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母様は魔女(魔法使い)

「もぉー、プックルちゃんったら、おとなしくしてないとメッですからね」


 腰に手をあて、ママは怒ってますよポーズをとってるが、

 減速されたとはいえテーブルから落っこちた俺はもちろんギャン泣き。


 これが精神が年齢に引っ張られるということだろうか。

 いやまぁギャン泣きじゃないにしても大人でも涙出るわ。



 いや、それより奥さま見ましたか?

 魔法ですよ、ま、ほ、う。


 あるとは思ってましたが、初魔法。

 それもマイマザー、おかあさまですよ。


 見てしまいましたよ。

 母様は魔女ですよ。



 知ってる。

 これでもラノベを読んだことがないとは言わない。


 異世界転生ものを読んだことがないとは言わない。


 あれだよね、赤さんのうちから魔法鍛えて魔法学園の入学式で魔力計測水晶をキャパオーバーでぶち壊すんだよね。


 もういちどプリーズ、母様プリーズ、魔法プリーズ、手本よろしく。


 ちなみにわたしはギャン泣き中。


 補助脳というわけではないが、メイン赤さんの思考と切り離して並列思考中。


 感情制御のスキルのおまけみたいのものらしい。


 メインの思考とサブの思考にわけて同時に魔法発動なんてチート機能は備わっていない。


 なにも考えずにただ泣いてるだけの赤さんの思考と分けて冷静にちょっと考え事してるだけである。




「プックルちゃん大丈夫でちゅかー?はい、痛いの痛いの飛んでけー」


 マミーが抱き抱えながらあやしてくれている。


 ちなみに痛みは飛んでいってないし、回復魔法はきてないようだ。



 ヘソの下、丹田に意識を集中して魔力を感じてみる。


 む、む、む、よくわからん。


 心臓から血液が流れるように魔力が。うーん、これもピンとこない。


 集中、集中、、、眠くなってきたので今日は終了。

 意識を分割して片方で寝て他方で特訓、なんてまねはしない。


 泣き疲れてうとうと微睡みに任せて眠るのは心地よいのだ。





 あれから幾年月、はおいといて、数日かな。


 体の中というより、心の中の方で見つけたっぽい。


 ステータスオープンって念じて、頭の中にステータスを表示させつつ

 MPってどこだよーって思いつつぼやいてたら偶然魔力の通り道見つけた。


 体の中というより心の中、もしかすると魂ってやつなのかもしれんが

 そっちから来てるみたい。


 まだ俺が赤さんだからなのか跡はあるけど今は塞がってるみたいだ。


 これをこじ開けてもいいのだろうか。


 うん、前例(実際の前例ではなく読んだラノベでのことだが)によると

 まだ体も動かない乳児期から暇に明かせて魔法訓練してたようだし問題ないとしよう。





「マーマ、マーマ」


 また少し経っていくつかの言葉とハイハイが出来るようになったが、未だに魔力は感じられない。


 そう、魔力門が開かないのだ。なんちて。


 イメージでガリガリ引っ掻く、こじ開ける、つるはしで掘る、ドリルで突き進む

 なんてやってみたが開く気配はない。


 することがない、というか出来ることがほとんどないのでノホホンと赤さん意識に任せて過ごした。


 やったことと言えば、部屋の隅っこで壁を向いて座っていじけている男に向かって「ヒゲ」と声かけたことだろうか。



「パパとか父さん」とか促されても断固ヒゲとしか呼んでない。


 髭を剃ればいい男だと思うんだがなぁ。



 他にやったことといえば、家中を這い回ったことくらいだ。

 残念ながら執務室や蔵書庫なんてものはなかった。


 魔法書どころか本の1冊もないように思える。


 這いずり回った結果わかったのは

 我が家はベビーベッドのある俺がいつも寝ている部屋、そこには父母のベットも置いてある。つまり寝室。


 それと台所がくっついたリビング、あとトイレだ。


 木造1件屋、1DK風呂なしトイレありだ。


 もしかしてあまり裕福ではないのかもしれん。


 父、いや、ヒゲは兵士。それも門衛らしい。


 毎朝プレートアーマーを身にまとい出掛け、日が暮れると帰ってる。


 貴族じゃないのはバグだ、なんかの間違いだ。


 なんて冗談は置いておいて貧しすぎて生活に困っているなんてことないようだし

 それだけで満足だ。




 我が家で見かけた面白いものとしては鏡があげられる。


 手鏡と呼ぶには少し大きめの丸い鏡に柄がついたものが棚の上に置かれていた。


 俺のハイハイアタックで落ちてきたが運よくぶつかることも怪我をすることもなかった。


 落ちた鏡は割れてガラスが飛び散ったりはない。


 たぶん銅だとおもうが、金属を磨いたもので地球でよくみたガラスのついた鏡ではない。


 鏡に写った俺はキューピーみたいだった。

 頭の上にちょびっと生えた薄い毛は黒ではないと思う。たぶん金髪だろう。


 目は母似だと思う。鳶色、つまり濃い茶色だ。




「バー、ブー、マーマー」

 アッチョンブリケ、


 喋りながら百面相をしつつ鏡を眺める。


 ん?違和感が。


 もういちど「マーマー、ヒゲヒゲ」やっぱりおかしい。


 あ、口の動きか。

 口を開いてマーマーといってるが、母親の口はこんな動きをしていなかった。


 もしかして自動翻訳か。


 自動翻訳は俺はマーマーと口にしているが相手には異世界言語に翻訳されて聞こえるのか、

 俺の口にしようとした言葉が翻訳されて発せられてるかだが聞こえるほうの自動かよ。

 つまり日本語でリンゴとしゃべると、聞く人は自分の使ってる言葉で例えばアップルと聞こえる方法と、リンゴと口にしようとすると勝手に自分の口からアップルと翻訳された言葉がでる


