二章 66 メンバー帰宅
「耳が…………音が聞こえる。目も見える。…………治るとは思ってなかった。二度と聞こえないと思っていたのに……………。嬉しい…………ほんとに。」
白色の耳のはえた奴隷の女の子は自分の目や耳に手を当ててなきはじめた。当然だ。五感というのはどれがなくなっても不安になるものだ。音が一切聞こえないなら、自分を見て話してるのに恐怖も感じると思う。
「また鑑定してみるね。」
そう一言だけつげ、俺は改めて白い耳のはえた女の子を鑑定してみた。
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ノーネーム
年齢 11
性別 女
Lv 2
HP 30/50 (欠損中のため40%減)
MP 15/25 (欠損中のため40%減)
STR 27 DEF 18
INT 7 RES 100
MDF 6 AGI 48
DEX 15
スキル
〘逃げ足Lv1〙〘聞き耳Lv5〙〘氷魔法の可能性〙
称号
〘忌み子〙
状態
左腕欠損 右足欠損
装備
頭 無し
上半身 女性用 奴隷服
下半身 女性用 奴隷服
靴 無し
武器 無し
アクセ 無し
所持品 無し
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やはり、目と耳の欠損の文字がなくなり、スキルも復帰している。信じていなかった訳ではないけど、見た目だけではなく称号でも改めて確認する事ができた。サクの能力は本物だ。しかもまた明日という言葉のため、腕や足も治せる可能性があるということになる。そのことにさらに私は驚いた。
その後、俺達は泣き止むまでまった。話はそれからでも遅くない。そうしている間に萌音達も帰宅をした。
「ただいま〜。ってあれ結希斗君帰ってきてる?速かったね。」
と、萌音が軽く挨拶して、その後ろを琴葉、萌夢の順で帰ってきた。
「あれ結希斗先輩?どういう状況なの?」
琴葉の疑問も最もだ。俺の後ろに見慣れない女の子が寝ていて、奴隷の子は耳が治り、大泣きしている。何も知らなければカオス以外に無いだろう。萌音は早速鑑定を使っているみたいだ。琴葉の能力上、帰宅前から部屋の状況見れているはずだし、仲間ということは理解しているはずだ。だからこそ純粋に部屋に入ってすぐに質問してきたのだろう、
「簡単に説明するとだな、桜の樹霊が出てきて、この子の耳を直したところだ。」
と、説明した。簡単に説明した理由として、鑑定使えたらある程度察する事ができると思う。だって鑑定結果がすべて答えだから。サクの能力といい獣人の子の状況といい。そして、鑑定かけられている当の本人である、サクは全く気づく素振りもなく夢の中だ。
「なるほど。琴葉ちゃんが地図上にでた青のマークが増えているって言ってたけど、今やっと理解できた。確かに結希斗君のガチャからでた樹霊なら青表示だよね〜。メイちゃんと一緒みたいなものだし。それに能力もかなりレアだと思う。」
と、萌音は鑑定が終わったのかそのようなことを話していた。そこで俺は、一つ疑問に浮かび聞いてみた。
「萌音は樹霊は大丈夫なのか?」
前にレイを怖がっていたし、なれるまで時間がかかっていたため聞いてみた。
「大丈夫だよ。サクちゃん普通の人間っぽくみえるから。樹霊と、聞いたとき少しビクッとしたけど、レイ君と同じ味方と考えたら怖くはないかな。」
と、明るく返してきた。いらない質問だったかもな。まぁそれはともかく獣人の子も泣き止み始めたし、話を始めようか。