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我らが異界の者を退治します!  作者: 里野さくあ
2/12

告白

放課後屋上:

彼女の告白は、直球ど真ん中ストレートで

俺の心にドストライクだった。


(こーいうのを待ってたんだよ!)

(一応パートナーについて質問しておくか)


「そ、そのぱ、パートナーってのは

君が…俺の彼女になる…ってこと?」


「違いますよ。」


俺の心にデッドボールだった。


「じゃ、じゃあさそのぱ、パートナーって

な、何かお、教えてほしいな…」


「わかりました。」

「話しますね。」


彼女は話し始めた。

内容をまとめると、この世界に異界の者が

入り込んで暮らしているらしく、

害を及ぼさなければいいのだが、

そうも行くはずない。

ここ最近起きている事件や事故

行方不明者はその者たちが原因らしい。


「そのため、私たちが異界の者を排除しなければならないということです。」

「理解できましたか?」


「あぁ、理解した。」


(理解はしたが、なんとなくっていうのと

パートナーについてともっと重要な説明を

してくれなかった)


「理解が早くて助かります。」

「それでは早速契約にっ」

「と、その前に質問…」


(質問…)


「はいはい、質問ある。」


「は、受け付けませんので。」


「何で!?」


「これ以上のことは、契約なしには

話せません。」


「契約せずに聞いたらどうなるの?」


「人間不信になります!」


「いや、だからどうして!?」


「これ以上は話せないと言ったはずです!」

「理解が早いと褒めたのは取り消しです!」


「わ、わかりました。」

「これ以上質問しません…」


「わかれば良いんです!」

「それでは、契約に戻るに連れ質問します。」


(こっちには質問権利無いのに…)


「あなたは、命をかける覚悟はありますか?」


息を呑む質問だった


「命を…かける」


(覚悟…現状だけの説明で覚悟なんて

できるはずがない)

(俺はどうすればいい?)


…静に時間が過ぎてゆく。


(覚悟が無いと言えばそれっきりだが…)

(契約すれば俺の疑問も詳しいこともわかる…)

(だけど俺に命をかけて戦う理由は無い)

(よしっ、断ろう)


考え込んでいた頭を上げた。

そこには、優柔不断な俺を

いやな顔一つせず待ってくれている

彼女がいた。

彼女は微笑んでくれた。


(ダメだぁ~あ断れない)

(彼女の微笑みは断るなオーラを放ってる)


…また静かな時が流れる。


(断れない以上契約するしかないが

でも、今すぐ覚悟するってのも無理な話)

(時間…時間が必要だ考えをまとめる時間

覚悟を決める時間が…)


「すみません。」


彼女の口が開いた。

反射的にまた下がっていた頭が

上がる。


「1日、1日時間をあげます。」

「それまでに、命をかけるかどうか、

契約するかどうかの覚悟を決めてください。」


なんと、彼女から時間をくれるという

申し出がでた。


(俺が時間が必要と思った直後に…)


「それでどうでしょうか?」


「あっ、あぁそれでお願いします。」


(どうしてだ?)

(彼女は読心術でも使えるのか?)

(それとも、たまたま偶然?)


「それでは、私はこれで。」

「また明日ここで同じ時間に。」


「うん、わかったそれまでには決めとくよ…」


「あっ、それとこれは契約をしてない人に

忠告なんですが。」

「不審な人には近づかないでくださいね。」


と、彼女は小学生の子供を心配する

親のようなことを言い残し、階段へと

向かっていった。


(俺も帰るか…)


カバンを肩にかけ階段へと目をやると、

彼女が階段を降りようとしていところに、

目があい少し微笑む。


「さっきの、“読心術”ではないですからね!」


それを言うと、彼女はそそくさと

階段を降りていった。

あまりの衝撃に、

俺の肩からカバンが落ちた。



玄関:

大半の生徒は、下校や部活をしているため、

人気の無い玄関。

そこで待つ男が一人。


(くっそ~、まさか屋上にいることが

教師にばれて怒られるとは…)

(まぁいいや、帰って考えがえなくっちゃな…)


「おっそ!」

「どれだけ待たせる気だよ!」


「あっ、カナトまだいたんだ。」

「先に帰ればよかったのに。」


「そーいうのが一番腹立つんだよ!」

「人待たせといてそれはないだろ!」


「ご、ごめんって。」


(やっぱり、今朝と立場が逆転してる)


「はぁ~、いいからとっとっと帰るぞ。」


「はいはい」



下校途中:

「へぇ~」

「そーなんだ。」


「うん、そーなんだよね。」


「確かに、おまえにその春は似合わねぇ。」


「やっぱり…」


「俺はてっきり誰かに告白されてんじゃないか

と思ったけど違ったか。」


「読みがはずれたな。」


(俺もそうだと思ったよ!)


「でさ、帰り際にその子が

“不審な人には近づくな”だってよ。」



「てっ、おい!」

「聞いてんのか!?」


隣にいたカナトに向くと、

隣ではなく斜め後ろで立ち止まっていた。


「どうした?」


「いや…その子が言った不審な人って

あんなのかなと思って…」


俺はカナトの指さす方を見た。

そこには、スーツを着た中年男性が

おぼつかない足取りでふらついている。

しかし、異常なのはそこではなく

足以外のふらつき方だった。


「左右にふらつくとよくわかるけど。」

「腕も、首も、腰もあり得ない方向に

骨がないみたいに曲がってる。」


(あ、あいつが!)

(あの子が言ってた化け物か!?)

(に、逃げなきゃ…)


一度全部消えて萎えました。

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