 といったパターンがあり、この世界の場合は日本語をしゃべってるはずなのに聞く人には現地語に聞こえるというパターンだ。






 拝啓 神様


 自動翻訳ですが、日本語を喋っても相手にはこの世界の言葉に聞こえるという仕様のようです。

 日本語でイメージしても口は勝手にこの世界の言葉を紡ぐというシステムの方がよいと思われます。


 プルック




「報告受理。次の世界での修正を検討。この世界での修正はありません」





 頭の中に聞こえた答えに少しがっかりさせられた。

 しかし早めに分かってよかったと思う。


 口の動きと聞こえる声が違ってたら違和感ありまくりじゃん。


 うちの親は気にしなかったのだろうか。


 とにかく自動翻訳に頼らずこの世界の言葉を覚えるようにしなきゃな。


 て、どうすればいいんだよ。



 オーマイゴッド!


 まずいまずいまずい

 説明失敗した。

 よく考えたらやばいバグというかまずい仕様だ。


 例えば英語自動翻訳だとする。

 俺が聞く側だとすると相手がアップルって言ってるのにりんごと聞こえてしまう。


 先生が私の言う言葉を繰り返してください。

 先生 「アップル」(俺にはりんごと聞こえる)

 おれ 「りんご」(先生にはアップルと聞こえる)


 俺の耳には翻訳されたりんごという言葉しか入ってこないのでアップルという単語を聞くことができずを覚えることができない。

 まずい、このままだとまずい。

 バグというより、まずい仕様だ。再度報告せねば。




 拝啓 神様


 先頃報告の自動翻訳ですが、勝手に翻訳されるため

 自力で言語を覚えるのが不可能になります。


 スキルの修正はなくても結構ですが、せめてスキルのオンオフができるようにしてください、

 お願いします。


 プックル




「修正依頼承認。対象のアップデートをおこないます。終了予定はひとねむり後」



 頭の中で書いて送った手紙に返事が来た。


 たぶん修正の手間が少ない方法で提案できたと思う。


 それに対していい返事が来て助かった。


 スキル削除でもよかったけど、せっかくもらったのにもったいないしな。





奴はヒゲだ



 見よ!この魔力の奔流を。


 聞いてください。

 とうとうやりました。


 魔力の通り道を塞いでいた壁をぶち破ってやりました。


 ウソウソ、ごめんなさい。


 流れるどころか、ちびっと染み出した程度です。


 それもよく見ないとわからない程度にちびっとです。



『イメージ、イメージ。出でよスポンジ!』


 チミっと染みたとこにスポンジをあて吸いとります。



『イメージ、イメージ。出でよ茶碗!』



 ぎゅぎゅーっと。


 ピチョン


 おっ出た。

 絞ったスポンジから茶碗にひとしずく。


 ついにきキター

 よしこの魔力を循環だー

 ってどう考えても無理だろ、少なすぎ。


 循環させてる途中にってか開始してすぐ蒸発してしまうわ。


 とりあえず薄めてかさ増しして血液と一緒に循環させればいいか。


『イメージ、イメージ。増えろよ増えろ、増殖だ。薄めて増やして増殖だ!』



 これを血液に流し込むイメージっと。



 ふぎゃっ。


 やばかったかも、ちょっとびびった。

 心臓がドクンって跳ねた感じがする。


 やったことないけど、強い強壮剤飲んだらこうなるのかも。


 とりあえず落ち着け心臓よ。安静に、ゆっくり、リラックスしてzzz



 寝て起きたらとりあえず正常に戻ったみたいで安心した。


 魔力もなんとなく流れてる気がするし。




 そして年月は流れ、僕4歳!


 ウソウソ、まだ数日しかたってません。


 ママとヒゲという言葉を口にしてた俺も今では無口でシャイな赤さんに逆戻り。

 自動翻訳使ってないからまだその単語も喋れんのよ。


 それを見かねた残念ヒゲの二枚目もたぶん父親という意味だろう言葉を口にするが言ってなるものか。


 断固として断る。


 この世界でママという意味と思われる言葉はなんとか覚えた。


 また口にすると母は飛び上がって喜んでいる。


 父親も顔を近づけしきりに呼んでもらおうとしているが、今だ!


 まだあまり力はないけど思いっきり髭を引っ張った。



「л¢ゞΨ∂」



 翻訳スキルをオフにしてるのでよくわからないが、なんか髭とおもわれる単語だけは覚えた。


 これで満足。


 よくわからんこだわりだが、やつはヒゲだ。




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