表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【短編集】異世界時計管理室

異世界時計管理室〜進んだ針を戻しましょう〜

小説家に『なろうラジオ大賞3』応募作品です。


テーマは時計


異世界時計管理室①



 ここは、異世界時計管理室。

 今日も山のような調査資料が机の上に積み上がっている。



「あー!また時計の針が進み過ぎてる」


 私は一枚の報告書を見ながら頭をかかえた。最近多いんだよね、時計の針を進めすぎる異世界転生と召喚。


 物語になればすごく面白いのよ?私は、スキルチートも知識チートも転生悪役令嬢の逆転ざまあも大好き。

 でも、ここは物語じゃない。彼らは、物語に似た顔や名前の人達が居る世界に転生したり、魔族や魔物や魔法が存在する世界に召喚されているだけなの。



 だから、あまり時計の針を進めないでほしいんだよね。技術が進んだのが数年程度ならなんとかなる。


 でも、召喚されて色々持ち込んじゃったり、世界観に合わない大ブーム作ったり、ホイホイ王太子廃嫡したりは、やめて〜。戻すの大変なんだから!


 食べ物は……まぁいっか。甘いお菓子は世界を救う。私もよく利用させてもらってます。



 そんなこんなで、今日も時計が進みすぎた世界があった。


「今度は何で、進み過ぎたんだ?」


 頭を抱えて考え込んでいた私を見て、室長が話しかけてきた。


「魔導士が会社員召喚して、この世界にノートパソコン持ち込んだんですよ。今の所メモリー内の技術で五十年は進みます」


「オーパーツ案件か、でも電気も電波もないよな?だったらそんなに進まないだろ」


「魔導士の召喚が下手で時空が歪んで、繋がってるんですよ、電波。電気はバッテリーの残っている間にパソコンで調べれば、この世界の物でも発電できますし」


「彼、気付くかな?」


「少し様子見ですかね?気付かなければ、ただの鉄屑オーパーツになります」


「もし気付いたら、使い方によっては……」


「この世界だと、彼の居る国に魔族送り込みですかね」


「できればやりたくないけど、時計が進みすぎた世界を戻すには、一度破壊するしかないからな」



 本当に、むやみに勇者召喚とか転生チートとかリアルでは、やらない方がいいよ?

 世界には時計があって、適切な速度で針を進める必要があるの。


 せっかく平和に暮らせていたのに、時計の針を戻す為に、無駄に私達と争う事になっちゃうからね。

リアルに異世界転生、召喚があったら、、、

の、もしも物語です。


テーマ

『時計』『お菓子』『オーパーツ』入り。


お読みいただきありがとうございました!

★評価頂けると喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 2度目の書き込みスミマセン。 「今度は何で、進み過ぎたんだ?」は室長なのですね。「私」の独り言と勘違いしました。的はずれのお訊ねをしてしまい、大変失礼しました(_ _)
[良い点] 発想が面白かったです♪ 異世界転生や召喚、する側される側の世界がそれぞれあって、更に、それらの世界を管理する人達がいる……。楽しい作品を読ませていただき、有り難うございました! [気になる…
[良い点] 転生たっただ何でもアリだからつまらないだろうな、と思いつつ読み始めると、いやいや、すばらしい風刺で気持ちよく読みました。 [気になる点] どうせなら、時計をオーパーツとして使って欲しかっ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