一章 8 琴葉のステータス
「おはよう琴。もしかしてうるさくし過ぎたか?すまんな。」
「えーそうだったの。ごめんね。」
俺と萌音は鑑定しながら少しずつ声が大きくなっていってたし、そのタイミングで琴葉が起きたから、もしかしたらと思い先に謝った。琴葉は一瞬なんのことかわからずキョトンとすると、手を前で横にブンブンとふりながら、
「あっいえ。僕はたまたま、今目が覚めただけてす。先輩たちのせいではないですよ。」
そういうと、次は顔を赤らめながら少し目線を横にはずして、
「えっと……その2人の邪魔してしまいましたか?」
と、聞いてきた。今度は萌音がキョトンとして、俺は琴葉がものすごい勘違いしていることに気づいた。
「ちょっと待って。琴。すごい勘違いしてるよ。俺たちは鑑定結果の話し合いしてただけだから。」
俺がそう伝えると、やっと萌音も理解できたのか顔を赤らめていた。
「そうなのですか。すみません、てっきり、き、き、キスを、し、し、していたのかと思いました。」
と、今度は予想を下回る答えが帰ってきた。もしかして琴葉ってかなり純情なのか?俺がそんなこと考えてると、
「ち、違うよ。わ、私達付き合ってないし、その先なんて……………」
と、萌音があわてながら、さらに墓穴ほった返答をした。勘違いから始まったこの会話はこれ以上やると収集つかなくなりそうなので、俺は近くにおいてあった書をとり琴葉に投げ渡した。
「琴、それを読んでみて。」
琴葉は何回か手に弾いて落としそうになりながらもキャッチした。
「これは、なんですか?」
琴はそうつぶやきながら、本を開いた。琴は感動したような声を上げ、萌音は2度目のそれをみてやっと落ち着いたのか深い深呼吸して息を整えていた。墓穴はほったが互いに傷は浅い状態だろう。そして本が自動で閉じ、琴にスキルが入ったであろうタイミングで話しかけた。
「今のはガチャで落ちたスキルの書。鑑定覚えたでしょ?それでスキルについて鑑定して話してたんだ。」
俺がそういうと、琴葉はまたキョトンとして
「鑑定ですか?マジックBOXというスキルが手に入りましたが。」
と、帰ってきた。俺は手元に残っている鑑定の書を見て、
「あっ」
と、呟いた。俺も慌ててたのか、鑑定の書ではなくマジックBOXの書を投げてたみたいだ。自分でやったことだし、過去にも戻ることなどできないから、あらためて鑑定を手に取り琴葉にわたした。
コピーは取っておけばいいし、琴がマジックBOXおぼえても何も問題ないからね。
「ごめん間違えてた。鑑定はこっちだね。」
また、同じく本が勝手に開かれる光景を見ながら軽く萌音には謝っていた。
「萌音すまんな。間違えて投げてしまった。」
萌音も気にしてないのか、
「いいよ~。それに私がこれ以上墓穴掘る前に止めてくれたんでしょ?それにもう二度と手に入らないものじゃないし、私は巫女服もらってるから、これでアイテムBOX貰うと貰いすぎだよ。」
と、琴には聞こえないような小声でこたえた。まぁ確かに。萌音の言う通り萌音は巫女服もらってるからな。これでちょうど2つずつになる。そういう考え方もあるのか。
今度こそ、鑑定を覚えた琴葉に俺がステータス見ていいか聞こうとしていると、
「琴ちゃん。琴ちゃんのステータス鑑定で見てもいい?」
と、恥ずかしさから立ち直った、萌音が聞いていた。俺も同乗して、俺もとこたえた。
「もちろん大丈夫ですよ。萌音先輩。結希斗先輩も。」
と、こたえた。俺と萌音はありがとうと伝え、早速鑑定を使った。
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青葉 琴葉 (あおば ことは)
年齢 15 (誕生日4月23日)
性別 女
Lv 1
HP 48
MP 92
STR 24 DEF 14
INT 57 RES 112
MDF 48 AGI 14
DEX 49
エクストラスキル
〘テキストブックLv1〙
スキル
〘速読Lv10〙〘暗記力lv4〙〘家事Lv4〙〘裁縫Lv5〙
〘アイテムBOXLv1〙〘鑑定Lv1〙
称号
〘読書好き〙〘夢見少女〙〘僕っ娘〙
〘異世界からの召喚者〙
装備
頭 無し
上半身 異世界の制服 ブレサー
下半身 異世界の制服 スカート
靴 異世界のシューズ
武器 無し
アクセ 無し
所持品 体操服袋
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〘テキストブック〙
それぞれの、教科にスキルが宿っている。現在スキルテキストブックに入っている教科書は地理、科学、音楽である。
