表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/124

一章 9 琴葉、危機一髪

琴葉side


僕は音楽の能力開放のために萌音先輩を呼んだ。鑑定でおそらくみてたはずの結希斗先輩がなにも言わず距離を取り耳を抑えてた。そこまでしないでいいと思うけど。それでも萌音先輩に話しかけやすくなったのは事実だ。萌音先輩が近づいてきたから耳に手をあてて、


「質問です。結希斗先輩って、どういう人なのでしょうか?結希斗先輩を、とても優しい人と言っている人と怖い人と言っている人がいました。それ以外にも噂がたっていて。いじめとかも起きているようなことも聞いたのですが。話している感じ分からなくて…………………」


僕は、ちらっと結希斗先輩を見た。こちらには興味なさそうにそれでも耳はいまだに抑えながらいた。僕の能力獲得のためとはいえ、律儀な人だなと思った。そして萌音先輩は少し考えるような顔してから、僕の耳に顔を近づけてきて、


「私は、別のクラスだからあまりわからないんだけどね。結希斗君がいじめられてたのは事実だと思うよ。というのも普段からスマホのゲームしていて、それなのに成績は上位者。今年は4月にこんなことなったし、わからないけど少なくとも去年はTOP3に常にいたね。しかも顔もあんな感じで、イケメン部類だから男子の敵は多かったと思うよ。


だから大半のクラスの男子とその男子のこと好きな一部の女子はいじめてたらしい。やり返したという噂も聞かないしね。他の人に興味ないってのがホントのところかな。今も目の前で行われている会話に興味しめしてないし。


だけど優しいという人は一度結希斗君に助けられたんじゃないかな。私のクラスに一人だけ結希斗君に夢中な人がいたんだけど、その人、怖い男子に執着されていたらしいんだよね。他の人が無視する中結希斗君が助けたみたい。その後何人かに囲まれていたみたいだけど全部返り討ちにしてね。その人がお礼言おうとしたらしいけど、こいつらに絡まれたら俺のところにこい。ってだけ言い残して帰ったらしいの。お礼言えなかったって言ってた。その人今回の追放で後悔してるんじゃないかな。操られてると結希斗君が言ってたけど、そうとはいえ追い出したし。」


萌音先輩はそう答えてくれた。そういえば優しい人と言ってた人も好きみたいなこと言ってたと思う。萌音先輩の話からしても本の中の主人公みたいな人なのかな。そんなこと考えていると頭の中に


『条件を達成しました。音楽が解放されます。』


と、聞こえてきた。僕はまだ聞きたいことが萌音先輩にあったけど結希斗先輩待たせているし、結希斗先輩に


「もう大丈夫ですよ。」


声をかけたが反応はない。耳抑えているせいか全く聞こえてないらしい。僕は両手で大きな丸を作った。すると結希斗先輩も気づいたのか、耳から手をはなし


「どう。獲得できた?」


と、聞かれた。私が返事すると、よかったねと一言かえってきた。その後私がいろいろ鑑定していると結希斗先輩がすることなくなったのかゴロンとねころがり、


「俺も休むよ。何かあったら起こして。」


それだけいって眠りについた。確かに鑑定し終わったらすることないかも。それから寝息が聞こえてきたのを確認すると、僕は萌音先輩に振り向き


「あのー萌音先輩もう1つ質問いいですか。」


僕がきりだすと、萌音先輩は振り向き


「うん。どうした?」


と、優しく聞き返してくれた。


「結希斗先輩が年下の中学生と付き合っていた。という噂もあるのですが、それって本当なのですか?」


これも噂になっていたことだ。これにより一部の女子がロリコンと避けていた。


「あーあったね。でもそれ多分嘘だよ。さっきいってた人が言ってたんだけど助けられたとき、噂の中学生の子もいたらしいんだけど。まぁ当時は小学生かな。その人の近くにたっていて、結希斗君を抜けてきたひとを軽く締め上げながら、兄さん1人流れてきてますよ。と言っていたらしい。それで兄妹かと聞いたところ、兄弟子と答えられた。と、言っていたからおそらくどこかの道場の仲間だと思う。」


