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我らが異界の者を退治します!  作者: 里野さくあ
5/12

黒の影

下校途中:

「あぁ…」

「川に入ったおかげで、

制服がびしょびしょだ…」

「明日までに渇くかなぁ~?」


「すみません…」

「私がもう少し早く力を出し切っていれば、

こんなことには…」


「…そんな、謝らなくていいよ。」

「あんまり気にしてないから…」


「あんまりですか…」


「全然気にしてませんッ!」


彼女を落ち込ませまいと、

背筋を伸ばし言った。


「はッ…」


彼女は少しうつむいていた顔を上げるが、

視線の先は俺ではなく、帰り道の方だった。


「どうしたの?」


「誰がこっちに向かって走ってきます…」


「それが?」


「いや、もし走ってくるのが、

知り合いだった場合二人でいることを、

説明しなくてはなりません。」

「なので、私は隠れます。」


(結構いい感じだったと思ったんだけど、

二人でいて誤解されるのは嫌なのね…)


彼女は一瞬の内にどこかえ隠れたらしい。

すでに、俺の前にはいなかった。

少しずつだが、走る足音が聞こえくる。


(まぁ、知り合いじゃないだろ…)


「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」


走ってきた男は橋の手前で止まり、

辺りを見渡している。

俺と目が合う。


「蓮太郎ッ!」


(知り合いだった…)


「無事だったか…」


「もちろん」


「いゃ、ごめん…」

「一人で逃げちゃて…」


「逃げろって言ったの俺だぜ?」

「気にすんなよ」


「いや、本当に悪かった。」


「謝るくらいなら肩貸してくれ…」


「あぁ、かまわないよ。」

「で、あいつどうなった?」


「あ、あいつね…」

「に、逃げたよ…」


「そ、そっかー…」


「なに?」

「もしかして、ビビってんの?」


「そーだよ…」

「ビビってんだよ!」


「見かけによらず恐がりなんだからぁッ。」


「もう、いい。」

「とっとっと帰るぞ。」

「帰ってトイレに行きたい。」


「緊張がとけたからか?」


「違う。」

「もともと、学校出るときから我慢してた。」


「あっ、そーですか…」


俺はカナトの肩を借りながら、

家に帰った…


……


(やはり知り合いでしたか…)

(隠れて正解でした…)


スッ


「あなた、なかなかやりますね…」

「初めてとはいえ、あいつを倒すなんて…」


突然背後に気配がする。


「だっ、誰ですか!?」


しずなは、声がする方へと振り返る。


「そして、彼…」


そこには、自身と同じくらいの年頃の女の子

白い肌に、腰まで達した黒い髪、

服装も全身黒を身にまとった子。


「なぜか、惹かれるものを感じます…」


「わ、私の話聞いてますか!?」

「それと、彼は私のマスターですッ!」


それを聞いた彼女は一瞬薄く冷たい微笑みを

浮かべたかと思うと瞬きするうちに、


「き…消えた…?」


辺りを見回したが物陰一つ動きは

しなかった。



自宅:

「ただいまぁ。」

「って、誰もいないよなぁ~」


俺は自室のある二階へと上がろうとした。


ピンポ~ン


「…はぁ~い」


気怠い声が家中に響く。


ガチャ


家の扉を開く。

そこには、同じ学校の制服を着た女の子がいた。


「すみません…」

「突然押しかけちゃって…」

「今時間ありますか?」


「あぁ、うん」

「全然大丈夫だよ。」


しずなを家に、そして俺の部屋へと入れた。


「それでは…」

「早速なんですが」

「これから、異界の者と今後について

お話していきます。」


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