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プロローグ 悪役にされた令嬢は・・・


(○○視点)


「アリア、お前は私の婚約者でありながら人として許されざる行いをした。」


ここはファルマール王国王立学園で、今は卒業記念パーティの最中です。

私は家からの呼び出しで、少し遅れて今パーティ会場に到着したところでした。


「ここにいるキャスのドレスを引き裂き、パーティに参加できなくしようとしたみたいだな。」


現在の状況を説明すると、私こと『アリア・フォン・ファルムス』は、目の前にいる『ボルス・テ・ラ・ファルマール』殿下に身に覚えのないことで叱責されています。


ボルス殿下の腕には『キャス』と呼ばれた少女が抱き着いていて・・・

この子、とても胸が大きいですね。ボルス殿下の腕に押し付けられた胸がすごい形になってます。


「ふんっ。呆然として今更自分の行いを悔いているのか。だが、もう手遅れだ!」


おっといけません。

考え事をしていたら、殿下が見当違いのことを言い始めました。

私が無実であることを主張しておかないと、大変なことになりかねませんね。

 

「いいえ、(わたくし)はそのようなことはしておりません。私は先ほどまで家に呼び出され、帰宅しておりました。」

「黙れ。お前はキャスが嘘をついていると申すのか?おおかた取り巻きにでも命じてやらせたのだろう。」


ボルス殿下の言葉に、私の友人たちが私の横に並びます。


「アリア様を含め(わたくし)たちはそのようなことはしておりません。」

「ふんっ、どうだかな。」


友人たちが否定しますが、ボルス殿下は聞く耳を持ちません。



「だがアリア。お前の罪は明らかだ。なぜならキャスはこんなにも悲しんでいるのだからな。」


殿下はキャスに目を向け、いえ、キャスの形を変える胸を見てニヨニヨしています。


どうやら殿下はあの胸に魅了されてしまったようです。

私が何を言っても聞く耳を持たないでしょう。


私がキャスの胸をじっと見つめていると、


「貴様、そのような目でキャスをにらみつけおって。これまでもそうやってキャスを虐げておったのだな。だが貴様はもう終わりだ。流刑に処してやる。」


そう言ってボルス殿下は懐から石を取り出しました。

周りにいた人たちがざわつき始めます。


その理由は、


「殿下っ、それは送還の石ではないですか。国王陛下以外が使うことは許されていないはずです。」



『送還の石』、それはこのファルマール王国を創った初代国王が異能をもって創り出した異世界に、“ヒト”を追放することができる魔道具です。

その石は一度きりの使い捨てとされ、代々の国王だけが作りだすことができる、と言われています。


転送先の異世界は、初代国王が重罪人を追放するために作り出したと言われ、おおよそ人の住める世界ではないだろうと習ったことがあります。


不確かな情報なのは、一人もこちらの世界に戻ってきた者がいないことと、こちらの世界からわざわざ往復分の石を持って向こうの世界を見に行こうとしたものがいなかったからです。



「貴様がそれだけの罪を犯したということだ。キャスを虐げるということは、この私を虐げるも同じ。

であればそれは王国への反逆に他ならない。」


そう言ってボルス殿下は送還の石を起動する呪文を唱え始めました。


遠巻きに見ていた人たちも、巻き込まれることを(おそ)れて更に離れていきます。

殿下の隣にいたはずのキャスもすでに遠くにいました。


私は(いま)だ周りにいてくれる友人たちの身体を押して、私から遠ざけます。

そして・・・、彼女たちを巻き込まないために、私はその場に(とど)まることに決めました。







それから30秒ほど経った頃でしょうか、ボルス殿下の詠唱が終わりました。


「さらばだ、アリアよ」


呪文を唱え終わったボルス殿下は私を見て笑っています。


私は笑うボルス殿下から目を離し、私のために涙を流す友人たちに手を振り別れを伝えます。



『カッ』



ボルス殿下の手にあった送還の石は眩い光を放ち、私の視界は奪われました。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・




肌を風がなでる。土や草のにおいがする。

ゆっくりと眼を開けると、そこは草原でした。

「さて、これからどうしましょう。」



ネムタイです。

『悪役令嬢は異世界に飛ばされて』が初投稿作品になります。

なので、応援よろしくお願いします。


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