第三話 リアテスタ傭兵団
地図を見ながら山道を歩いていると、商人の一行を見つけた、何やら護衛が多い、確か戦争がそろそろ始まるから、一応護衛を増やしているのか、交渉して王都まで連れてってくれないかな。
走っていき、先頭にやさしい感じの人の方へ向かった。
「えーとすみません、こちらの一行は王都に向かっているんですか?同行させてもらってもよろしいでしょうか?」
「ええ構いませんよ、ところでここらで村を見かけませんでしたか?そこに用があるのですが……」
「いいえ見ていませんよ、通り過ぎているのかもしれませんね、あ失礼しました、金剛・翔と言います、以後お見知りおきを」
こうやって商人とのコネを作っておくことで後々楽そうだからな、一応名乗っておこう。
「対象者を発見したぞ!おそらく死の刻印は出来ていない、早く拘束しろ!」
「はい!?」
もしかしてですが、ゲルカ軍人の人たちすっか、まあ彼らも仕事の一つなのかもしれないが生きるためだしょうがない。
剣を抜きすぐに距離を取った。
「一応交渉するが、うちらの軍に入らないか?素直に来てくれるんだったらある程度の自由は認めよう、どうかな?」
「断る、約束なんでね、世話になった恩を仇で返すのは好きじゃないんだ、さぁ始めようぜ!」
そう言い放つと同時に俺は護衛の一人を斬りつけた、しかし腕に当たって致命傷ではない模様、相手の目的は俺の捕縛だから殺されることはそうそうないだろう。
じりじりと後ろの方まで後退させられて完全に包囲された。
はあ、ここまでですかい、やはり民間人にこういう奴は向いていないな、もうお手上げだ。
流石にもう駄目だ。
「隊長!ネキア軍とその他軍勢が攻撃してきます、早く撤退しましょう、もうこちらまで来ています」
敵兵が叫んだその瞬間、敵の首が吹っ飛んだ、そう吹っ飛んだ、目の前にはたった一人の女剣士が立っていた、後ろには何人かの兵。
「ジェームズ殿、無事でしたか?私たちが来たのでもう安心してください」
ん?人違いじゃないですか、いやあの人の名前がそんなだったな、服装が一緒だから間違ったのだろうか。
「あの~、人違いですよ、ついでに言うとあの人死にました」
「へ!?……まあいい話は後だ、とりあえず任せろ!」
助けが入って一時間後……ゲルカの軍は殲滅された。
「大丈夫か?」
「はい!!」
「ならいいが・・・・・・、なにがあったか教えてくれるか?」
俺は何があったがすべて話した、そして俺が召喚者だということも。
「なるほど分かった、君の身柄は私たちが保護しよう、ジェームズ殿からは国を守ってくれと言われたのだな、国軍は忠誠心がないとは入れないからうちらのとこに入ればいい」
「軍じゃないんですか?PMCとかそこら辺ですか」
「ぴーえむしーというものは知らんが私たちはリアテスタ傭兵団、今はネキアに雇われているのさ、傭兵ならある程度は軍に従わなくても済む、しかも私はジェームズ殿に恩がある、どうだ?」
すぐさま助けに入ったことから確かに恩はあるのだろう、このままいってあてもない、なら傭兵やるのもいいかもな、問題は……剣の技術だな。
「ええいいですけど……剣がね、はは」
「んなら私が稽古をつけてやろう、私はこれでも分隊の隊長なんでな、腕なら立つぞ」
「本当ですか!?よろしくお願いします」
「とりえず王都に帰還する、私は国王に報告があるので話は後だ……。おい、こいつを駐屯地まで連れていって、わたしの部屋で待たせとけ」
「分かりましたよ、じゃあこっちにこい」
そう馬車に入れられ、王都まで送ってもらえるようになった。
馬車に乗ってから3時間弱・・・
ようやく駐屯地に来た、さっきの女剣士の人はいないらしいから、少し案内してもらった。
「ここリアテスタ傭兵団の駐屯地は構造的に一般の軍の駐屯地と同じだが、図書室や定食や売店などがある、そして年に一度駐屯地をオープンすることがある、所属傭兵の数は5000人程度だ、給料はそこそこ高い、何か質問はあるか?」
「いつもはどんなことをしているのですか?」
「ああいつもは訓練だな、俺たちは雇われの身だから前線に行くこともあるけど、まだ戦いは起きていないからな、もうそろそろかな、じゃあなまた後で」
そう言って若い騎士は去っていった、しばらくして例の女剣士が来た。
「さて、君は傭兵になるってことでいいよね?」
「はい」
「分かった、まず君は偽名を使ってもらう、理由は対象者だとバレないことだ、君が対象者だと知ったら、軍が黙っていないだろうからな、君の剣の腕を上げるために私の分隊に入ってもらうが構わないな?」
「分かりました、偽名はどうしますか?」
「……じゃあジョン・ケルディアな、自己紹介がまだだったな、セレビクト・ヨハンナ、エルフだよろしく」
手を伸ばしてきたので握手するがすごいことを聞いた、エルフだそうです、よく見ると髪は金髪で耳はとがっている、左目に眼帯がしてあるが右目は青、つまりはオークやケモミミっ娘がいるといことか。
「とりあえず、話はまとまったし私が部屋に案内しよう、まあ近いんだがな」
後ろをついていくと1Rの部屋に連れていかれた。
「ここがお前の部屋だ好きに使え、明日はお前が来たから早い、日が上がってから点呼だ、今回は隣の奴に頼んでおくから、次からは自分で起きろよ、じゃあな」
そう言って、どっかに言ってしまった。部屋の中にはベットが一つただそれだけ、することもないのでそのままベッドに入った、意識がもうろうとするなかあることを思い出した、飯食べてない・・・
もう眠いです、ブックマークと評価をやってくれるとありがたいです。見てくださった人たちに感謝を・・・