第9話:何してたっけ?
「うーん…はっ!?」
あれ?ここはどこだっけ?
えーと…。
「あら、お目覚めかしら、七美くん」
「はっ!?はいっ!お目覚めです!」
思い出した。確か放送で生徒会室に呼び出されて……あれ?
呼び出されて何したんだっけ?
思い出せない…。ちょっと聞いてみよう。
「あの…生徒会長、僕ってここに呼び出されて何をしていたんでしたっけ?覚えてないんですけど…」
「え!?そうなの!えーとねぇ、あ!あのーすごく眠そうだったから寝ていたのよ!あと人違いだったから大丈夫よ!」
「あれ?そうだったんですか?」
「うん!うん」
生徒会長が凄い勢いで頭を上下に振っている。
何か違うような気がするけど生徒会長が言ってるからそうなんだ!
「では失礼します!」
〜〜
「あ!七美くん帰って来た!何を言われたの?」
教室に戻ると最初に島崎さんに話しかけられた。
「ああ、それなんだけどね、人違いだったらしいんだ」
「そうだったんだ……にしては帰ってくるの遅くない…?」
島崎さんの目がギラリとこちらを向いた。
「あ、あーそれなんだけどね、ちょっと疲れてたみたいで寝ちゃったらしいんだ」
「えーーー!!!寝ちゃったのぉ!!」
「ひぃっ!!」
島崎さんがものすごい大声を出したので僕は驚いた。
「ぐぅ……私も付いていけばぁ…!!」
島崎さんもそうだが、周りのみんなもすごく渋い表情をしていた…。
なんで……?
七美くん……ちょろいよ……。