あかんぼ赤ちゃんあいうえお
ちょっ、まっ、やめ、
「ふぎゃぁああん」
逆さ釣りにされ尻を叩かれつい泣き声をあげてしまった。
「おめでとうございます、男の子ですよ。取り上げてすぐ一時息をしていないようにも思えましたが、この通り元気なお声をあげてます」
目は開けられないが俺にはわかる。
いまだ足を捕まれ逆さ釣りにされてることが。
いや、やっと丁寧に抱えられたか。
体を拭かれ、恐らく母親の腕の中へ。
これからの新しい人生が嬉しくもあり、周囲を見たい気もあるが目が開かない。そしてなにより眠い。。。
あれからたぶん2週間くらいたった。
たぶんというのも14日寝たから2週間というわけではない。
不意に眠くなる、すぐ眠くなる。
赤ちゃんは毎日朝起きて夜寝るというわけではないのだ。
少し寝てはおき、また眠る。
それに意識もはっきりとせずまどろんでるようで心地いい。
それでも少しだけ変わったことはある。
目をあけて世界を見ることができるようになった。
だがしかし、それは天井だった。
首を傾けて横をみることはできない。当然体を動かして外をみるなんてこともできない。
わかったことというか見たものはというと、ちょうど来た。
「おー、よちよちパパでちゅよー」
ひげ面のあんちゃん、もとい金髪碧眼の2枚目の若者で口周りもだが顎にももじゃっとした髭を生やし、そのため2枚目から3枚目にランクダウンしたようなやつが俺の柔らかな頬に髭をすり付けてくる。
ここは躾をきちんとしなくては
「ほぎゃー」
「あらあら、あなた。プックルちゃんが嫌がってるじゃないですか」
拝啓、神様
早速ですがバグ発見です。
俺の名前がプックルなんてバグに決まってます。
リネームを要求します。
心のなかで手紙を書いて送ったが、いまだに返事は来ていない。
それはそうとこちらの小柄な女性。父親に比べるとだけどね。
あま色の髪にとび色の瞳、小柄でおっとりした女性は母親らしい。
生まれてすぐ聞こえた尻を叩いていた女性はあれ以降会っていない。
というか目が見えるようになってから見てはいない。
たぶん産婆さんだったんだろう。
生まれこのかた目にしたのは二人だけ。
両親のみということはもしかしてこの家にはメイドはいない??
貴族ではないということだろうか。
父親が公爵とか伯爵とかではないと?
いや、まぁ別にいいんだけど。
優しそうな両親だしいまんとこ不満はない。
いや、不満というか眠くなってきたzzz
自堕落に過ごすのも嫌いではないが暇だ。
あれから幾年月、いや3日くらいかな。
少し考えてしまう。
おれっていつくらいからしゃべればいいんだろう、いつくらいから歩けばいいんだろう。
いや、まぁ今のとこ歩けも喋りもできる気配はないけど。
体がまだそこまで育ってない。
にしても練習とかあるしな。
でも他所のお子さんはこのくらいから喋りだしたのにプックルちゃんは比べ物にならないくらい早くからなんて天才だ神童だなんてことはあまりやりたくない。
うーん、精神よ身体よ、年齢相応に行動してくれ。なんてね。
また髭もじゃが来た。
「うー、うー、ほぎゃー」
だから髭すりすりはやめろっての、
泣いたら眠くなってきた。
さてそろそろ本格的に活動するか。
とりあえず周りを見てみたいが寝返りさえ自由にできない。
体を鍛えるには早いかもしれんが、俺のぷにぷにアーム、ぷにぷにレッグを動かし運動しておこう。
腕を上下にぷにぷにぷにー、足を交互にぷにぷにぷにー。
あー、疲れた。
「あー、、ヴー、ヴぇー、おー、ヴァヴァヴァヴァヴァ」
アメンボ赤いなあいうえお、隣の客はよく柿食う客だ。
うん、全然だわ。




