二章 52 暴動の理由
ギルド長のジェーダスは再び『はぁ〜。』とため息をついた。ギルド長とバールディア男爵って面識あるのだろうな。さっきの言い方的に。また、いつもの名前の出る公爵様関わりあるのかな?まぁ今はいいか。
そんな事考えていると、部屋のドアを叩く音が聞こえた。そして、ジェーダスや副ギルド長のベクトの返事を待たずにして勝手に入ってきた。一瞬警戒したが入ってきたのはバラヤだった。
「お前………また勝手に。はぁー。それでなんのようだ?」
ジェーダスは、おそらく口からでかけた怒りの小言を飲み込んでバラヤに聞いた。少なくともバラヤの報告は今回の俺達に関係ある可能性が高いからだろ。
「報告はさっきの奴らについてだぞ。それとだ。小娘さっきは悪かった。つい本気出してしまったぞ。しばらくは安静となるだろうが一緒に活動できるの楽しみにしてるぞ。」
バラヤは琴葉のことを気にかけるように話した。
「別にいいの。あれはギルドテストなの。怪我は実力が足りなかった僕のせいなの。」
と、琴葉は答えた。だけど手はしっかり握っている。リベンジに燃えているみたいだな。
「それで、報告とはなんだ。」
ジェーダスが聞くと、バラヤはジェーダスの方を向き直り、
「いくつか怪しいところがあったぞ。襲撃者のうち何人かは洗脳にかかってたぞ。ただの冒険者崩れではないぞ。それとだ。外の暴動も全員捕まえたぞ。だがこちらに関してはギルド職員が手伝った形跡があったぞ。」
と、バラヤがいった。それに対して、ジェーダスとベクトが顔をしかめた。
「最優先報告書が回ってこない理由に納得がつきますね。」
ベストが苦々しくいった。つまりだ。まとめると、内通者がいた事になる。しかも、その内通者のお陰でジェイド達にも被害が出ているということになるな。それにしても砦といいここといい内通者多くねーか。この街は。やっぱり、隣の糞国が、かかわっているのか?
「一応聞くが、まだ目星はついてないのか?」
ジェーダスが確認のためにきいた。バラヤは指で3を作ってだし、
「一応3人に絞ったぞ。ただ急がないとお領主が介入するだろうな。」
と、いった。この街は本当にめんどくさいことなっているんだな。
「わかった。バラヤ、領主軍の足止めできるか?今色々起きてて一つずつ潰すべきだ。まずはその3人について、ギルドが威信を持って徹底的に調べる。その後、孤児院の件だ。そして、バールディア男爵の協力を仰ぎ次第、領主邸に行こう。結希斗、お前らは今すぐバールディア男爵に接触しておいてくれ。」
と、ジェーダスは指示してきた。
「あぁわかった。じゃー俺等は早速出てくるが大丈夫か?」
俺等の逃避行に平穏はねーな。俺は頭の中でそう思いながら、俺が立ち上がった。それに続いて萌音や琴葉達も立ち上がり続いた。
「もちろんだ。ただバールディア男爵にあった時に、一言伝えてくれ。赤い月が落ちる。とだ。そのあとはまたギルドに帰ってきて欲しい。その頃にはギルドカードを用意しておく。それと、ジェイドにだが、もし他の孤児がまだいるとしてもしばらくは手を出すな。下手に警戒されて捕まらないなら意味がない。」
と、ジェーダスは忠告した。
「えぇわかっております。神父を殴り飛ばしたい気持ちは相変わらずですが、今は主の奴隷ですので、勝手な行動はできませんしするつもりはありません。救われた恩義をかえします。ただ計画実行のときは主におしえてくださいませ。」
と、ジェイドはいった。落ち着いているように見えるがやはり腸にえかえってるんだな。
「ジェイドがいった通りで頼む。伝言は覚えた。それじゃ行くぞ。」
俺はそう言って部屋を出た。
「じゃーまた後でね。」
「行ってくるの。」
そう挨拶して、萌音達もでて俺についてきた。