表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我らが異界の者を退治します!  作者: 里野さくあ
7/12

手紙

学校玄関:

「おはようございます。」


「あっ、お、おはよう。」


「どうしたんですか?」

「ボーッとして?」


「い、いやなんでもない。」


「おはよ。」

「どうした?」

「二人で?」


「いえ、私はなんともありませんが

蓮太郎くんの動きが怪しくて…」


「いや、それはもともと」

「トイレでも我慢してんじゃない?」


「それだ!」


「それだってなにが?」


「俺にはトイレがあるからッ」

「それじゃッ!」


俺は二人から逃げるように走り去った。


「いや…トイレを用事があるからみたいな

使われ方しても…」


「本当その通りです…」



北校舎トイレ:

(ここならゆっくり読むことができるな…)


そう、今朝玄関で怪しい動きをしていたのは

これのせい。

下駄箱に、入っていたのだ…

“ラブレター”

今どきアナログだなと思ったが

俺の連絡先を知っている女子は、だれもいない。

仕方ないことだ。


(緊張するなぁ)

(やっぱ俺には春が来てたんだ)

(カナトには部活の勧誘だったて嘘ついたけど)

(これで胸を張って本当のことが言える)


そう思いながら、震える手で手紙を開く。


 突然のお手紙すみません。

ですが、私のこの気持を私自身押さえることが

できなかったので手紙という形をとらせていただきました。

私はあなたを昨日からずっと見ていました。

ずっとと言っても五時間目終了からですが。

そこから篠崎さんに呼ばれたのも

二人で話しているのも、

友だちと帰っているところも見てました。

そして異界者と戦い勝ったところも…

そのとき私は思ったんです。

“あいつと戦いたい”と。

なので、放課後屋上で待ってるから絶対来い!


まったく気にしてなかったが手紙の裏には

“果たし状”と、書かれていた。


(もう、何が何だかわからねぇや…)


放課後:

「どうしたんですか?」

「どこに行くんですか?」

「協会に登録しようと思ってたんですけど…」


「ごめん…」

「今から屋上に行くから…」


「屋上は立ち入り禁止なはずですよ?」


「だったら何で昨日俺をそこに呼びつけた!?」


「いや、知らなかったので…」

「それで何のために行くんですか?」


「ハァ~ぁ、決闘を申し込まれた…」


「誰からですかッ!?」


「知らない…」

「今朝下駄箱の中に果たし状が入ってた…」


「それをあなたはラブレターと勘違いし

私たちからそそくさと逃げた、と。」


「何でそれをッ?」


「カンですよ!」

「さて、屋上への階段につきましたが、

一つ言えることがあります。」

「それは、手紙の送り主も私たちと同じ

異界者を討伐する二人組ということです。」


「やっぱりそうだよなぁ…」


「いいチャンスじゃないですか。」

「私たちの腕試しができますよッ!」


「威勢が良いな…」


「とーぜん。」

「行きましょう。」


俺達は階段を上り屋上に誰がいるかを確認した。

そこには、赤毛で肩ほどの長さの髪をした

女の子が槍を持って立っていた。


「やっと来たか…」

「それじゃあ、さっさと…」

「戦おうぜッ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