二章 60 キラーアント
キラーアントは単体ならEランクの魔物らしい。ギルドで調べた限りそのように書いてあった。では何でDランクなのかというと、キラーアントは1体でいることがレアな存在だからだ。常に5体以上の群れで行動する。だから、例えば4人パーティーで組んでいたとしても、キラーアントが相手なら必ず数的不利となる。だからこそ、キラーアントの討伐は最低D以上。となる。
ちなみにだが、ジェイドはまだEなのにDを受けれる理由だが、俺、萌音、琴葉がDランクのため、現在パーティーランクへDとなっているためだ。
10人以下のパーティーで、3人以上がDランクの場合パーティーランクはその上の3人に合わせられる。ちなみにパーティーの8割以上がDランクの場合、パーティーランクはCとなる。これはBまで適用されるため。よっぽどパーティー内のランク差がない限り、パーティー受注するなら上の人と同じランクとなる。
話はずれたがキラーアントに戻ろう。ランクDが5体以上ならもちろんさらに上がいる。群れが50以上ならそれはランクCからランクBとなる。ランクCにするなら一パーティー10人として、3パーティーは絶対条件だ。
何故その話をするか?それは目の前にいるキラーアントは50匹以上の群れだ。
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キラーアント
討伐ランクE
性別 ♂
Lv 17
HP 97
MP 0
STR 94 DEF 68
INT 0 RES 0
MDF 0 AGI 46
DEX 0
スキル
〘強歯Lv7〙〘突進Lv2〙
基本群れで行動することの多いアント。一匹いたら5匹いると思え。鍛えられた歯は時に剣すらも噛み砕くほどといわれている。群れで行動しているときはリーダーの指示に従う。そのリーダーがやられたら、しばらくの間統率が乱れる。魔法に対しては滅法弱い。
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しまったな、萌夢も連れてきたらよかった。でもそうなるとソウタを見る人いなくなるしな。
俺は最初に突進してきたキラーアントを5体をやすやすと避けながらバックに入っている風魔法の書のコピーを2つ取り出した。そして片方ジェイドに投げ渡した。
「ジェイド。しょうがないからこれ読んで一気に決めるよ。」
俺がそういうふうに言うと、ジェイドも数体対処しながらそれをうけとって、
「かしこまりました。」
と、返事してすぐに本をひらいた。同じ頃俺の方も開き無事に習得できた。近くまで来てるやつは突進を交わしながら剣で対処して、遠くのやつにむけては、
「ウィンドボール。」
と、いいながら風魔法を放ち対処した。できれば連携を乱すためにリーダーを探しながら戦ったがわからなかった。どうやらリーダーのキラーアントも同じランクなのか、てんで見分けがつけない。
とはいえ所詮Eランク。普通の冒険者などは苦労するだろうが、今の俺達は遠近両方対応できる。おかげで、50体のキラーアントを仕留めるのに、リーダーキラーアントを倒さずとも30分以内に片が付いた。ギルドでは魔法使える人が、珍しいと言っていたが魔法が使えて、かつ相手に魔法耐性がないならこの結果はおかしくないだろう。だが、1つ気になることがある。何故かキラーアントは逃げるような感じだったことだ。
そして、戦いが終わった後大変だった。それは、死んだキラーアントに解体ナイフをあてて回収することだった。まぁ今回は楽できたがあと2つ。俺とジェイドはゴブリンとかを屠りながらもう少々奥の方に歩き出した。