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アリア 2-21 


魔人とオルティアの人々との遠距離攻撃の応酬が始まってからすでに1時間が経過していた。

そしてその終わりは当然やってくる。


「ドウマ様、こちらの矢玉が尽きかけています。」

「ウチの人間の魔力も残り少なくなってきたネ。」


バトロとエビラはドウマに対し、現状の維持が難しいことを伝える。

彼らの言葉を聞いたドウマは、異形の魔人の様子を見る。


魔人はこれまで接近戦をすることなく、魔法での攻撃のみを続けていた。

それも同じ魔法を使うのではなく、色々な魔法を使い、威力や効果を確かめているようであった。

魔人は今も魔法による攻撃を続けており、その勢いが弱まっているようには見えなかった。


それらを踏まえてドウマは覚悟を決める。


「皆の者っ! これより魔人に対し近接戦闘を行う。事前に決めた者たちは私に続け。いいか。絶対に正面からは攻撃するな。ヤツの周囲を囲み、隙を見つけ背後にいる者が攻撃をするんだ。そして一撃を与えたらすぐに距離をとれ。」


ドウマの大声に数人が頷き歩み出る。

彼らはオルティアの民の中でも特に戦闘能力に優れた者たちであった。


ドウマは自らの愛用する武器である鋼の籠手を手にはめると、エビラに声をかける。


「エビラ殿、我らに身体強化魔法を頼めるだろうか?」

「分かったネ。」


エビラは頷くとすぐに詠唱を始めると、ドウマとその彼と共に戦いに向かう者たちに身体強化魔法を付与した。


「フンッ。よし、行くぞっ。」


ドウマは自身の肉体にみなぎるチカラを確認すると、魔人がいるところへ駆け出したのであった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ドウマたちが魔人に向かって行ったころ、メルトとネイアは話をしていた。


「くそっ。俺たちは見ているだけなのか。」

「でも、今私たちにできることはないなの。下手に手を出したら邪魔になってしまうし、さっきまで投げつけていた石ももうないなの。」

「分かってるけどさ。・・・あー、こんなときアルスがいてくれたら。」



「呼んだ?」


「「えっ?!」」


メルトとネイアは突如後ろから聞こえた声に振り向く。

彼らが振り向いた先にはアリアがチーナに支えられた状態で立っていた。


「アルス!」「アルス君!」


メルトとネイアの2人は驚きの声を上げる。


「あはは。2人のことが心配で来ちゃった。チーナさん、すみません。」

「いいわぁ。私も旦那と子どもたちのことが心配だったから。」


「チーナ母さんまで。どうしてこんな危ないところに来たなのっ?」

「そうだぜ。アルスもそんな状態じゃ戦えないだろ?」


「うん。でもこんなにすごい音がしていて、負傷者もいっぱい運び込まれてくるし。居ても立っても居られなかったんだ。」


「私はアルス君が一人で出ていこうとする姿を見つけたから。」


「「ハァ」」


メルトとネイアは呆れたようにため息をつく。


「それで今はどんな状況なのかな?」


アルスは二人からこれまでの経緯を聞くのであった。


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