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氷を作るのだ2

 氷を作る実験をした日の夜。布団の中で氷のことを考えていた。

 氷の魔法をぶつけて水を凍らせるって無駄が多すぎるよな。

 生活魔法で氷が作れればその方がいいんだけど。

 魔力を集めてっと……


「アルヴァ様お願いします、リトルアイス」


 コロコロコロ


 ちょっ、布団の中でやめてよね。

 ベッドの上にいくつも転がっている小さな四角い氷をつまんで窓から外に放り投げる。

 考えていたのは自宅で作る冷凍庫の氷。

 出てきたのもそんな感じの氷だった。



「ユミール神よ、我がマナをもちて氷を与えたまえ、リトルアイス」


 う~ん、リトルウォーターの詠唱文句をアイスボールで祈ってた神様の名前に変えて、水のところを氷にしたけど反応無いな。

 もう一度魔力を練って……やっぱ無理かぁ。


「凍てつく吹雪よ、眼前の敵を凍らせろ!」


 って、そんな適当な呪文が発動するわけもなく。

 う~ん、それにしてもやっぱ担当する神様じゃなくアルヴァ様の名前を使って魔法を唱えるのは違うんだろうな。

 問い合わせがてら報告入れておこうか。





 拝啓 神様


 氷の攻撃魔法をぶつけて水を凍らせて氷を作る方法を考えましたが、これって想定外の使用とかではないですよね。

 普通に使って問題ないですよね。


 それとこの世界に攻撃魔法ではなく氷を作る魔法ってないのでしょうか。

 生活魔法でアルヴァ様のお名前でリトルアイスという魔法を唱えると氷が出てきましたが、アイスボールなどでお願いする神様のお名前では魔法は発動しませんでした。



 頭の中で手紙を書き、送信ってイメージしたらすぐに返事が来た。


『氷の攻撃魔法で食用の氷を作ることは想定しておりませんが、そういった利用をしても問題ございません。生活魔法での氷についてですが、冬や雪、霜を司る神々に問い合わせたところ発動するはずであるとの回答をいただきました。生活魔法のスキルのレベルが不足している可能性がございます』


 だれだろう。アルヴァ様ではないし、いつもはもっといい加減でぶっきらぼうな答えが返ってきてたと思ったのに、今回はきちんとした答えが返ってきたよ。

 氷の生活魔法って存在してたのか。

 生活魔法スキルって今いくつだろう。


 久々の「ステータスオープン!」







 名前 プックル

 レベル 1


 HP 10(+1)

 MP 5(+2)


 力 3

 魔力 3(+1)

 耐久 3(+1)

 敏捷 3(+1)

 器用さ 3


 スキル 生活魔法(初級) 一般魔法(初級) 道具製作(初級)


 隠しスキル 自動翻訳 精神制御(微)(自) アミタレ神の加護





 獣や魔獣を倒したことないからレベルがあがってないのかな、それとも子供だからか?

 でもステータスは微妙にあがってるな。括弧内が前回ステータスを呼び出したときとの増減みたいだな。

 生活魔法スキルは……やっぱ初級のまま。確かリーグにぃが中級だったからお願いしてみようかな。


 自分の寝室を出て、リーグにぃの部屋のドアをノックしてそのまま開けて中に入る。

 返事を待たずに勝手に入ったけど、ノックするだけまし。小さな子供はノックとか普通しないのよ。


「プックルくんどうしたの?」


「板芝居の練習してたの? ちょっとお願いがあるんだけどいいかな」


 ベッドの上に腰をかけ、膝の上には紙が置いてある。

 小声で板芝居を読む練習をしてたみたいだ。部屋の外までは音が聞こえていなかったよ。


「夕食のときに氷の攻撃魔法で水を凍らせたって話ししたよね。生活魔法で氷を作れないかっていろいろやってみてたんだ。確かリーグにぃって生活魔法は中級だったよね」


「うん、そうだよ」


「とりあえずぼくは氷の生活魔法が使えるようになったんだけど、他の人も使えるのかなって、試して欲しいんだ」


「いいよ、どうすればいいの?」


 この世界の魔法はイメージが大事だって神様に聞いたことがあった。

 普通、魔法を教わる際は師にその魔法を使って見せてもらい、それを見てから自分も使えるようにする。

 書物で呪文を覚えただけで実際のその魔法を知らずに使えるようになるのは相当困難らしい。

 魔法のイメージができるかどうかが大事なんだろうね。


 アルヴァ様に頭の中でお願いするというずる(・・)をしつつ、氷の攻撃魔法と水の生活魔法の呪文を組み合わせたものを声に出して唱える。


「ユミール神よ、我がマナをもちて氷を与えたまえ、リトルアイス」


 上に向けた掌の上に小さな四角い氷の塊がぽこぽこと複数出来上がってくる。

 ちと冷たい。


 リーグにぃも同じように唱えるが氷は現れない。

 イメージが足りないのかな。

 出した氷をひとつリーグにぃの口に放り込む。そして残りを服の中、背中側に全部突っ込んでやった。


「ひゃ~、つべたい~」


 服をバタバタさせ、裾から氷は床へと全部転がり落ちる。

 それをぼくは拾い窓から外に放り投げ、自分の部屋のベッドへと戻った。

 中級でも駄目だったのかな。




 その夜夢を見たような気がする。

 リーグにぃがぼくの名前を何度も呼んで、ほっぺたに氷を押し当てるんだ。

 ぼくは冷たいって叫んだ気がする。

 そしたらリーグにぃがやっと使えるようになったよって言ったと思う。


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