決闘でないなにか
屋上:
「戦うって唐突過ぎない!?」
「手紙を読んでここに来たんだろ?」
「だったら突然なことじゃねぇだろ!」
そう言うと彼女は、跳躍し俺に突っ込んできた。
「おらおら!」
「速く逃げねぇと、死んじまうぞ!?」
俺は間一髪で避けた。
「人ってあんなに高く飛べるの!?」
「てか、逃げないとって言われても!?」
「鬼ごっこだよ!」
「ルールはわかんだろ?」
さらに彼女は連続で攻撃をしてくる。
俺はとっさに逃げ出した。
「鬼ごっこ開始だッ!」
俺は校舎内を走っていた。
校舎内は1人の走る音だけで生徒の声は
一つもしない。
「やけに静か過ぎる…」
「きっと彼女はルール通り逃げるゆうよを
くれてるんだろうけど…」
(たぶん結界です)
(異界者の被害が大きいと予想される場合使用
されるもので一般人には入ることができず
建物等も現世には影響のでない空間です)
「暴れたい放題ってわけね。」
(そういうことです)
「で、これからどうすればいい?」
(こういう場合相手を撹乱させやすい二階、三階
の階段付近がベストだと思います)
(もしくは隠れるかです)
(その場合隠れる付近は行き止まりじゃない所を
選んで下さい)
「わかった。」
「でも、やけに乗り気だな。」
(私言いましたよね?)
(腕試しができるって)
(それと鬼ごっこの類は大好きですから)
(予想外に戦闘狂な一面もあるんだな…)
そんなことを思っている内にしずなの言う通り
三階の階段横の教室に隠れた。
「ここなら逃げやすいし屋上階段から
反対側だ。」
「鬼ごっこって以上時間制限もあるだろうし
少しでもここで稼げたらもうけもんだな…」
30分後…
「まったく見つからないなぁ…」
(そうですね…)
(作戦が完璧すぎましたかね?)
「いや、誰でも考えそうなことだぞ?」
すると…
「しゅーりょー!」
大きな声が校舎内に響く。
見つかることなく鬼ごっこは終了してしまった。
再度屋上:
「おまえ達どこにいたんだ!?」
「いや、二年一組の教室にずっと隠れて
たんだけど…」
「なっ!」
「これは鬼ごっこだぞ!?」
「隠れるのは反則だ!」
「逃げ隠れするのが鬼ごっこだろ?」
「もういい!」
「話しのわからないやつめ!」
「宣言通り一体一のタイマン勝負だ!」
(そんなこと宣言してたっけ…?)
(気をつけ下さい)
(あの子頭はあれですが強いです)
「わかってる」
「いくぞ!」