた。そしてまわりにはプカプカ大量の魔石が浮かんでた。いやレイのポルターガイストすごすぎだろ。確かに説明には重さはレベルに依存するってかいてあったが数のことは書かれてなかったな。パット見で20くらいはあるんじゃないか?このままレイを解放していたほうが魔石はためりそうだが、レイには夜番してほしいからね。
「おかえりレイ。悪いんだけどさここで俺等が寝てる間の夜番頼んでもいいかな?」
おれが聞くとポルターガイストをつかって魔石を浮かしたまま魔石で丸の形を作った。ほんとに使い勝手がよすぎるな。
「それじゃ俺たちも休もうか。さっきから琴葉はあくびを噛み殺してるし。萌音も若干眠気来てるだろ。」
「確かにそうかも。軽く昼寝したけどその後かなり歩いたからね。疲れちゃったよ。」
「僕も眠いの。」
俺たちはテントに入り休むことにした。