第七話 魔法
朝早く起きラプラスさんの部屋に向かった、初級の魔法ぐらい教えてもらいたいものだ。
ラプラスさんの部屋に行ったが中にはおらず代わりにテスラさんが居た。
「あれ君は・・・ケルディアじゃないか!どうしてここに?」
「えっとー実はラプラスさんに魔法を教えてもらおうと思いまして」
「はぁぁ何言ってんの!?弓を使うんならそんなもん覚えんくていいわ!魔法っつうもんはな、魔力がないと使えないし、あれはスキルとは違うんや!覚えとかなきゃいけんし、詠唱に時間がかかるんや、まあスキル【高速詠唱】・レア【無詠唱】持ってたら話は別やけど……しかもあれは大抵の場合派手過ぎて目立つんやぞ!」
「戦場で魔法使いがいないわけではないでしょう?奇襲だとしてそれは機密事項で傭兵がやることなんですか?」
「ぐぬぬぬ、確かに奇襲なんかは機密事項よ、でもゲリラ戦法ならどこから撃たれたかわかんないじゃないの!」
「魔法使い何人かで範囲魔法で一斉攻撃した方が……」
「なんでそうなのよ!みんな弓を使いたがらないの!?みんな酷い!せめて君は仲間だと思ってたのに……」
なんか……、すみません。
「じゃあ君にはせめて【千里眼】を覚えてもらうよ、そうしたら見る世界が変わるかもしれないからね、こっちだ」
そう言って無理やり腕を掴み引っ張れた、何回か抵抗したがすべて失敗に終わった。
「何でですか!?っていうかスキルを覚えるの大変なの知ってますよね!?」
「ああもちろんさー君には死ぬ気で覚えてもらうさ、なあに私でも一週間はかかったからね、大丈夫さ!」
一週間!?魔法がいいのに……。あと、絶対に大丈夫ではない。
連れていかれたのは射撃の大会のフィールドのようなところ、的は100Mほど前、物置に行き弓と矢を大量に持ってきていた
「まずスキル【千里眼】はその言葉通り遠くまで見えるスキル、見える距離は人によって個人差があるけど、【千里眼】は自分の目を望遠鏡や双眼鏡みたいにイメージして、……そもそも望遠鏡とか双眼鏡って知ってる?」
「知ってますよ」
自分の眼を望遠鏡や双眼鏡ってあんまりイメージ湧かないな、望遠鏡・双眼鏡というとガラスを使ってるものだよな。スコープと同じだと考えると……、あれだ!!拡大の原理だ、確かにこの世界では学校が少なそうだし、そういった技術が広がってないのか……そう考えると一週間はすごいのかもな。
『スキル【千里眼】を獲得しました、スキルを使用しますか?」
もちろん、はい……おおすげぇ遠くの的がくっきり見える。
「どうだ!難しいだろ!これを私は一週間で獲得したのだぞ、ほめてくれたってかまわない」
「えっもう獲得しました」
「嘘はよくないぞ……っマジ?」
「噓でしょ、私あんなに頑張ったのに……。本当は元々獲得してたんでしょ!」
「そんなことないです、後なんかすみません」
「でもまだあそこの的、貫いてないじゃない、それができてからね!」
話が終わると同じ瞬間、矢を放った、【千里眼】と【観測者】の組み合わせで、中心に矢が向かっていった」
テスラさんは顔を青くして、嘘よね、これは夢よね……と言っていたのでベンチに座らせ、ラプラスさんを探しに行った。
ラプラスさんは自室に戻っていて誰かを待っている様子だった。
「ラプラスさん、俺に魔法を教えてください!」
「ええ全然構わないんだけど、テスラを見なかった?これから魔法か弓どっちが強いのか勝負するはずだったんだけど、いないんだよね、あの子は時間厳守する子なのに・・・」
「それなら射撃場のベンチで死んでますよ」
「ああ、あの子はプライドが高いからね、誰かにプライドをズタズタにされちゃったのね……じゃあ魔法を教えてあげるわ!」
「お願いします!」
これで念願の魔法が使えるようになる!
連れいたから場所は、さっきとは違う屋内の射撃場。
「前提としてね、魔法は自分の内側にある、魔力を手のひらや杖の魔石に移動させて、イメージしてそれを放出する形なの、とりあえずやってみるね」
詠唱を唱えたラプラスさんが杖の先端から、火の球を出した、的に当たったそれは的を燃やした。
「こんな感じね、今のはファイヤボール、他にもあるけど最初はこれが一番よ、魔法はスキルと違うからイメージによっては、国一つ落としかねないわ、まあそれには膨大な魔力が必要だけど」
そう言われて、とりあえずやってみようとするが魔力というものの感覚がつかめない、イメージは高温に気体が飛ぶようなイメージしてやっているのだが……全くできない。
かれこれ3時間ぐらいやっているができる感じはしなく諦めてしまった。
ラプラスさんは習得するには長くても一か月はかかるって励ましてくれたが・・・できる未来が見えない。
その後おなじみの森の中でビスマルクに剣を教えてもらって、この一日を過ごした。
ゲルカ連邦国 評議会本部~
巨大な丸テーブルを囲んだように座っている12人、それはこの場にいる全員が正体を知っていた、ゲルカ連保国評議会の最高権力者なのだから。
リーダーであろう人が議題を出した。
例の国に送った間者が死んだと……
普通の間者なら問題は無かったのだが・・・死んだのは連邦が誇る5本指の一人だったのだから、戦闘・情報・隠密・暗殺にたけており、正面から戦っても連邦の近衛騎士隊長で勝てるかどうか、というレベルだったのだ。
「あんな小国にそんな手練れがいたのか!諜報部は何をしていたのか!計画が狂ってしまうわ!!」
巨漢はそう言った。
「しょうがないじゃないの、たぶん殺した奴は国で極秘事項になってた人よ、私の子猫ちゃんたちでもそこの情報までは盗めなかったんだもの」
大人の女性は言った。
リーダーが続いて。
「彼が死んだのは悲しいですが彼には、呪いがかかっていたはずです、恐らく犯人は死んでいるでしょう、ならここはすぐにあの国を滅ぼすことを提案しますがどうでしょうか?」
その言葉に皆頷いた、すべては自分のためなのだから……
評議会 最高権力者、A12
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