また教科書は味方にも貸し出すことができる。
スキルのレベルが上がると、使える教科書や貸し出し時間が増えるかも。
地理 自分を中心に10メートル範囲の状況がわかるマップが使える。
味方が青、害意ありが橙、敵が赤、それ以外の人が白、スキル発動者の捜し物が緑色と表示される。ただし緑色はスキル発動者が見てわかるものでなければ表示されない。
科学 空気中にある水素を集めて爆発させることができる。また、二酸化炭素や酸素の濃度をいじることができる、空気変化が使える。
初発動条件 魔物とはじめて戦闘する。
音楽 まわりの音量を小さく調整して、囲まれた範囲以外音がもれない、サイレントルームが作れる。
また超音波も出すこと可能。攻撃手段としてもつかえる。
初発動条件 密閉された空間で三人以上いるときに、一人にだけ全く声を聞かせずに誰かと話すこと。
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〘速読〙
本をはやく読むことができる。このスキルがLv10の状態で一定数本を読むと、〘本の虫〙という称号が手に入る。
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〘暗記力〙
一度でも見たり、聞いたりしたものを確率で一発で覚えることができる。さらに、覚えたものは忘れずいつでも思い出すこと可能。
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〘読書好き〙
本好きに送られる称号。本を読んでいる間、時間の流れがわずかにだけ遅くなる。それによりいつもより多く本を読むことができる。
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〘夢見少女〙
誰もが願うような夢を見ている少女。妄想したことが現実で起こる場合もある。
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〘僕っ娘〙
一人称が僕の女の子。ギャップ萌えで堕ちる男もいる。
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自分も含めて3人ともRES高いな。やっぱりそれのおかげか?まぁかかってないならないでいいんだけどね。あそこにいても良い未来はなかったと思うし。まぁ今は考えなくてもいいかな?よっぽどのことがない限りまた奴らの前に出ることなんてないし。
「僕のエクストラスキルの音楽ってすぐにでも取得可能ですよね。萌音先輩、耳かしてもらってもいいですか?」
琴葉が自分のスキルを見ながら萌音にお願いした。確かに馬車の中って一応密閉空間だよな。スキル獲得しやすいように俺は若干馬車内のぎりぎりまで離れて耳を抑えた。
琴葉が萌音になにか耳元ではなし、萌音が少し考えてから耳元で話してた。そして無事にスキルがゲットできたのか大きく○を作って合図をくれた。俺は耳を抑えてた手をどき元のいちに戻った。
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メイside
時は少し遡ってメイは、少距離転移で馬車から抜け出したあと、数回の、少距離転移を使い森に入ってた。森についてからはエクストラスキルの〘糸使い〙を使い木の上をいどうしていた。そして木の上で敵を見極めていた。狙うはゴブリンだ。バレないようになこっそりついて行ってみると、ゴブリンは数十匹で、一人の男を囲んで攻撃してた。
「あー自分も運が悪いですね。まさかこんなに囲まれるとは、お嬢様の元へ戻るのに遅れてしまいます。」
と、囲まれていた男は嘆いていた。それでも絶望しておらず、いずれ全滅できそうなくらいにはつよかった。ただその男は明らかな後衛職で火力不足が若干目立つくらいだ。
無視してもよかったが、せっかくの獲物なので、
「助けいる?」
と、木の上から降りてきいた。男は
「やはり誰かいましたか。敵意はなかったので、無視していましたが、助けの件はぜひおねがいします。こいつらの魔石などは譲りますので。」
と、メイにも気づいてたかのような反応で、手伝いを申し出てきた。
メイはご主人様からもらった2つの解体用の短剣を握りしめ、少距離転移を利用しながら、ときには糸使いでゴブリンの首に糸できれいにくるんでから、首だけ落としたりして、多くの敵をかっていった。