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頭痛いの

 翌日ぼくらは爺ちゃんの家へと向かった。

 昨日、後で呼ぶからと言われていたのに結局呼ばれなかったのでどうしたのか聞くためだ。


「じいちゃ~ん、プックルくん来たよ~」

「昨日のは何だったんだよ、人を呼びつけておいてほったらかしとは酷いじゃないか」


 勝手知ったる爺ちゃん家、トコトコと勝手に屋敷内を歩き執務室のドアをノックしたらメイドさんが内側から扉を開けてくれた。

 父ちゃんは入るなり文句を言っている。


「お~、よく来た、よく来た。おい、椅子を持ってきなさい。いや、応接室に行こうか。茶と菓子を用意せよ」


 ぼくらは部屋を応接室に移すと、すぐさまお茶とお菓子がメイドさんによって運ばれてきた。


「爺ちゃん、いただきまーす」

「腹は減ってないから俺はビスケットなんかいらねーよ」


「あまーい、おいしーい」

「そうかそうか、ラパウルは食わんのか? まぁそれもしょうがないか。お前が子供の頃に食わせたことはなかったからの。最近は糧食としてではなく砂糖や蜂蜜、果物などで甘くしたのが流行っているそうな」


 そっか、ビスケット(クッキー)って地球でも中世など昔は甘くなく兵士の携帯食料とかに使われてたって聞いたことあるな。


【ちょっ、まっ、うぎゃー】

 もっと詳しく思い出そうとしたところで頭の中に一気にビスケットの知識が流れ込んできて、酷い頭痛に襲われ悲鳴は声に出すことも出来ず、目の前が真っ暗になってしまった。



「おい、大丈夫か?」

「急に倒れてしまって、爺ちゃんは心配したぞ」

「う、う~ん。ビスケットとは小麦粉にバター・牛乳・卵・砂糖・香料などをまぜて、一定の形に焼いた菓子。広くは、脂肪を多くしたクッキーなども含めていう」

「どうしたんだ? ビスケットがなんだって?」


 なんか大量の情報に脳の処理が追いつかなくなった気分。どうしたんだろ。


「なんか気分が悪い。ちょっと横にならせて」

「それは大変だ! すぐに寝室の準備を! 横になってなさい、爺ちゃんが運んでやるからの」

「ほんとどうしたんだ?」


 爺ちゃんに運んでもらって寝室でひと休みしたらズキズキと重かった頭もなんとかおさまった。

 さっきのはなんだったんだ?

 ビスケットの情報が一気に流れ込んできた。

 あれって前世の記憶というか知識だよな。

 でもあんな内容覚えてたとは思えないんだが。


 もういちどビスケットについて詳しく思い出そうとしたら、再び大量の情報が流れ込んできたが先ほどのものと同じ内容だったため軽くめまいがした程度で済んだ。

 ほんと、なんなんだ?

 嫌な予感を抑えつつもパンについて詳しく思い出そうとしたら、また新しい情報の渦に襲われ意識を失ってしまった。


「プックル様、お気付きになられましたか?」

「う、う~ん。ぼくどのくらい寝てた?」


 心配そうにしてたメイドさんがぼくの寝てるベットの脇で見守ってくれてたようだ。


「半日ほどお休みになられておりました。今は日も落ちております。旦那様はこのまま今日は泊まっていくようにとおっしゃっておりました。お腹が空いておりましたら何かお持ちしましょうか?」

「いや、いいよ。もう気分はよくなったって父さんと爺ちゃんに伝えておいて。心配かけてごめんって」


 メイドさんが部屋を出て行くのを見届けた後、久しぶりに神様に異常報告をおこなった。





 拝啓 神様


 いつもお世話になっております。

 この世界でも楽しく過ごすことができ、少し前に5歳の誕生日も迎えました。

 それもこれも神様にこの世界に誘っていただいたおかげです。



 バグ報告というわけではないですが、ぼくの状態について教えてください。

 先ほどビスケットについて詳しく思い出そうとしたら、大量の情報が一気に流れ込んできました。

 これってどういうことなんでしょうか。



 プックル





「報告を受け付けました。アルヴァ様より伝言がございます。『転生時に地球での記憶を忘れたくないので保護して欲しいといったのを忘れたのか。お主の忘れていた記憶、例えばパラパラッと辞書をめくった際に目に入った内容すべて、テレビやネットなどで目にした全ての記憶も保存されておる。それを任意に呼び出せるようにしておったのじゃが、脳の処理を超える情報量がそなたに行ったようじゃの。今後記憶の保護に関しては扱いを考えることにしよう。お主については過度な情報の渦に飲まれぬように情報の呼び出しには制限をかけることとする。それと報告だけではなくもっと気軽に連絡してくれてもいいんじゃぞ。というか暇なんで連絡してくるように』とのことです」



 はぁ、転生時のお願いが原因か。

 前世でぼくが触れた情報全てが保存されてるとか、神様ちょっとやりすぎだよ。


 ビスケットのことをまた詳しく思い出そうとしたら、情報はロックされておりますって頭の中でアナウンスが流れた。

 全然思い出せないのではなく、いくらかは思い出すことができる。

 たぶん埋もれすぎて自力で思い出せないものについてロックがかかった感じなんだろう。

 テレビで見たビスケットのCMやスーパーで目に入ったビスケットの箱や今まで食べた全てのビスケットの味なんかどうでもいいものまで思い出してしまうのはほんと情報過多だと思うわ。


最初に仕込んでた設定ですが、Googleとかネットで地球の情報を容易に調べて知識チートみたいのはやっぱわたしの好みにあわなくてサクッとこの設定をなかったことにしました。

今後制限解除もないと思います。


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