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二章 54 露店

俺と琴葉が東側に歩き始めてしばらくすると、サファイアが言っていた露店がみえた。




「さて、すぐに見つかれば楽なんだが………ぱっと見渡す限りはいないな。」




俺が露店の方にめをむけながらいった。露店はどれくらい続いているのかわからないが、食べ物屋などがズラッと並んでいた。まるで日本の祭りの時に出る屋台みたいなかんじだ。




「うーん。僕の地理にも引っかからないの。そもそもバールディア男爵が引っかかるかわからないの。」




と、琴葉が謝りそうな感じで言った。琴葉の能力だと、青く光るのが味方だが、必ずしも探し人とは限らない。




「まぁしょうがないか。情報も少ないことだし、一つずつちゃんと調べるか。」




「了解なの。」




俺達はそのまま止まらず露店の並んでいる場所へ入った。露店に並んでいる料理は、なにかの肉を串に挿して焼いてタレを付けた焼き鳥みたいなものや、黒パン、酒類など露店によって違った。ここの露店だが、俺等より前に召喚された人たちも関わっているのではと思うような商品を、売っている場所もちらほらあった。




「なんだか懐かしいの」




と、琴葉が昔の記憶とあわせて浸るのも仕方ないと思う。夏祭りなどである屋台みたいだからだ。俺も小さい頃に唯華と一緒にいったのを思い出して、少し顔が綻んだ。




「どうせ昼飯まだだし、いくつか買って行こうか。萌音達の分も含めてあとで食べよう。」




正直こんなに、いい匂いが漂うような場所で、我慢して人探しだけってのは辛いしな。




「賛成なの。あそことか美味しそうなの。」




琴葉も同じ状況だったのか、早速目の付いた場所によっていった。そしてしっかりと六人前買って戻ってきた。それをそのまま収納している。琴葉はホクホク顔だ。俺も美味しそうなのを適当に見繕って買っていった。




俺達がそのまま見て回っていると、露店の最後辺りについた。




「うーん結局いなかったの。」




「俺達のところじゃなかったのかな?それじゃ戻ろうか。」




俺がそう言って踵を返そうとしていると、琴葉は首を捻って、




「あそこな何なの?」




と、呟いた。俺もその方向を向くと、そこにはサーカステントのような大きいテントがあった。俺もわからなかったので、鑑定かけて見ることにした。





………………………………………………………………………………………………………




真っ当な奴隷商




借金奴隷や欠損奴隷、戦闘奴隷、軽犯罪奴隷などを売っている。そこには違法性はなく、真っ当な商売をしている。




………………………………………………………………………………………………………





なるほどな。奴隷商か。こっちの世界にはあるだろうな。奴隷という存在がいるから。違法性がないなら、今は無視してもいいかな。奴隷の相場などはわからないけど、おそらくだが、全員を開放するほどのお金はないだろうしな。




「奴隷商………………想像がつかないの。結希斗先輩、ちょっと見てきて大丈夫なの?」




と、琴葉からお願いされるような目でみられた。想像つかないからこその興味心かな。少なくとも琴葉は奴隷をもののように扱う子じゃないし、知ってて損は無いかな。




「わかった。じゃあ俺もいくよ。俺達は普通に接してるがこの世界の奴隷の扱いっていうのが気になるしな。」




俺達2人はそのまま奴隷商に近づいた。




「おや。いらっしゃいませ。今回はどういった奴隷をお探しですかな?」




少し太った店員が俺等に気づいて、声をかけてきた。




「少し中を見せてもらっていいか?購入とかはまだ考えてないんだが。」




俺はさすがに冷やかしです。とは言いづらいので、ちょっとオブラートに包んだ。店員はそれを聞くと、ニコリと笑いながら、




「つまりは冷やかしですね。どうぞどうぞご自由に見てください。」




と、返された。ぶっちゃけられたが、俺等からしたら当たっていることなので何も返せない。




「お客様。私は怒ってませんよ。奴隷と聞くと、悪い印象が強い人や、違法に手を染める悪徳商人もいますが、うちは至って健全。探られる腹もないのですから、少しでもいい印象貰えるように、冷やかしオッケーなのです。」




俺等が冷やかしとばれてなんか言い訳探している。とでも思ったのか、さらに冷やかし肯定するようなことを店員は話した。鑑定にも出ていたが、ここはやっぱり相当良いお店なんだな。












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