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パピィ病って

「プックルや、連絡受け取ったぞ。直接とは珍しいのぉ」


 なんか声が聞こえる。

 からだはふわふわした感じだが、周囲は真っ白とか真っ暗とかでもなく、なにも見えず声だけが聞こえる。


「今お主の体は眠っておる。そこに話しかけておるのじゃ」


 そういえば昼間リーグにぃにガジロー君のこと聞かれてぱぴぃ病のことを教えたついでに神様にバグ報告というより、問い合わせを送ったんだった。

 失敗、失敗、いつもは神様宛に連絡してたのに今回はアルヴァ様宛てに直接連絡しちゃってたか。


「よいよい、ガジローとはお主が飼っておる狼のことよな。どれどれ、見てやるとするか……むむむ、あやつの魂は妖精じゃ! なぜそのようなことが…… わしはこの世界そのもの、そして多くの種の生き物を作ったが、妖精めらは作っておらぬ。やつらはよその世界より勝手に潜り込んできよるのよ。別世界から勝手に入り込まれぬようにしておるはずなのに、なぜかいつの間にか入り込んで増えてしまうのよ。やつらこそバグのようなものじゃ。たぶんじゃが悪意がないのは救いだがの」


 まるでゴキだな。


「今調べたところによると、パピィ病は妖精の魂を宿した生き物がかかる病気のようじゃ。まぁ、実のところ病気ではないが、元々妖精というのは享楽的で勝手な生き物でまるで幼子(おさなご)のように楽しげに生きておる。そしてしかとした肉体は持っておらず半分精神体に近いような生き物で、食べるのは好きだが別に食べなくとも死にはしない性質をもっておる。そういったものが影響して長生きできないのであろう」


 つまり野生では自分の身を守ることもできず、餌を食べるということにも特に執着はないということかな。


「そういうことになるかの。普通は人間の魂が転生して馬になったとしても人間の記憶はなく普通の馬になるが、こやつらはどこまでいっても妖精じゃ。厄介この上ない」


 それでガジローはどうすれば長生きというか天寿を全うさせることができるのでしょうか。


「今の狼の生活が楽しいと思えば長生きするのではないかの。あやつらは死んだらどうせまた妖精に生まれ変われるしとか考えてると思うぞ。ほんとに死後、妖精に生まれ変わるはずじゃから忌々しい」


 わかった、一緒に楽しく生活するようにするよ。

 今回の旅にも連れてきてあげればよかった。

 でも、人に飼われてるものもいるって聞くけど、それもあまり長生きしないみたいなんだけど、どういうこと?


「大事に飼われてるってことは変化が少ない生活ってことではないかの。どうせ退屈で死んだとかだと思うぞ」


 まじかよ。


「それにしても、妖精はこの世界で魂の輪廻の枠から外れた存在で動物として産まれるはずは無いのじゃがのう。どこかに妖精が集まる里のようなものがあるらしく、そこには妖精女王がおるはずなのじゃ。どういうことなのか会って確認してきてくれぬか。もちろんそれほど急ぎではないので安心するがよい」


 まだ自分が5歳ってこともあるし、今は自由に好きな場所にでかけられるような状況ではないんだよね。

 でも、ガジローのことを聞きたいから妖精女王には早く会わなきゃ。


「それではまた何かあったら連絡してくるがよい、それではの。あ、そうそう、わかっておると思うが、神と話してるとかそういったことは当然誰にも話すでないぞ」


 そのまま意識がスーっと遠くなった。





「早く帰ろうよー、王都のおうちに帰ろうよー」


 急に駄々っ子になった。

 ガジローが心配だ、遊んであげなきゃ。

 ぱぴぃ病や妖精については、そのうち出処別のところからの情報ということで皆に教えてあげなきゃいけないかもな。


 ぼくらは元々王都へ帰る途中だったということだけど、伯父さんたちもそれじゃぁということで一緒に帰ることになった。

 馬車があるっていいよね。

 それに護衛が3人もいるし、夜営の見張りにも困らない。


 でも、少しだけ寄り道させてもらうことにした。

 以前伯父さんに渡してあった探してもらいたいものリスト。

 神様から貰ったスキルの日本語とこの世界で一般的に使われてる言語の会話自動翻訳機能を利用し、こちらの言葉に翻訳された単語はこちらの世界に存在することが分かる。を使って、欲しいものを書き記したリストのことね。

 そのリストのものがいくつか見つかったらしく、買ってきてもらってたんだけど、うまく物が手に入れることができなかったで欲しいものがあるんだ。

 まぁそれは竹なんだけどね。

 前に木で竹とんぼもどきを作ったことがあったため頭に残っており、欲しいものリストに竹を入れてたんだ。

 実際、竹を数本買ってというか、無料で伐ってきてたんだけど近場でたくさん手に入るように増やしたいのよね。

 日本も戦前とかめっちゃ竹使ってたしね。ほんとにいろんなものに利用してたのよ。


 竹林の付近の村で伯父さんは種がないか聞いてくれたみたいだけど、竹は種なんかないって言われたそうなんだ。

 ほんとはあるんだけど、滅多に種なんかできないからそう思われてもしょうがないんだろうね。

 種の入手は無理として、竹を増やすというか場所を移すには根っこというか地下茎を切ってきて植えればいいんだよ。






「ガジローくーん。ただいま帰ってきたよ、元気してたかな~」


 ちょこちょこ小さな体で駆け寄ってきた仔狼を抱き上げ、すりすりと頬ずりをする。

 これからは一緒にいっぱい楽しいことをしようね。


 帰路は誰かが襲われているところに遭遇することも無く、魔物に直接襲われることもなく安全なものだった。

 途中竹の地下茎を採りにいったり、伯父さんがいつも廻っている村の中で王都に一番近い村に行って竹を植え、村の人に管理をお願いしたくらいだ。

 ほんとは王都の壁の外に勝手に植えようかと思ったけど、育った後他の人に勝手に採って行かれるのは嫌なのでそうしたのだ。

 竹害とか日本で問題視されることもあったけど、周りにあんまし何も無い平原に植えたからたぶん問題ないでしょう。

 そのうち立派な竹林になることに期待だ。




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