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アリア 1-13 昇格と指名依頼


アリアたち3人が冒険者ギルドで依頼を受けるようになって1ヶ月、この日も依頼を完了しその報告を行っていた。


「おめでとうございます。今回の依頼の達成により皆さんの冒険者ランクはEランクに昇格になります。」

「えっ、本当?!やったなネイア、アルス!」

「やったなの。これで報酬が増えていっぱいご飯が食べられるなの。」

「うん。あっという間だった感じもするけど、やっぱりうれしいね。」


受付嬢の言葉に3人は喜びの声を上げる。


それから受付嬢は手元から1枚の紙を取り出した。


「Eランクに昇格した皆さんに、うちのギルドマスターからひとつ依頼がございまして、こちらがその依頼書になります。」


「えっ、ギルマスから?!えーと、王都まで商人と積み荷の護衛依頼?どうしてこれをギルマスが俺たちに?」


「ギルドマスターが仰るには、『あいつらは真面目だし、何より戦闘能力も高い。それに子どものうちに王都を見せて、いろんな経験をさせてやりたいからな。これはあいつらには言うなよ。』だそうです。」


「受付嬢さん、言ってはいけなさそうなところまで言ってるなの。でも私たちは期待の新人なの。任せるなの。」

「ああ、受けようぜ。アルスも大丈夫だよな?」


「うーん。僕も受けたいけど、何人かに確認しとかないといけないことがあるかな。多分、大丈夫だと思うけど。」


アリアはハイドたちやディーの顔を思い浮かべながら言った。


「分かりました。2日後までにこの依頼をお受けになるか教えてください。とりあえずこの依頼の詳しい内容を説明しておきましょうか。実際の依頼主はポーツ商会エリアス支店支店長のクインさんという女性の方になります。依頼内容は先ほどメルトさんが仰ったように護衛と護送で、護衛にあたるのは皆さんのほかにBランク冒険者『ホウセンカ』の方々が、護衛対象はクインさんのほか商会の方が数人となります。」


「Bランク冒険者の方ですか。」


アリアは尋ねる。

アリアは先日の先輩を名乗る3人組の犯罪者の顔を思い出して、少し気後れしていた。


「はい。ホウセンカは女性2人組のパーティで、剣士と魔法使いのコンビですね。品行方正でギルドの評価も高いです。ですので皆さんも見て学べるものが多いと思います。」


「すごい方たちなんですね。分かりました。ホウセンカの方たちから色々教わろうと思います。」


受付嬢の説明で先日の3人組とは違うと思い、アリアは気を取り直す


「それでは依頼の説明を続けますね。出発は5日後、ここから王都までは片道7日間ほどで、道中の食事と水はポーツ商会が用意してくださるということです。」


「やったなの。黒パンじゃなくて、白くて柔らかいパンが食べられそうなの。」


「途中いくつかの町や村を経由しますが、そこでの宿代も商会側が持ってくださるそうです。そして依頼の報酬ですが、Eランクの皆様は一人につき金貨3枚となっております。」


この国の金貨1枚で、一般の国民は1か月生活できるとされている。

Eランク冒険者に対する報酬にしては、金貨3枚は異常なのでアリア達3人は驚いていた。


「いたせりつくせりですね。支店長も移送に参加するようですし、相当な物を運ぶのでしょうか?」


アリアはさすがに不安になり、受付嬢に質問する。


「どうやら極秘の品らしく、受付嬢の私には教えられないとのことでした。ですが王都ではもうすぐ陛下の生誕祭があるので、それに関連する貴重な品だと思います。」


「そんな重要そうな依頼に新人の私たちが参加して良いのでしょうか?」


「そのことについて私のほうでもギルドマスターに確認したのですが、『保険は用意してある』と言われました。あと、『そのためにもアルスには依頼を受けてもらう必要がある』とも仰ってました。」


「僕が、ですか?」

「はい。ですからアルスさんたちはぜひこの依頼を受けてくださいね。」


「分かりました。」





アリアは帰宅後、ハイドたちに護衛依頼で2週間以上家を離れる旨を伝える。


ハイドとイリヤは『気を付けて行きなさい』と許可を出すが、ジーナには『いかないで』と言われてしまう。

アリアは『帰ってきたらジーナちゃんとたくさん遊ぶから』と約束をして、何とかジーナから許可をもらったのであった。




アリアは翌日の早朝にディーが泊まっている兵舎を訪ね、護衛依頼で王都に向かう旨を伝える。


するとディーからは『知っている』と返されてしまう。

なぜ知ってるのかとアリアが尋ねるが、ディーは秘密だと返し許可を出すだけで答えなかった。




ハイドたちとディーに許可をもらったアリアは、冒険者ギルドで依頼を正式に受けるのであった。


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