と、答えが帰ってきた。なるほどと僕が考えていると、


「さっきから結希斗君のことばかりで妬けちゃうな。結希斗君のこと気になるの?」


と、萌音先輩から言われて、


「ち、違うの。じゃなくて違います。ただ気になって、噂と違ったので。それになんとなく似てるような気がしてるだけで………………」


と、僕は答えた。それを聞いた萌音先輩はニヤニヤしながら、


「へー誰に似てるのかな〜」


と、返されて墓穴ほったと感じてしまった。逃げられないと思ったので諦めて答えることにした。


「僕は自己紹介でもいったと思いますが孤児なんです。生まれたときから。昔から一人でひっそりと本読むのが好きで小学校入るまでは特に問題なかったのですが、入ってからは私はいじめられていました。それは、学校でも孤児院の中でも、そんななか一時期だけど孤児院に来た人がいたのですが、私をいじめていた人がその人もやるように誘ったんです。最初は年上の人っぽくて怖かったのですが、あの方は僕の前にたつと、『ダセェ』と一言だけ残してどこかいきました。それ以降、孤児院ではいじめて来る人がいなくなったんです。あとから理由聞くと、あの方が『親いない同士で仲良くしなくてどうするんだよ。ここには親に捨てられたやつもいるだろ。いじめるってのはダセェことでお前らのこと捨てた親とやっていること一緒だ。人の人生考えないクソダサいやつ。もしこれ以上いじめるなら、まずは俺に喧嘩売りやがれ』と、孤児院にいた人たちを説教したらしいんです。流石に自分を捨てた親と一緒と言われた人たちは言われたときは反抗しようとしたらしいのですが、よく考えてみたら確かにと気づいたみたいで。その後あの方はなくなった親の親戚という人がその人を迎えにきました。あの方がいなくなってもイジメは起きず、学校とかでいじめられてると守ってくれるようになりました。僕はあの方のことを忘れたことはないんです。結希斗さんは、はじめて見たときにどこか似てるようなきがして。でも違ったら失礼なので確認はしてないのですが。」


僕が話し終えると、しっかりと聞いてくれた萌音先輩は


「なるほどねー。すごくいい人だねその人。それに同じ孤児院の人も反省して守ってくれるとはいい話だね。あれ、召喚された中にも同じ孤児院の人いなかったの?いたらつらいよね。」


と、僕の身をあんじて心配してくれた。ほんとに優しい先輩だなと感じてしまった。僕は涙出そうになるのを抑えながら、


「それは、大丈夫です。いつまでも守られているだけじゃだめと思い、僕だけこっちに入学したんです。だから、孤児院の家族はいないです。」


と、僕が言うと、萌音先輩は安心したように。


「よかった〜。」


と、心から思っているような声で言ったあと、僕を抱きしめて、


「もう一人じゃないよ。」


と、言ってくれた。僕は抑えていた涙がとうとう決壊してしまい泣き出してしまった。思えば転移してから例の検査で仲間外れになり、昔に戻ったみたいでとても怖かった。でもひとりじゃないと、いわれて救われた気がした。




僕が泣き止んでからどれくらいたっただろうか?泣き止むまでは宥めてくれて、泣き止んだあとは嫌な顔をせずに話につきあってくれた。そんなことしていると馬車が止まったような感覚がした。慌てて私は地理を起動すると、赤いマークの人が二人近づいてきていた。そして馬車の前にたつと僕たちの馬車のドアを開けて中に入ってきた。とっさに萌音先輩が私をかばうように前にでた。兵士の服を着た人の一人が口を開き、


「命令は夜にバレないように殺せってことだったが、その前に味見してもいいよな。」


と、いうと、もうひとりも。


「当たり前だよな。殺処分の女で遊んだところで誰もいわねーだろ。」


と、答えてニタニタした顔で近づいてきた。僕は怖くて喋れなくなっていて、萌音先輩も固まっていた。もう少しでその兵士の手が僕に触れそうなところで僕は目を瞑った。


その後触られる感触がなく不思議に思って目を開けると、さっきまでねてたはずの結希斗先輩が隣にたっていて、兵士の顔面を殴り飛ばしていた。













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