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アリア 2-11 謝罪


アリアがオルティアを訪れてから、すでに3日が経過していた。

先日ドウマの家で起こったことは里中の人間が知るところとなっている。



この日、族長のドウマに呼ばれたアリア達は再度ドウマの家を訪れていた。


「呼び出す形になってすまない。」

「いえ、お気になさらないでください。」


ドウマの謝罪にバトロが応じる。


「今日来てもらったのは、お前たちにきちんと謝りたかったからだ。本当に申し訳なかった。特にネイア、お前には(つら)い思いをさせてしまったな。」


「もう気にしてません、なの。」


「そうはいかん。私はお前に実の親がいないことを良いことに、安易にお前を利用しようとしていた。お前にも、そしてあの世にいるお前の両親にも謝らねばなるまい。」


ドウマは申し訳なさそうな表情で、ネイアに対し頭を下げるのであった。






「昨日、魔の一族から正式に此度の婚約を破棄するとの連絡が届いた。」


頭を上げたドウマが告げる。



「そうですか。では・・・」

「ああ。もうネイアは自由だ。2度とネイアの婚姻について私が勝手に決めることは無いと(ちか)おう。」


「よかったね。ネイアちゃん。」

「うん、ありがとうなの。」


アリアとネイアが微笑み合う。



「しかし、ドウマ様は大丈夫なのですか?」


バトロは何が大丈夫なのかは言わなかったがドウマには伝わっていた。


「ああ。長年抱えてきた悩みを人に話したことで少し気が楽になったようだ。この数日は悪夢を見ることもなかった。」

「それなら良かったです。」





「アルス君、と言ったかな?」


すると、ドウマがアリアに優しげな表情で声をかけた。


「は、はい。何でしょうか?」

「少し2人きりで話をしたいんだが良いだろうか?」

「分かりました。」


「それじゃあ私はバトロ父さんとチーナ母さんのところに行ってるなの。」


アリアの隣にいたネイアはバトロたちのところに向かってしまう。


ドウマはネイアが離れたことを確認した後、アリアに話を切り出す。


「私が言えることではないのだが、ネイアを・・・ネイアをよろしく頼む。あの子は本当にいい子なんだ。」

「はい。それは分かります。」


(ふふっ。ドウマさんはネイアちゃんのお爺ちゃん化していますね。)


アリアが心の中で微笑んでいると、ドウマが真面目な表情になる。


「だが、ネイアと手をつなぐ以上のことはまだ認めぬからな。」

「ふえっ?」


(そういえばドウマさんには私とネイアちゃんは付き合っているということにしたままでした。)


「あ、あの・・・」

「つまりだ。お主との交際は認める。だが良いか?ネイアが成人するまでは絶対に清い交際を続けるのだぞ。」


「ええ!?」


「もしあの子を(もてあそ)ぶようなことがあったら、オルティアの民すべてがお主の命を狙うかもしれんからな。よろしく頼むぞ。」


ドウマは迫力のある表情で微笑みながら、アリアに顔を近づける。


(ひぇぇ。本当は付き合ってませんでした、といえる空気じゃないです。どんどん私が本当は女性だと言えない状況になっていってる気がします。)


ドウマの有無を言わせない迫力に、アリアは必死に首を縦に振るのであった。






「ネイア。もう帰ってしまうのか。」

「そうよ。ネイアもアルス君ももう少しここでゆっくりしていくといいわ。」


アリアがドウマに詰め寄られているとき、バトロとチーナは寂しそうな様子でネイアを抱きしめていた。


「ごめんなさいなの。ここにいたら居心地が良くて、どんどん外に出ていきたくなくなってしまうなの。でも時々は帰ってくるようにするなの。」


「「ネイア~」」


バトロとチーナはさらに強くネイアを抱きしめる


「親父、お袋。実の息子の俺にはなにかないのかよ。」


メルトは呆れた表情でボソッと呟くのであった。






それから(なご)やかな雰囲気で各々(おのおの)が過ごしていると、


「あっ!」


突如メルトが何かを思い出したかのように大きな声を上げた。

その場にいた全員が驚き、彼らの視線がメルトに集中する。


「族長。実は・・・」


メルトはとても困った様子でドウマに近づいていく。


「なんだメルト?どうかしたのか?」


「実はネイアの婚約を()めさせるために、オルティアに戻ってくる道中の町や村でオルティアの民に声をかけてしまったのですが・・・。おそらく、声をかけた人たちがもう少ししたら里に戻ってくるかもしれません。」


「そうだったのか。今回の件は私に責任がある。里に戻ってきた者たちには私から説明しておこう。」

「ありがとうございます。」


メルトは安堵の息を漏らす。

すると続けてドウマの家の玄関のドアが勢いよく開いた。


「族長っ!大変です。」


村の入り口を守っているはずのアドラが、ドウマの家に駆け込んできたのだ。


「なんだっ!?次から次へと騒々しい。」

「も、申し訳ありません。ですが大変なのですっ。」


アドラは全速力でここまでやってきたのであろう。

息も絶え絶えの様子で、必死に声を絞り出す。


「実は・・・、魔の一族の里が襲撃を受け、壊滅したようなのですっ。」

「なんだと!」


アドラの報告にドウマが驚きの声を上げる。

アリア達も驚きのあまり椅子から立ち上がった。




どうやらアリア達はまだエリアスに戻れそうにないのであった。


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