二章 67 みやび
「あ、あの。耳と目の治療ありがとうございました。」
白い耳の獣人の女の子はペコリと頭を下げながらこちらにお礼を言ってきた。
「別にいいよ。一応鑑定結果的に耳と目は完治しているみたいだけど、不自由とかない?」
俺は、サクのことや鑑定結果を疑っているわけではないが、耳を欠けたことないためよくわからない。状態に不備などがないか、本人の口から聞いて見たかったのが事実だ。今後、一切怪我などしないとは言い切れないため、聞いていて損はないとおもう。
「え、えと。耳が無くなる前のように、普通に聞こえるです。」
と、白色の狐の女の子から答えが帰ってきた。サクが起きていないから言い切れないけど、欠損回復は完全再生で後遺症など無いということだろうか?後で起きた時にでも聞いて見るか。
「そうか。なら良かった。今治した当人寝ているからわからないけど、起きたら改めてさっきの能力について説明してもらうよ。それじゃ今から自己紹介しようかな。俺は結希斗。後ろで寝ているこいつがサク。そして…」
と、俺が自己紹介した。俺が目を向けると、萌音が前に出てきて、
「私は萌音。こっちは妹の萌夢だよ。」
と、萌音が自分を指さした後、近くにいた萌夢の肩に手を置き、萌夢を前に出しながら自己紹介をした。そして、その後萌音は琴葉に視線を向けた。琴葉は頷き、
「僕の名前は琴葉なの。」
と、自己紹介をした。その後は、
「ジェイドと申します。」
「ソウヒナですわ。」
「ソウタです。」
と、ジェイドが挨拶した後、ソウヒナ、ソウタと続いた。ジェイドとソウタはしっかりと礼をしていた。全員が、自己紹介した後、次は自分かと思ったのか慌てて周りを見渡して、
「えっと、その。わたしは狐の獣人です。名前はないです。」
と、答えづらそうにしながら自己紹介みたいなものをした。名前ないのはろうな。
「一応今いないメンバーは後日紹介するとして、名前は…萌音つけてあげたら?」
俺は萌音にふった。理由としては一応狐の獣人のご主人は萌音にあたるし、変に自分がつけないほうがいいと思う。
「そうか。そうだよね。呼びづらいし、名前がないのはちょっとかわいそう。仲間になるのだから可愛い名前をつけなくちゃね。えっとそれじゃー………みやびとかどうかな?」
萌音は少しだけ悩む素振りを見せたあと、みやびというふうに名付けた。
「み、みやび。わたしの名前…………えと、その、ありがとうございます。」
狐の獣人改めてみやびは白い耳をペタンと倒しながら萌音にお礼をいった。
「一つさみやびに聞きたい事あるんだけど、答えづらかったら答えなくてもいけどさ。その怪我とあの呪いを食らった時の状況教えて欲しいな。ちょっと大きい声では言えないけど、この街の領主と敵対しそうだから、少しでも情報欲しくて。もちろん無理はしなくていいよ。言わなかったからといって見捨てる人はここにはいないからね。」
俺は、みやびの心を気遣いながら聞いた。バールディア男爵もいっていたが全く関係ないこともないかも。といった具合だが、無いよりはある方がいい。それにもし、違ったとしても、みやびをおとりにして逃げた奴らと仲良くなりたいとか思わないし、他の被害者が出ないように潰したい。
他のメンバーの意志も同じなのか俺の傷口えぐるような質問を止めなかった。
「えと、その。大丈夫です。私の過去を話します………」
と、みやびは話始めた。