二章 48 ジェイドの過去
「【雑事】は基本的に低級依頼の場合が多い。だが、稀にCランク以上の呪いの解除だったり、するから依頼書はしっかり読んだほうがいい。まぁ今、話をよく聞いてるお前らには、余計なお世話かもだがな。」
ギルド長のジェーダスがそういった。呪いの解除とかもあるのか。俺の〘ガチャ〙で対抗策見つかるなら受けてもいいかと思うけど、しばらくはやめたほうがいいだろうな。そういえば最近ガチャ引いていないな。
「では依頼の受け方について説明します。先程説明した通り、依頼には3つあります。そして、それぞれ受け方が違います。と、いっても、【常駐依頼】は、先程説明した通り、受ける必要はありません。掲示板に専用のコーナーがありますので毎日確認していただければ大丈夫です。早々変わるようなことはありませんが、重要性は少ない情報の経由などもそちらに貼られていることもあります。次に【通常依頼】ですが、こちらはブッキングを防ぐため受付を通しての依頼となります。掲示板に貼られている依頼書を剥がして受付してもらいます。パーティーの申請していましたら、パーティーの誰かが提出するだけで、パーティーの受注となります。【緊急依頼】に関しては、特別でその他の依頼の受注が一時凍結します。理由としましては【緊急依頼】は、誰かの命がかかった依頼。もしくは街の危機などとなります。基本対象者はその時ギルドにいる全員で、さらに呼び出しもありえます。一応、強制参加ではなく、自由参加ですが参加しないと評価は落ちます。」
つまりだ。【緊急依頼】はそのなのごとし、本当に危険が迫っている時に発令されるというわけだな。
「ちなみに過去の【緊急依頼】ってどういうやつ?」
俺が、話の続きをしそうになっている、副ギルド長のベクトを遮って質問した。一応それは聞いていたほうがいい。そんな不利益すぎる依頼などは、ないだろうが確認は大事よな。
「まぁ、お前らなら確認するだろうな。この街で冒険者やるなら。ここ10年の間に、この街では2回発令されている。1つ目は、魔物のスタンピードだな。お前らも通ったと思うが砦の奥にある森で魔物がスタンピードをおこして、その際砦も壊されてこの街まできた。その時、【緊急依頼】を出して街の防衛にあたったやつだな。そして、2つ目はこの街で、謎の病気で住人が次々と倒れたときだ。全体の調査結果、井戸が原因だった。その後、解毒など色々調べ直して解決した感じだな。まぁ最終的には公爵様が出張ってきて解決してくれたがな。この街ではこの街領主より、4公爵様の方の方が人気は高いな。まぁ…………………2つが過去10年でだな。」
なるほどな。確かにどっちも緊急性高いな。だが、真実ではあっても全てではないな。それが答えだろ。謎の空白は。
「ちなみに両方再発のおそれは無いの?」
おそらく、無意識な琴葉が質問した。それには少し答えづらそうな顔を一瞬だけしたが、
「今のところは無いですね。そのために公爵様方も動いていらっしゃいますし。」
と、当たり障りのない解答が帰ってきた。動いている、ということはまた起こるかもっていったところか。
「それにしても、この街の領主さんではないんだね。あれ?その公爵様が領主じゃないんだよね?」
萌音もそのような質問をした。そしてたまたま萌音の顔の方を振り向いたときにジェイドの顔が見えて、その質問に少しジェイドが顔をしかめた。すぐには戻ったが公爵か領主に思うところあるのか?
「違うな。確かにこの国は国王収める中央エリアと各公爵が収める4エリアの合わせて5エリアにわかれているが、それぞれの街など、小さく区切ったエリアには領主がいて、それぞれの領主がその地を治めることになっているからな。流石に広大すぎる領土を1人が収められないからの方策だ。ある程度は一任されているんだが、領民を蔑ろにするなどして、それが上の耳に入ったらそれぞれのエリア担当が動く。という感じになっておる。あまりにもひどい場合は中央で、爵位剥奪など実刑が付く場合があるな。まぁ国王と公爵は敵対などはしてね~からそういう場合互いに持ちつ持たれつって感じで収めている。互いのエリアの中間とかどっちにも適用されるし、完全なこのいちから自分のエリアなんてのを定めてない。」
なるほどな。ほんとにこの国の制度は面白いな。前聞いた感じじゃ牽制しているって感じだったが、牽制はしているが協力しあっている。といったほうがあっているかもな。
それにしてもだ、しっかりと領主が治めることに決まっているのに公爵が出てくるということは、この領地を収める領主の力量がわかるな。できれば関わりたくないものだ。
そんな事考えていると、ジェーダスがこちらを見定めるような顔をしながら、こっちを向いてた。俺が疑問に思っていると、
「これでギルドのランクと依頼についての説明は終わった。質問は受け付けるが一旦後にするぞ。俺からの質問だ。ジェイドお前は何をつかんでいる?」
と、ジェイドに聞いた。ジェイドはその質問に対して、慌てた様子もなく、
「つかんでいるといいますと?」
と、丁寧に返した。
「孤児院についてだ。俺のつかんでいる情報じゃお前は孤児院のリーダーだったんだろ。だが、一ヶ月前、子供と一緒に姿を消した。普通ならお前か疑われるはずだが、俺はそうは思えねー。お前のことはまじめだと知っている。それにだ。おまえのステータスが証拠みたいなもんだな。それでだ。結局どうなんだ。」
と、ジェーダスは続けた。その言葉通りジェーダスからはジェイドについて疑っていたりするような目を向けていない。それに鑑定使えるならわかるだろうが、ジェイドに殺人などの物騒な称号はついていない。
「わかりました、ではお話します。あの日の出来事
を」
やはり、何かを隠していたらしくジェイドはそういった。