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早くも終了

「おぉ、こんな朝早くからご苦労さん」


 ギルドの隣にある倉庫も兼ねてる買取所に大八車ごと引いて入った。

 大きい荷物用にギルド内の買い取りカウンターとは別の倉庫を兼ねている建物のところでも買取をおこなってるのだ。

 さすがに馬車ごとは無理だが、人の引く荷車なんかはそのまま入れるようになっている。


「それにしてもその荷車は随分簡素だな」


 ぼくの大八車を見て、買取所のおじさんが口にする。

 まぁ、他の荷車は上側があいてる箱状のものに車輪がついてる感じなのに比べて、この大八車は板に車輪がついてる感じだもんね。

 箱型だと荷物をいれればいいけど、板だと括り付けなきゃ落ちちゃうからその点は少し不便かな。

 でも、サイズ的に特注で作るのにぼくが提案したこっちの方が断然早くできるっていうんだからしょうがない。


「でも随分小さな荷車だよな」

「ぼくでも引けるように小さく作ってもらったんだ」


「えっ!? お前さんがダンジョンに潜ったって? おい、あんた親か? さすがにこんな小さな子をダンジョンに連れて行くのは感心しないぞ」

「やっぱ、そう思うか? だってさ、プックル」

「おじさん、ぼくが連れてけっていったんだ。父ちゃんは悪くないよ」


「でもなぁ」

「やっぱ、あれ公開して売りに出したほうがいいんじゃないか」



『バグ報告がなかったが、ダンジョンのモンスターが強い光に弱いというのはちと具合が悪い。モンスター側で調整をかけるので売り出すのはやめた方がいいぞ。それと気付いておらなんだようだがお主は戦闘を一切しておらぬにも関わらずレベルが8にまで上がっておる。動けぬようにはなっておるが完全に息の根が止まっておらぬモンスターをお主が解体しようとして息の根を止めてしまったためレベルがあがったようじゃ。トドメをさしたものに経験値が多く入るというシステムも変更する予定じゃ。今回は報告が遅れたようじゃが、今後もよろしく頼むぞ』


 あちゃー

 これもバグだったか、仕様だと思ってた。


『ほれ、あのいつもの下手糞な手紙もどき、あれでもっと密に連絡してくるがよい。せっかくお主との連絡のためだけにあの新米下級神を創造したんじゃぞ。使ってやらねば可哀想じゃ』


 はっ?

 システムかなんか機械的なものだと思ってた。


『機械を創造するも神を創造するもわしの気分次第。どうとでもなるものよ』


 そういいえばバグの報告してないのにアルヴァ様の方から指摘しましたよね。どうしたんですか?


『たまたまお主の事を見ていただけじゃ、特に他意はない。そうそうお主のレベルはダンジョンに潜る前のレベルに戻しておいたからの。肉屋がムキムキになるのも戦闘にあまり参加しない荷物もちが力持ちになるのもこれからはあまりなくなるはずじゃ。トドメをさしたものより戦闘での貢献により経験が溜まるよう変更じゃ。それではの』




「おい、聞いてるのか?」


 頭の中に聞こえた神との対話は一瞬のことだったようだが、少しボーっとしてたみたい。


「うん、ちょっと考え事してた。魔道具を売るのはやめとこうよ。途中、光をあまり気にしないのもいたし、もっと検証してからでもいいでしょ」

「そうだな、普通のパーティで稼ぐ以上を二人だけで稼いだもんだから結構ほくほくだぞ」


 シャドウベアで荷物が一杯になっていたが、その後も結構な数のモンスターを狩りまくり、魔石だけ回収をおこなっていたのでラパウルの背負ってるナップザックに魔石がしこたま入っている。

 合わせれば相当な額になるんじゃないかな。


「これだけあればしばらくは大丈夫だよね」

「おぅ、余裕だと思うぞ」


 ほんとはもっと何日もというか何度もダンジョンに入る予定だったんだけど、どうしよう。


「どうする? もう帰る?」

「そうだな、ミュレのお腹も少し大きくなってきたし、あまり離れてるのもまずいし家に帰るとしようか」


 徹夜明けのぼくらはすぐにひと眠りし、翌朝このダンジョンのある町を発つことになった。

 さすがに昼過ぎに起きてそこから出発するのも駄目だよな。

 楽勝だったとはいえ、慣れないダンジョンで疲労もたまってるだろうし。


「それで帰りもやっぱり乗合馬車?」

「もちろん。護衛の仕事なんか請けてもきちんとこなす自信はないからな」


 当然な話だが護衛仕事に慣れてない冒険者が護衛なんて上手く出来るわけは無い。

 ただ遭遇した敵を倒せばいいというわけではない。どういった場面が危険か、護衛対象を安全に守るためにはどうすればいいかなど、ノウハウが必要で誰でも容易にできる仕事ではない。

 それと護衛として周囲に睨みをきかせることができ、威圧感があるかなんかも重要ポイントだ。

 うちの父ちゃんなんか安物の胸当てをつけてるだけだし、頼りなさそうなのでこの点は特にマイナスだ。

 盗賊なんかにこいつら襲うのはやばそうって思わせるのも大事なのだ。

 とーしろがあそこに行く予定だから、ついでに護衛の仕事を請けてただで旅するだけでなくお金も稼ごうなんて傲慢にもほどがあるって話だ。

 だからうちはお金がかかっても乗合馬車という選択をとるわけ。

 夜に交代で見張りなんてのも嫌だしね。



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