一章 14 イベントガチャ
レイがごとっと魔石おいてきた。鑑定するとどれもF級だ。
「くれるのか?」
俺が聞くと、レイはまた木の棒を動かしながら、
『名前のお礼。取ってきた。』
と、書いた。こいつも自分で考え動くことができるんだな。確かに夜動くならこいつがつよい。そしてちょうど100たまった。
「結希斗先輩良かったですね。さっそく回します。」
と、琴葉が話しかけてきた。
「まわしてみるよ。明日忘れるかもだし。R確定だからまわさなきゃ損だしね。」
俺は座ってまわそうとしていると、何故かメイは俺の足に座ってレイを牽制していた。レイは別に誰かの魔獣というわけでもないので、メイを、気にせず萌音の近くにたった。萌音は若干顔を引きつらせながら何も言わなかった。これに関してはなれるしかないな。
そして琴音は食い入るような目で見ながら期待してた。言葉には出さないが速く速くとでもいいそうな目だ。
「レア確定ガチャ起動。」
俺がそういうと普段のタブレットに赤い線が入ってるタブレットがあらわれた。赤は、Rの色だ。確定ガチャだとそういうふうになるのかね。
俺はレイから受け取っていた残り分の魔石を投入した。魔石カウントが100になりやっと、レア確定ガチャが起動した。そして確定だからか、赤からはじまって青に変わり、黒になった。SSR確定か。個人的に、UR来てほしかったが、まぁメイド増えてもこまるしな。いやこまりはしないが、変な目で見られるだろう。これから会うであろう人たちに。メイドに、巫女に、学生服のボクっ娘。さらにレイスも。……………今更か。
そんなこと考えてると結果が出たようだった。赤7、青1、黒2だった。琴葉がでてきた玉を開けようとして諦めていた。と、いうのも一回手をかざしているのに反応ないからだ。メイもはじめてみるその光景に目をひからせながら、琴葉の真似して赤の一つに手をかざした。すると、琴葉のときとは違い開いた。
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R
大きいテント
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あっ開いた。別に俺は誰が開けようと、問題ないが。この違いは、なんだろうな。琴葉も疑問に思ったのか、
「僕はできなかったのに羨ましいです。」
と、すごくがっかりした声でさらに落ち込んでいた。
「私もやってみようかな。」
萌音はそう宣言すると、萌音も近くにあった赤い玉に手を近づけてみた。すると萌音も開くことができた。
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R
スキル封印ペンダント
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「あれ?ひらいちゃった。え?なんで?」
本人もわかってないみたいだ。琴葉は頬を膨らましながら
「ずるいです。萌音先輩。なんで僕だけ……」
と、さらに落ち込んでしまった。そんななか俺にはある仮説がうかんだ。
「レイも手をかざしてみて。」
俺がいうとレイは頷き手をかざした。しかし何もおこらなかった。
「レイ。俺の剣かすから。これをポルターガイストで擬似的に触れて装備している状態にしてから玉に手をかざしてみてくれ。」
俺の予想が正しければこれで開くはずだが、そう考えていると赤い玉は開いた。
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R
スキル火魔術の書
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「やっぱりな。」
俺の予想通りだった。琴葉は不思議そうにしていて、
「どうしてですか?」
と、きいてきた。
「今から説明するけど、ちょっと待ってくれ。さっき出たペンダント鑑定してみる。」
「はい。わかりました。」
琴葉は俺の言う事聞き大人しくまっている。
「それで何するの?」
萌音もわかってないのか俺に聞いてくる。ちょっと試したいことあるからまってて、そう伝えてから鑑定した。
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スキル封印のペンダント
何らかのスキルを使った攻撃をこのペンダントで受けると、攻撃を放った人のスキルを封印する。ペンダントを開けると封印がとける。最大5つまで封印することができる。
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よかった。これは装備者のスキルを封印するものじゃないんだな。なら遠慮なくあげれるわ。
「ごめん。またせたね。はいこのペンダントあげる。装備してみて。」
俺がペンダントをあげると、琴葉は緊張したてつきで受けとり
「ありがとうございます。結希斗さん大切にしますね。」
と、しっかり頭下げてからお礼をいったあと首にかけた。それを確認してから、
「手をかざしてみて。」
俺がそういうと首をひねりながら返事して手をかざした。すると今度はしっかりと開いた。
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R
MP増加薬
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「これで完全に確信したよ。やっぱり俺のガチャからでたガチャ玉開けれるのは、俺か、ガチャからでたもの装備している人ってことだよ。」
俺が説明すると、萌音と琴葉はなるほどという声をあげた。
「確かに萌音先輩の今の装備ってもとガチャ産でしたね。メイちゃんの場合、メイちゃんそのものがガチャ出身だから開くことができるというわけですね。」
俺が頷くと、さっきまで落ち込んでいたのが嘘のように口角をあげウズウズしている琴葉がいた。
「よかった〜。結希斗君が気が付かなかったら琴ちゃんときまずかったよ〜。」
と、萌音がはなして、ほっと息を吐いた。確かに萌音からしたら、琴葉ができなくて落ち込んでいる横で、萌音は一発であけてしまっていたからな。意図せず自慢している風にも見れるだろ。そして琴葉の方をみると、やはりウズウズしているようだ。
「あー。そんなに開けたいなら、残り開けていいぞ。」
俺が許可すると、琴葉は目を輝かせながら、
「いいんですか?ありがとうございます。」
と、答えた。その後、琴葉は残ってた3つの赤に手をかざした。
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R
スキル生活魔法の書 ×2
寝袋一家族セット
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「ふわ~やっぱりすごいの。」
琴葉が今までに聞いたことない喋り方で見とれていた。そしてはっと気づき、
「今のは違うんです……………」
と、訂正した。俺は聞き流そうとしたが萌音は反応していた。
「そういや馬車にいるときも一回言ってたよね〜。もしかして感情高まると素が出るのかな。可愛いなぁもう。」
といって琴葉を抱き寄せて頭をよしよしした。やられてる側の琴葉は抵抗してなかった。それにしても馬車でも言ってたのか?俺が寝てるときか?まぁちょうどいい機会だし。前から考えていた事話すか。
「まぁ今のが素とかいうことは一旦おいておいて、ずっと気になってたんだけど、琴。俺に敬語いらないよ。ここ学校じゃないし、もとから敬語って苦手なんよね。個人的に距離感じてさ。」
俺が前から思っていた本心をいうと、
「そういうことなら私も〜。もう友達じゃん?いつまでも敬語だと調子狂うな〜。だから私にもなしね!」
と、萌音も賛同した。
「わかりま…………わかったの。これが僕の素なの。これからは素で話すの。大丈夫かな?」
と、琴音は口調かえた。いや戻したが当たっているのか?
「了解。すごくいいと思うぜ。」
俺が言うと萌音も賛同したように
「確かに。距離が近くなった気がするね。」
と、にこやかに同意した。まだ抱きしめたままだから、若干恥ずかしそうに琴葉はしていた。それをほほえましく感じていると、その光景には似つかわしくないグーーーという音が聞こえた。
「お腹すいた」
今まで黙っていたメイが口を開いた。確かにもう完全な、夜やしな。感覚的には20時くらいか?俺はご飯の準備することにした。