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地球の料理道具のアイデアをぱくっちゃう

 お昼を食べた後のぼくらの自由時間。

 今日はなにしよっか、というわけで『ぼくらは商人見習いさ~』とか歌いながら街を散策することになった。

 リーグにぃとぼくの後をガジローがちょろちょろ着いてくる。

 首輪はしているけどノーリードだ。地球じゃ非難されてしまうがここではそれが普通なんで文句を言われることはない。

 でも人通りが多くなってくるとまだ小さく、足元をちょろちょろ歩いてると危なそうなんでリーグにぃが抱きかかえていくことになった。

 ガジローはまだ小さいとはいえ、リーグにぃも子供なんでちょっと大変そうかも。


「あ、父さんだ」「伯父さん!」


 袋を担いでいる伯父さんが料理屋に入ろうとしているところをみかけたので二人して声を出してしまった。


「あぁ、リーグにプックルくんか。散歩かい?」

「今日は商人見習い気分で二人で街を散策してるんです」

「うん、二人とガジローとでね。伯父さんは?」

「すりおろし鍋を売り込もうと思って料理屋を周ってるんだけどなかなかうまくいかなくてね。今もこの店に入ろうとしていたところさ」


 袋をゆすって中の鍋をガチャガチャいわせて中の存在をアピールさせてる。


「う~ん、試しに実際に使って見せたりした? 言葉だけじゃよくわからないのかもよ。それにそれって穴の開いた鍋を流用しようとしてすりおろし鍋になったんだけど、ただの鉄板にギザギザの穴を開けたほうが安く作れると思うよ」


 ガーンってしょっくを受けたような顔をした伯父さんを見ながら考える。

 結構料理屋向けにお勧めしたい調理器具とか結構あるんだよね。

 料理を楽にするアイデア系の道具ってぼくが死ぬ前の最近結構出来たから。

 100均でも料理に使うアイデア系の小道具よく売ってたし。

 じゃがいもの皮むきのピーラーなんかもできて100年たってないしね。

 昔の洋画とかで料理屋で働く子供が店の裏でじゃがいもの皮を包丁だかナイフでむいてるって場面もよく見た記憶がある。

 この世界でもジャガイモはあまり裕福でない人達の間で広く食べられているし、料理でたくさん皮をむかなけりゃいけないのでピーラーがあれば売れるんじゃないかなと思う。



 ぼくの話を聞いて伯父さんに知り合いだという鍛冶屋に連れてこられた。


「はじめまして、ぼくプックルです」「リーグです」

「おぅ、ガンツだ」


 連れてこられた鍛冶屋にいたのはドワーフだった。

 小柄でがっしりしていて髭面の。

 だよね、ドワーフだよね。

 ぼくのキラキラした眼差し(たぶん)を受けてガンツさんは「どうした、そんな目をして。ドワーフを見たのははじめてか?」とかいってガハハと笑い出した。


「ガンツさん、それで作って欲しいものがあるんですが」

「ちょーっと待ったー」

「なんだ急に」


 言っておかねばなるまい。特許みたいな制度がないこの世界、釘を刺しておかねばな。

 以前のような失敗をおかさないよう考えて口にする。


「以前住んでたとこで近所の鍛冶屋さんに頼んでこれを作ってもらったんだけど、すぐにその鍛冶屋さんに真似されて同じものを作られちゃってね。儲けそこなったんだよ」

「お、おう、そりゃひでぇな」


 すりおろし鍋をポンポン叩いて怒ってますよプンプンですよってアピールをする。


「それで予め約束して欲しいの。そうさねー、依頼したものを作ってもらったとしてそれから半年は他の人に頼まれても同じものを作らない。これを約束して欲しいの」

「あー、うむ。お前さんの考えはわかった。鍛冶屋のガンツ約束は絶対守るから安心して欲しい。そんでこれを作ればいいのか?」


「うーんとね、銅でこんな感じに取っ手をつけてっと……」


 前世でも使ってたようなおろし金を銅で作ってもらうことにした。

 そしてピーラーだ。じゃがいもの皮をむいたり大根や人参なんかの皮をむくのにも役に立つ。

 この2種類の道具を各20個ずつ作ってもらう。

 ちなみに銅のおろし金は他所で(すず)めっきをしてもらう予定だ。

 鉄で錆びたりとか銅で腐食したりってのはあんまし嬉しくないしね。


 それに加えて自分用に小型でヘッドにぎざぎざがついてるハンマーをひとつ依頼した。

 先日のロックリザードはおこちゃまなぼくの口にはちょっと硬かった。

 ここでハンバーグでもいいんだけど、肉を叩いて柔らかくするミートハンマーをとりあえず選んでみた。

 鍛冶屋のガンツさんは変なハンマーだなって言っていたけど、何に使う道具かは予想もつくまい。


 ドワーフマジックかドワーフの不思議か知らんが、ものの一時間もしないうちに各道具をひとつずつ作って見せてくれた。

 うんうん、これだよ。日本で使っていたのと見た感じ遜色ない。

 後は今作ったのと同じのを作るだけだけど他の依頼もあるから五日待ってくれって言うので、正式に依頼し半金を払って(伯父さんがね)そこを後にした。



「ふぅ、疲れちゃった」

「ごめんね、ずっと任せちゃってて」


 鍛冶屋でうろちょろされると危ないのでずっとガジローを抱っこしてくれていたリーグにぃが地面に下ろし、自分の肩をもんでいる。

 抱っこ紐みたいのを作れば負担軽減されるしいいかな。

 いや、ナップザックとかいいかもしれない。

 この世界では袋をサンタみたいに担いでいるのはよくみかけるけど、リュックとかナップザックみたいに両肩に紐をかけて後ろに荷物を背負ってる人を見た記憶がない気がする。

 簡単に言うと袋を巾着状にして紐を両肩にかければいいんだもんな。

 作りとしては簡単だと思う。

 伯母さんとか裁縫得意だからこういう話にのってくれるかもしれないね。



 家に帰って伯母さんに話をしたら大いに乗り気だった。

 絶対に売れるって息巻いてる。

 ぼくは人気だったらすぐ真似されて作られるから、ある程度の数を作って一気に売り出そうって提案した。

 あと少し手間がかかり、成功するかどうかわからんがブランド化にも着手してみる。

 ナップザックにはガジローをデフォルメ化した仔狼のマークを刺繍してもらうことに。

 マークごと真似されたらしょうがないけど当面はそれで差別化できるんじゃないかと予想してる。

 あまり外に出歩かない冬の間に作って春になったら売り出すぞ。

 おー!





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