第23話:耳かき
ご飯を食べ終わった頃に、春渼さんのマネージャーと思われる人が僕の家にやってきて、そのまま引きずりながら連れていかれた…。
帰る際に「あと少しだけ!もうすこしっていうか、寝顔見せてくれたらぁ!!」
と言いながら連れていかれた…。
なんのこと言ってたんだろう?
家に二人だけになった僕たちは、特にすることがなくなっていた。
「ねぇお兄ちゃん、ちょっとこっちに来て」
「ん?わかった」
華がソファに座り、僕を呼んだ。
僕は隣に座った。すると。
「それじゃ…えいっ!」
「わわっ!」
突然華に倒され、俗に言う膝枕の状態になった。
「は、華?これはいったい……」
「ふっふっふ……久しぶりに耳かきしてあげる!」
そういえば…前はよく華に耳かきされてたけど最近はされてなかった…。
「わかった、それじゃあお願いするよ!」
「はいはい!お任せあれ!!」
華は耳かきを持ち、僕の耳をかきはじめた。
「ん〜、あっ、そこそこ……はへぇ……」
「ぐっ……実にけしからん…!お兄ちゃん、なんてエッチな声を……」
「ん?なんか言った?」
「ん!い、いいや!?なんでもない!!」
(危ない危ない……ふふふ、でもこれをお母さんとかお父さんが見たらさぞかし羨ましいと思うだろう…役得!)
華をチラッと見てみると目を輝かせ、明後日の方角を向いていた。
耳かき終わったのかな?でもなんか……だんだん眠く………。
「スーー、スーー……」
「あれ?お兄ちゃん寝た?おつかれだったんたねぇ」
そう言い、華が七美の頭を撫で始めた。
「………んー………んっ!」
「うひゃあ!!」
なんと次の瞬間七美が華に抱きついたのである。
「はわわわわ、お兄ちゃんそんな大胆な…!!」
華はいきなりのことで、今にも湯気が出そうなほど顔が真っ赤になり手をワタワタとさせていた。
「んーー……華、いつもありがとぉ……zz」
「んなっ!!??あうっ………」
華はなんと、嬉しすぎて気絶してしまった。
夜遅くに用事が終わって帰ってきた母親が嫉妬しながらもちゃんとベッドに七美達を運びました。




