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第28話:マッサージ屋→献血場




 僕たちはすでに食べ終わり、今は少し歩いて散歩をしている。


 そういえばなぜか店から出るとき———



「あ……帰っちゃうんですね……ありがとうございましたぁ……。また来てくださいねっ!?」



 って言っていた。美味しかったし、また今度来ようかな…。



「今日は平日だし、ここだけ行って帰りましょう!」


「ここって……」


「マッサージ屋?」



 ついたのはマッサージ屋であった。



「ここは結構お金高いんだけどね、私ここに通い詰めてるから無料券が三枚ももらってるのよ!」


「おー!!すごい!春渼さん!」


「えへへぇ〜〜」


「むむむ……」



 春渼さんは頭をポリポリと掻きながら下を向き、雪はなぜかこちらを睨んでいる…。



「じゃあ早速入りましょう!」



〜〜



「いらっしゃいませー(激カワ美少女キターーー!!!)」



「おお、僕初めて来たけどなんだか……なんだろう、ムードがある…?」



「これでお願いします」


「承知しました。ではこちらへ」



 春渼さんが無料券を店員さんに出した。


 僕たちは店員さんに連れられ、椅子に座るように言われた。



「これって僕も一緒でいいの?」


「ええ、もちろん!!逆に私たちが気を使わないと……」


「七美、私たちは気にしないで楽しみなさい!!」



 マッサージ屋とか、個室とかでやると思ったけど、三人並んでやるらしいから、男の僕がいてもいいかわからなかったけど、よかったらしい。



「それじゃあ始めさせていただきます」



「あ、私たちにちょっとティッシュ用意してもらっていいですか?」



 店員さんが後から三人来て、今からマッサージが始まるようだ。

 雪と春渼さんはティッシュを用意してもらってたけど…なんで?



「お、お願いします!」


「では、無料券のみなので足のマッサージをやらせてもらいます」



 …目の前には女性の店員さんがいるけどニヤニヤしている……。

 ちょっと怖い……。


 店員さんはオイルを手に塗り、僕の足ほマッサージを開始した。



「んっ♡………はっ、すいません……」



 少しこそばゆくなって声が出てしまった…。

 恥ずかしくなり、顔が一気に熱くなった。



「いい、いえいえ!」



 店員はプルプル震えながら鼻を抑えていた。



「では続きをしますね……」


「お、お願いします……」



 次は声が出ないようにしたいけど、もともとくすぐったいのが苦手だったりするから……。


 店員さんは足の中心をぐぃーっと押した。



「ふぁーー……気持ちいい………」


「あ……すいません、ちょっと外しますね」


「え…?」



 店員さんがいきなり鼻を抑えて裏へと行った。


 その後、その店員さんが帰ってくることがなく、別の店員さんに変わったが、その店員さんもすぐに変わっていってしまっていた…。



 ———なぜに…?



〜〜



「いや〜店員さんティッシュ必要でしたよねぇ」


「えぇ、あなた方が注文していただいてよかったですよ」



 雪と春渼と店員はこの世に悔いがないような顔をして七美のマッサージを見ていた。



「店の裏大丈夫なんですか?店員さん」


「ええ、今は絶賛献血場になっていますよぉ〜」


「ああ…おめでとうございます」



〜〜



「はぁっ……はい!これで無料券の分は終わりましたぁぁ……」


「ど、どうもありがとうございます……」



 なぜか何回も店員さんが変わっていたけど、すごく気持ちよかったので満足。



「それじゃ七美くん、行こうか!」


「七美帰るわよ〜」



 雪と春渼さんはなんか肌がツヤツヤしているような?そんな効果もあるの?



「うん、わかった………って雪、大変!!」


「!?どうしたの七美!!」


「足がふにゃふにゃになって立てないよ!!」



 た…大変だ……マッサージが結構気持ちよかったから足に全く力が入らなくなっちゃった!!



「ぬわぁーー!なんで最後まで可愛いんだぁぁ!!」

「天使かよぉ、いや天使じゃねえか!」

「キィェエエエエ!!!」

「ここは献血場ですかぁ!?」

「鼻血が止まらなぁい」

「ブブォゥァッ!!」

「どーーしてぇえええええ!!!!」

「歌うなっ!!」

「お可愛いこt……いや可愛すぎ!!」



 マッサージ屋がいきなり騒音だらけになり、何いってるか一切聞き取れなかった。



「なっ…何!?!?」


「な……七美くん、大丈夫よ、普通なのよ。これが」


「え、これが!?」


「……それじゃあ七美、はい」



 雪が僕の前背を向けてにしゃがんだ。



「え、いいの…?」


「もちろんもちろん!!重くなんかないしご褒美だよ!!」


「???ちょっとよくわからないけどありがとう!」



 七美はニコッと笑った。

 ———それはそれは太陽のように眩しく、虹のように鮮やかな笑顔であった———



「よいしょ……雪?なんかプルプルしてるけど大丈夫…?」


「な、なんでもないっ!!さっきの笑顔がちょっと……」


「え、なんて?」



 最後のほうはまだ店に残っていた騒音でかき消されてしまった。



「いいの!それじゃあ行くわよ」



〜〜



「今日はありがとうございました!」


「いえいえ!いいのよ、また今度遊ぼうねぇ」



 僕は家の前までおんぶしてもらい、そこで春渼さんともお別れとなった。



 帰り道に通り過ぎて行く人たちに「てぇてぇ」とかなんとか言ってたけど…それってどういう意味なんだろう?



「それじゃ、私はこの後仕事あるんで。ばいばーい!」


「さようならー」



 今日は楽しかったなぁ……。




 ———あれ?ミッションじゃなかったっけ?


マッサージ屋が献血場になるレベルって…。


やべぇよ。



あと次の投稿は12月4日以降になります。

テストがあるので…。

よろしくおねがいします。m(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 久しぶりに読めて嬉しいです。 次の投稿も期待しています。
[良い点] うぉふ。 可愛すぎかよ…… 性別なんて関係なかった。 [一言] 尊い。 あっ、ティッシュ取りに行ってきます(ぽたぽた)
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