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リーグにぃ久しぶり

 ぼくらは少し起きるのが遅かったせいか、宿の客は全員すでにチェックアウトしており、王都、いや近くの町まででも行こうとしている商人なんかは誰もいなかった。

 馬車に乗せてもらいたかったんだけどな。

 あ、今まで乗ってきてた乗合馬車はこの村に泊まることはなく、スルーして先まで行ってるよ。

 予定通りだし文句言う筋合いでもない。


 この世界、宿場町から宿場町まで移動ってとかじゃないんだよな。

 少しでも安全な場所、周りに畑などが作れて少しでも暮らしやすい場所なんて条件で村を作るため、村や町の間の距離とかてんでばらばらで全然考えられていない。

 乗合馬車でも普通に野宿ってあるし。


「どうするの? 歩いていくの?」

「いや~、歩くのも大変だし、父ちゃんは夜はぐっすり寝たい派だからね」


 そんなこんなで村を通らずスルーする馬車もいるかもしれないと、街道に出て通りかかる馬車を待つことになった。

 でも、来ね~

 人の移動ってそれほど多くないし


 なんか道の途中でタクシーを捕まえようとしたのを思い出す。

 タクシーをみかけたから手をあげても、どのタクシーも乗客が乗ってて空車のタクシーがなかなか見つからないって事がよくあった。

 アプリや電話で呼べばいいんだけど、面倒に感じて走ってるのを捕まえようと思ってしまうんだよな。

 それかこれって現代でヒッチハイクをやってる感じなんだろうか。

 実際にやったことはないが、車を止めて乗せてもらおうと思ってるのに車は全然止まってくれない、みたいな。


「ふと思ったんだが、遺品って王都のギルドに渡してもしょうがないよな。近場の町に持っていくのが正しい気がする。あー、あの通りがかりの商人に預けて処理してもらうんだった。目的地変更だ、戻ってあの襲われた馬車があったばしょの先にある町へ行くぞ」

「しょうがないね。とりあえずあっち方面へ歩いていこうよ。道が違うしね」


 結局、村でその町までの距離を聞いた後、当日中につけるようにと『身体強化魔法の訓練だー』とかいいつつ走って向かうことになった。

 そのおかげで日が暮れる前に無事町に着くことができたのだった。



 町で冒険者ギルドにオークにやられた冒険者が持っていたギルドカードと武器、所持金の半分を渡そうとしたら盗賊に盗まれたものを取り返したのとは違ってギルドカードだけでいいって言われてしまった。

 父ちゃんは冒険者なのに知らなかったんかいな。そんな気持ちをもって睨んだら『こういうことはパーティリーダーがやってたからな』とか言い訳しだした。

 まぁ、家族か友人にでも渡してくれってそのまま受付のお姉さんに渡して冒険者ギルドの方は終わりだ。


 次は商業ギルド。

 なんと商人さんは結構お金を持ってたのだ。

 手持ちは金貨10枚程度だが、なんと御者席の下、つまり自分の座っている下が二重底になってたらしく、オークに襲われた際に馬車が破損し、板が割れていたため気付いたのだ。

 なんとそこに隠されていたのは大金貨2枚!

 虎の子のへそくりというか、財産は持ち歩く主義だったんだろうね。

 そのまま知らん振りして貰ってもいい気もしたが、半分は返すってラパウルが言うから仕方が無い。


 冒険者ギルドではいくつかある受付の前に立って並んで順番待ちをする感じだったが、商業ギルドでは順番受付で名前を名乗って、呼ばれたら各受付に行って手続きする形になっている。

 木のベンチみたいなのに座って待っていたら名前を呼ぶ声がした。


「ラパウルさん、プックルくん」「プックルくん!」


 声のする方を振り返るとギルドの入り口から入ってくる二人が目に入った。

 リーグにぃとリーグにぃのとこのおじさんだ。


「ドワイト義兄さん、奇遇ですね。リーグ君もこんにちは」

「リーグにぃ!」

「お二人とも、こんにちは。リーグも挨拶しなさい、基本ですよ」

「ラパウルさん、プックルくん、こんにちは」

「こんにちわ」


 皆が挨拶をするので、ぼくももちろんちゃんと、こんにちわって言ったよ。

 前世で死ぬ前数年はネットではガンガン喋ってたけど、リアルではコミュ症とまではいかないまでも人と話す機会が少なくなっていたが、それもこっちに来てから完全に払拭された。

 まぁあの辺は環境とか慣れの部分が大きいよね。

 ここでは家にこもってインドア、ネット生活とかできないもん。


「ラパウルさんはどうしてこちらに?」

「ちょっと出稼ぎにダンジョンまで行ってたんだけど、その帰りにオークに襲われてる馬車がいて助けたんだ。でも、残念ながらみんな亡くなってしまってその遺品や残したお金の半分をギルドに預けようと思ってここで順番待ちしてたとこなんだ。義兄さんは行商の途中ですか?」


「いえ、定期ルートの巡回は終わってそろそろ王都へ帰ろうとしてたところです。まぁ帰る前に何か無いかと商売しつついくつか町を巡ってたんですけどね。プックルくんに頼まれてたものもいくつかは見つかったよ」

「ほんと!?」



 そこで名前が呼ばれたので商業ギルドで遺品を返す手続きをした後、宿で待ち合わせることになった。


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