二章 47 冒険者3
「そしてこれが、一番大事なのですが、常駐依頼の薬草採取ですが、日によって報酬が変わります。」
と、副ギルド長のベクトはいった。報酬が変わる理由は需要と供給の関係からか?それなら納得は行くけど、わからないことは確認したほうがいいかな?
「それって需要と供給の兼ね合いからかな?その日の買い取り金額とかわかるの?」
どうやら俺と同じ疑問にあたったであろう、萌音が先に質問した。地球では基本だったから、やっぱりそこに行き着くんだな。
「えぇ。その通りです。まさか答えが出るとは思っていませんでした。薬草はポーションに加工するためなのですが、薬草は摘まれた後、数日で回復効果が落ちる劣化版となってしまいます。なので、できる限り、劣化版ではなく通常時に加工できるように、数日での量がギルドでは決まっております。そのために、数日の供給が少ない日は、値段が高く、数日の供給が規定値超えている場合は、値段が安くなります。また、例外として、戦時中を含む特別なときは、規定値関係なく高くなる場合もあります。そして2つ目の質問についてですが、朝に依頼表が張り出されますので、それが1日の価格となります。」
と、ベクトは丁寧におしえてくれた。初めて聞いたが、薬草って品質落ちるんだな。つまり薬草も普通の植物みたいな感じなんだな。地面に生えている花とか取ったときは、適切な処理しないとすぐに腐ってしまうしな。そう考えると、時間が止まる収納はとんでもなく利用価値が高いことになるな。一応、薬草も後で調べてみるか。鑑定あるとはいえ、知識として知っていて損はないだろうな。
「薬草についても、図書で調べられます。詳しい収穫とかなら医療ギルドに行けばわかると思います。もともと薬草収集は医療ギルドからの依頼ですからね。他に質問ありますか?」
ベクトは再び見渡した。俺達が首を横にふるのを確認したベクトは紙に目を落とした。
「では、次は【護衛】について説明いたします。これは、読んで字の如く、依頼者を守る仕事となっております。この街でも時々出てますので、詳細は受注時に詳しく教えます。」
【護衛】は想像通りかな。むしろそれ以外はないと思う。
「【護衛】に関しては、またその時に、説明いたします。次は、【散策】についての説明です。【散策】は、主に未開地捜索だったり、ダンジョンなどの捜索にあたります。ダンジョン関係の依頼は基本的に【散策】になりますね。この辺にダンジョンはありませんので、ダンジョン関連の説明はダンジョンのある町で聞いてください。」
この世界ってダンジョンもあるのか。本当にゲームみたいな世界だな。ダンジョンといえば、定番は宝箱があったりするんだけど、いつかいけたらいってみるのもいいかもな。
「未開地に関しては、国が出す依頼もありますけど、ギルドが出す場合を説明します。例えばですが、結希斗さん達に依頼することがあるとしましたら、結希斗さん達より低い冒険者が何人もの適正ランククエストを失敗したとしましょう。その時に、ギルドは何かそのクエストに異常が無いかの調査をする依頼を結希斗さん達に出します。そして、適正ランクがかなり上の魔物が実は周辺を蔓延んでいたり、そもそも依頼が違ったりなどがあった場合の対処。もしくは報告が【散策】の仕事内容となっております。つまり、何故か今までとは違う場所を未開地として索敵、調査などをまとめたものが【散策】というわけです。もちろんですが、【散策】は他の4つより優先度が高く【緊急依頼】として、扱われることが多いですのでご了承ください。【緊急依頼】は他の仕事凍結させてでも優先にすべき依頼と、なっております。」
と、ベクトは説明した。未開地って未開発の地域って意味ではないんだな。今までと違うから未だ解明されない地って意味が込められているんだろ。まぁ確かに、俺等も何回かレアモンスター出したし、今までと違う状況って意外となりやすいのかもしれない。
「まとめてお教えいたしますね。最後の【雑事】てすが、他の四つどれにも当てはまらない仕事となります。例えば、洗濯や掃除などですね。」
なるほどな。そっちがあったか。