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とりあえず生活の足しに仕事を依頼したぞ

昨日は祝日でしたが投稿をおこないましたので、1話飛ばしてしまわないように注意してください。

「そもそも魔道具ってなんなの?」

「魔法の効果がある道具のことですよね、武器なんかは魔法武器とも呼ばれるけどひと纏めにして魔道具って呼ばれることも多いらしいよ」

「んだ。魔方陣を組み込んだり、魔法文字を使ったり、永続とまでもいかないまでも長期間効果を持続する魔法をかけられてたり作成方法は色々あるだが、おらのは魔法文字を使ってるだ」


「動力に魔石を使うのも自分の魔力を流して使うのもどっちも魔道具っていうことだよね? これとか」


 以前手に入れた魔力を込めると水が出てくる指輪を取り出して聞いてみた。


「んだ。おらは魔石を使うのも使わないのもできるが、魔石を買う金がなくてほとんどは魔力を流して使うやつを作ってるだ」

「そういえば、この前作ってもらった明かりの魔道具なんだけど、予想に反して売り物にならなかったみたい、ごめん」


「問題ないべ、あれの代金は十分すぎるほど貰ってるだ」

「じゃあじゃあ、魔力を通すと明るくなる指輪とか作れる?」


「作れるだ。というか、確かこっちに……」


 ガラクタの山をかき分け、ごそごそと漁って何やら目当てのものを掘り出したようだ。

 ……腕輪か? 材質は木? ガタガタでいびつな作りだがリング状なことから一応腕輪であるっぽいことが想像できる。


「指輪でねく、腕輪だが、こうして嵌めてっと」


 ドンツクが嵌めた腕輪が光りだす。まだ日中で明るいため、どの程度の明るさかよく分からないが眩しすぎるほどではないようだ。


「それって、自分で腕輪も作ったとか? もし金属でちゃんとした腕輪を持ってきたらそれを加工して同じようなものって作れる? リーグにぃ、ちょっとこっち来て」


 部屋から一歩外に出たとこでリーグにぃと内緒話。


「金属の腕輪か指輪で明かりの魔道具ってある? あったとして値段いくらくらい?」

「一応売られてはいるね。貴族とか高級品の値段は別として、冒険者や一般の人が買う装飾とかあまりない指輪で金貨1枚から10枚かな」


 えっ、そんな高いのか。もしかしてやっちゃったかな。


「1枚から10枚ってずいぶん開きがあるね。それと以前明るさ10倍の魔石を使う魔道具をドンツクさんに作ってもらって小金貨5枚払ったんだけど少なすぎたかな」

「どうだろ、正しいとも言えるし、正しくないとも言える。ぼくの言った値段は町なんかでちゃんとした魔道具屋で売ってる値段ね。それでも町によって値段も違うし店によって値段も全然違う。そして露天で自作のものを売ったり、使わなくなったものを露天で売ったりする場合は小金貨数枚って値段でもおかしくはない。値付けってのはほんと難しいものなんだよ」


 そっか、日本中どこいってもほとんど同じ値段ってのはここでは普通の話じゃないんだよな。

 高い値段つけて売る人がいて、それを欲しい人がいればその値段で売れる。そこで同じものを売っている人がいなければ値段はいくらをつけてもいいんだもん。

 どこにいっても同じものが同じような値段であるってのは流通が発達し、品物が潤沢にあるからなんだよな。恵まれた世界だったよ。


 ある程度の値段と方向性が決まったので、交渉へと移ることにした。


「お待たせ」

「さっきの話だが、装飾がたくさんあったり既に魔道具になってたりしたものでなければ作れるだ。指輪でも作れるだが、文字を刻んだりしなければならねので、大きい腕輪のほうがやり易いだ」


 うんうん


「じゃぁ、シンプルな銀の腕輪を明かりの魔道具に加工してもらえるかな」

「いいだども、銅を1割ほど混ぜた銀合金が使いやすいのでそれで頼むだ」

「ちょっとプックルくん!」


 リーグにぃに引きずられてまたドアの外へ。


「銀の腕輪って、それだけで結構な額するよ! 銀なら指輪。腕輪がいいってのであれば鉄とか革とかもっと安いやつにしようよ!」


 そっかあんまし深く考えずに銀の腕輪とかRPG感覚で言ってしまった。


「それで銀の腕輪っていくらくらいなの?」

「店売りで小金貨3枚からってとこかな」


 脅された割にはそれほどでもない。


「商人としてもっと安く仕入れられるよね」

「まぁ、半値か3分の1くらいで何とかなると思うけど」


 腕輪っていっても銀貨で10枚いかないくらいくらいの重さだろうし、それプラス製作費だよね。

 シンプルなもので小金貨1枚か2枚って妥当なとこかな。



「ごめん、お待たせ。素材を何を使うかについて相談してた。やっぱり革の腕輪を加工して作ってもらえるかな。銀だと値段が高くなるし、サイズがあってないと冒険者とか腕にぶらぶらさせてると戦闘中邪魔だし危険だもんね。代金だけど、ひとつ小金貨3枚でどうかな?」

「そうんなにも貰えるだか!? そんだけあったら家賃も払い終えただで2ヶ月は生活できるだ」


 さっきRPGのことを考えてたけど、装備品とか既製品だとサイズ合わないだろ。

 鎧とか金払って即受け取りは無理だよな、どう考えても。

 オーダーメイドで数週間とか数ヶ月待ちなんてこといってたらゲームにならないか。


 腕輪として形になったものではなくて、長い帯状のものに両端に穴を開け、そこに紐を通して大きさを調節するような感じのものにしてもらおう。

 うん、それがいい。


「そういえば、以前頼まれてた虫を寄せ付けない魔道具作ってみただ。効果の確認はできてないだが、よかったら使って試してみてくれないだか。おらはあんまし虫がたくさんいるようなところに行かないだから」


 そういって手渡されたのはなにやら文字が刻まれている木の板だった。


「えっ!? 木の板???」

「素材を買う金がなかっただ。素材で魔力の通りが違って効力や持続時間が違ったりするが、試してみる程度だから問題ないべ。」


「わかったよ、ありがとう。これはとりあえず預かって試してみるよ。それとこれは前金ね。少ないけど少しの間はこれで生活できるでしょ。ほら、ガジロー帰るよ」


 その辺りをクンクンしまくっていた仔狼を抱え上げナップザックへと入れ、背負う。

 ガジローの名前の由来となったなんでもガジガジかじる癖は、しばらく前からまったくといっていいほどなくなったので助かったよ。


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