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アリア 1-17 盗賊団(?)でした


「てめぇらの荷物を全部置いていってもらおうか。」


盗賊団のリーダーと(おぼ)しき男が言い放った。


盗賊団の人数は22人で全員が馬に乗っている。

団員の装備はほとんどが片手剣で薄汚れた皮鎧を身に着けていた。


「上玉ぞろいじゃねえか。女子供はできるだけ殺すなよ。高く売れそうだからな。」

「分かったぜぇ、(かしら)ぁ。でも少しは楽しんでいいよなぁ。」

「ったく。仕方ねぇ奴らだ。じゃあ俺はあの剣を持ったねえちゃんをもらうからな。」

「それはねぇですぜ(かしら)。いつも一番いい女を持ってくじゃねえですか。」

「俺はあの魔法使いっぽい女にするぜ。」

「俺はあのちびっ子だな。」

「じゃあ自分はあの女っぽいイケメンをもらいやすぜ。」


男たちは下卑た表情で、アリア達を品定めする。

ちびっ子と言われたネイアは憤慨していた。

アリアも男だと思われているのに自分を選ぶ男に嫌悪感を抱いていた。



しかし、アリアは彼らに違和感を感じる。


「あの、ひとつお聞きしてもいいでしょうか?」


アリアが盗賊たちに向かって声をかける。


「なんだあ、命乞いか?お前らが抵抗さえしなけりゃ痛い目を見ずに済むぜ。むしろ気持ち良くしてやるよ。」


げひゃひゃ、と盗賊団の男たちが笑う。


「そういうのは結構です。それよりあなたたちは本当に盗賊団ですか?」

「あん?何言ってやがる、てめぇ。」


アリアの質問に盗賊団のリーダーの雰囲気が少し変わる。


「あなたたちの装備が全員同じ物で揃っているのは妙なんです。普通の盗賊団というのは安物の装備か、他の人から奪ったものを身に着けるので、装備が一致することはあり得ない、と以前本で読んだことがあります。しかしあなたたちは剣も身に着けている皮鎧も全員が同じ物を身に着けています。あと、皮鎧は薄汚れているのに剣はよく手入れされています。皮鎧の汚れはわざと汚したものでしょうか?」


アリアの推測を聞いた盗賊団の団員たちの表情が徐々に変わり始める。

その様子を見てアリアは続ける。


「加えて妙なのは馬です。馬は手に入れるのが難しく、維持するのもお金がかかるものです。それに全員に乗馬の技術があるのもおかしい。あなたたちはどこかの貴族の私兵か何かで、本当の目的は別にある。おそらくですが、私たちの運んでいる物を奪うことではないのですか?」


すると、盗賊団(?)のリーダー以外の男たちの顔色が明確に変化する。

しかし、リーダーの男だけは動揺を見せず言い返す。


「そんなことを聞かれて、『はい、そうです。』と言うとでも思ってんのか?」

「いえ、無駄な質問でしたね。捕まえた後でお聞きすればいいだけでした。なのでできるだけ死なないでくださいね。」

「ほざけっ。二度とナメた口を利けねぇようにしてやるよ。」


盗賊団(?)のリーダーが指示を出す。

支持を受けた敵の男たちが馬に乗ったままこちらに突っ込んでくる。

アリアはシルルに目配せをすることで合図を送った。


合図に気付いたシルルは目の前に積まれた木や草で作った障害物に火魔法で火をつける。

次にアリアが風魔法を用いて強い風を起こし、火の勢いを強めるとともに煙を盗賊団(?)のほうに送っていく。


ヒトよりも目や鼻の良い馬たちは煙で視界を奪われ、煙の臭いを嫌がりはじめた。

さらに目の前で燃え盛る炎に怯え、馬たちは完全に乗っている者たちの言うことを聞かなくなっていく。



しばらくすると敵の男たちのほとんどは馬から振り落とされ、運の悪い者たちは馬に踏まれ絶命してしまう者までいた。


しかし、敵のリーダーとその側近と思われる数名の者たち、そして彼らが乗っている馬たちは火や煙に構わずアリア達のほうに突っ込んで来る。


アリアやシルルはすぐに後ろに下がり、代わりにライナ、メルト、ネイアが前に出た。


前に出たライナは頭上に剣を掲げる。

その剣に対し、シルルが火の付与魔法『フレイム・エンチャント』をかけた。

ライナの剣からは炎が吹き上がり、その剣を敵に向かって振り下ろす。

振り下ろされた剣からは火の斬撃が、剣の間合いよりも遠くにいる敵のところまで飛び敵の一人を馬ごと焼き切ってしまった。


アリアは初めて見る付与魔法の効果に驚きつつも、メルトとネイアに身体強化の魔法をかけていく。

メルトとネイアは(こぶし)大の石をいくつも向かってくる敵に投げつけた。

身体強化された力で投げられた石は、敵の男たちの顔や腕を潰し、鎧をひしゃげさせ、馬から落としていく。

乗る者のいなくなった馬たちはすぐに別の方向に走り去って行った。


ライナ達前衛組の奮闘により、とうとう盗賊団(?)はリーダーだけになり、アリア達護衛のメンバーに囲まれる。


「おとなしく投降しな。隠していることを吐けば、命だけは助かるかもしれないよ。」


ライナが敵のリーダーに告げる。


若造(ガキ)どもがっ。もう俺に勝ったつもりかぁっ。」


リーダーの男は馬上槍を振り回し、馬の横っ腹を蹴る。馬はいななきアリアに向かって走り始めた。

アリアは慌てて横に飛び退く。


「ふはは。さらばだ。」


包囲を抜けた敵のリーダーはそう言うと、そのまま全速力で走り去ろうとする。


「いや、逃がさないよ。」

「なにっ!ッッッぐぁ」


馬で逃げるリーダーの男は誰もいないはずの真横から男の声が聞こえて驚き振り向こうとする。

が、その瞬間顔に殴られるような衝撃が襲い、馬から落下してしまう。

馬から落下した男は、何が起こったのか分からないまま気絶してしまった。



――――――――――――――――



(アリア視点)


一体何が起こったのでしょう?


わたしたちは敵のリーダーを包囲したものの、敵は私のほうに馬ごと突撃してきてそのまま逃げられてしまいました。

逃げられてしまったと私たちの誰もが思っていたのに、いきなり敵のリーダーは横に吹き飛んで馬から落下してしまいます。

馬は騎手がどうなろうと知ったこっちゃないと言うように、そのまま走り去ってしまいましたが。


えっ!!

気絶した男がズルズルと何かに引っ張られるようにこちらに動いてきます。


ナゼ???


ライナさんたちが臨戦態勢を取ります。

私もあわてて魔力を練り上げます。


「待て。俺は敵じゃないから武器は下ろしてくれ。」


何もないところから声がすると、空間がゆがみポーツ商会の制服を着た男性が現れます。


「強くなったな、アルス。」


なんとその男性はディーさんでした。


ナンデ???


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