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アリア 2-9 一難去ってまた一難


「キヒヒ、ひとつ聞いてもいいかネ?」


エビラはドウマの話に興味はなかったが、ある1点だけが気になっていた。


「ああ、なんだろうか?」

「フォルテとかいう男がここに来たのは5年前のいつ頃なんだネ?」

「あのときは確か・・・、5年前の雪が降りだす季節の少し前だったと思う。それがどうしたというのだ?」

「キヒヒヒ。やっぱり妙な話だネ。魔の一族には確かに『魔人化の呪法』について記された書物があるネ。でもワタシたちがそれを見つけたのも5年前の同じ時期、蔵の中から偶然出てきたのネ。」

「それがどうしたなの?」


ネイアはエビラに尋ねる。

同様の疑問をエビラを除く全員が抱いていた。


「これだからオルティア人は察しが悪くて困るネ。5年前、偶然『魔人化の呪法』についての書物が見つかるまで、それは一族内で一切伝わっていない技術だったネ。当然、父上やワタシ、あとは一部の者しか知らないことだし、箝口令も敷かれていたネ。それなのに蔵から偶然見つかった物を、それも見つけた時期と同じ時期にフォルテが知っていたというのもおかしいネ。」


「魔の一族には伝わっていなかったけど、王国には伝わっていたとか?」


「その可能性もあるネ。だけど、もしフォルテという男が・・・。どうやらヤバそうな匂いがプンプンしてきたネ。ワタシたちの一族は手を引かせてもらうネ。」


エビラはあっという間に帰る支度(したく)を済ませると、ドウマの家から出ていってしまう。

今度はドウマも呼び止めることはしなかった。

全員が去って行くエビラの背を見送っていると、エビラは突如立ち止まり振り返った。


「アルスちゃーん。いつでもワタシたちの里に来ていいからネー。」

「さっさと帰れなのー!」


アリアに大きく手を振るエビラに対し、ネイアが牙を剥く。

アリアは苦笑いで控えめに手を振り返すと、満足したのかエビラは去っていくのであった。






「皆の者、とりあえず今日は解散しよう。また後日、時間を設けようと思う。」


エビラがいなくなり静かになった部屋で、全員が何をするでもなく過ごしていたところ、ドウマがそう切り出した。

外はすっかり夜の(とばり)が下りていた。


「分かりました、ドウマ様。それでは失礼します。」


バトロはドウマに頭を下げるとドウマの家から出ていく。

アリア達も会釈してドウマの後に続いて出ていった。


ドウマの家に戻るアリア達。

大きな悩みから解放されたネイアは、メルトやチーナと楽しそうにおしゃべりしながら歩いていた。

アリアはそんな楽しそうにしているネイアの後姿(うしろすがた)を見ながら微笑(ほほえ)んでいた。


そんなとき、突如前を歩いていたバトロは歩く速度を落として、アリアの横に並んで歩き始めた。

アリアがそれを不思議に思っていると、バトロは少し闇が感じられる笑顔をアリアに向ける。


「それでアルス君。ネイアと付き合っているというのはどういうことなのかな?」

「あっ・・・」


バトロから感じる圧に、アリアの血の気は引いていくのであった。


次回は来年になると思います。

今年の残りは、これまで投稿した分の改良をボチボチしていこうと思います。

もちろん内容に影響は無いようにします(ダジャレ)。

来年もよろしくお願いします。


*12/25に第2章で出てきた登場人物たちの年齢や経過年数を少し調整・修正いたしました。

(ドウマが族長になった年齢が若すぎたなどの理由で。)

具体的な変更が行われたのは、アリア 2-4と2-7 となっております。

加えて文章も修正して読みやすくなったと思います。


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