二章 62 帰宅
俺はオークの方を向いて、息を吐き集中力を高めた。そして、竿に刀を直して体制を低くしながら構えた。オークはそれを見て、俺が諦めたとでも思ったのか頬を少し上げながら襲ってきた。
一瞬、オークが瞬きした瞬間に俺は素早く刀を抜きそのままオークの首に刀を振り抜いた。1番俺に近づいてきていたオークは呆気なく瞬きの目が開く頃には身体と頭がお別れしていた。所詮はDランク、レベル上がっている俺には敵ではない。先頭のオークが呆気なくやられてしまったのをみて、他のオークも足を止めた。
魔物とはいえ、多少は頭があるのか、同様に襲ってこない。とはいえ、受け流すだけではない刀の前にそれは大きな隙となる。靴のスキルブラックホールを使い自分の間合いに強制的に引きずりこみ、残りの4体削るのも時間がかからなかった。
敵ではなかったが、違和感もあった。いつもより切れ味が良かった気がする。とはいえ、今はそんなこと考えているときではない。俺は急いでジェイドの方に向かった。ジェイドの方は一進一退だ。魔法で、なんとか追い返しはしているものの、ジリ貧となっていた。
俺は大分緑に近づいているスタントカゲの首もはねた。多少ビリつくと思ったが、そんなことなかった。だからこそ制圧にはそれほどに時間はかからなかった。
「主様みごとです。」
ジェイドが周りを警戒しながら一応戦闘態勢を解いた。また襲撃があったら大変だしな。
「依頼も完遂したし、コイツラの素材回収したら帰るぞ。この森の異常を報告しなければ犠牲が増えたら大変だ。今回は俺達だから倒せたが、コイツラより強い奴らが群れなしてきたら流石にきついかもだしな。」
俺は解体ナイフを当ててその後マジックバックに片付け始めた。
「かしこまりました。」
こんな場所でも礼儀正しい、ジェイドとともに片付けた。その後も森から出るまで、かなりの魔物に襲われた。俺達は今回まっすぐつっきってまっすぐ帰って来たのにもかかわらずだ。襲ってきたのは、ゴブリン48匹、スライム32匹、キノコの魔物のドクロキノコDランク24匹、スタントカゲ12匹、オーク6匹、キラーアント31匹と、とんでもない量だ。これは1種のスタンピードではないのだろうか?
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ドクロキノコ
討伐ランクD-
性別 ♂
Lv 13
HP 48
MP 92
STR 18 DEF 26
INT 72 RES 11
MDF 76 AGI 73
DEX 48
スキル
〘毒Lv8〙〘毒領域Lv3〙〘毒吐息Lv1〙
装備
なし
体内に大量の毒を溜め込んでいる。その毒を浴び続けると命を落とすことがある。毒を使うたびにMPを消費するため最初の方は、遠くから攻撃してMPを減らしてから倒すのが定跡。ただし、RESが高いと耐えれる。
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俺はドクロキノコは切り飛ばした瞬間風魔法で吹き飛ばすという荒業で突破した。だが普通に、多い。森に入って体内時間的に2.5時間くらい?奥に潜ったあと、帰っているだけで、俺等は特に珍しいこともしていない。途中から琴葉と萌音の人形が合流して解体は速くなったが明らかにおかしい。俺らは森脱出後に、直でギルドに向かった。
「あっ、やっぱり無理だったんですか〜」
と、何も知らない受付嬢が煽ってきたが、俺は討伐の証明をダンと、受付嬢の前の机にだし、
「ギルド長呼んでくれ。森に異変があった。」
と、俺は伝えた。受付嬢は目を点にしていた。
「え、えと依頼クリアで…」
と、驚きできいてなかったのかった。
「ギルド長を呼んでくれ。森がおかしい。いつ、スタンピード起きてもおかしくないぞ。」
と、俺が伝えて。賑わっていたギルドが騒然とした。