第四章(23)
今回も、お立ち寄り頂きまして、ありがとうございます。
私事なのですが、引っ越ししました、お陰で、投稿するのに少し間が開いてしまった事を、お詫びします。
ソフィアさんが、スカーレットさんに丸1日説教をくらった日は、何事も無くのんびりと休養に充てる事が出来た。
明けて翌日、いよいよ合同競技会が開催される。
この日の朝は、世界樹の森の女性陣が大量の食事を用意していた。
中でもハク姉ちゃんは、フライヤーの前で大量の唐揚げを揚げていた。
何気に、武闘祭の時の事を思い出し、また皆で観戦に来るのかな?と思いながら、競技会の会場へと向かった。
従来、競技会の会場は、各校の持ち回りで行われていたのだが、今回は、近隣諸国の情勢が不安定で、戦争が起こりうる様な事態に、国境兵や貴族達が、スカウト目的で観戦に来る為、競技場を使う事になった。
武闘祭以来、久し振りに来た競技場は、競技会の為の設備が準備されていた。
選手控室に行くと、既に半分程の選手が集まっていた。
結構早く来たつもりなのに、僕より早い生徒が居るとは思わなかった。
時間と共に生徒が集まり、やる事は、全てやったので、悔いの残らない様に頑張ろうと、皆で話し合った。
観客も入り出したらしく、外がざわついてきたので、少し様子を見るために、会場に出てみると、貴族席では、アナスタシアさん達が、唐揚げの売り子をしていた。
朝から用意していた大量の料理は、この為だったみたいだ。
一般席にも人が溢れているところを見ると、一般公開もしたらしい。
やがて開会式の時間になり、全選手が整列し、各校の校長先生の挨拶に続き、昨年の優勝校の、騎士養成校の代表の選手宣誓、マークさんの競技会開始の宣誓が終わり、競技会が始まった。
最初の競技は、剣術の試し割りで、各校3人の選手で行われる。
競技の方法は、厚さ1センチ程の木の板を固定せずに3センチ間隔で並べたモノを横薙ぎに切り付けて何枚切れるかを競うのだが、予め枚数を指定して行うのだが、指定した枚数に足りない場合切った枚数からマイナスされる為に、確実に切る事が出来る枚数を把握して臨まなければならない。
この競技、僕達の学校は、僕とマリーとリリーの3人で臨む事にした。
順番は、昨年の順位の通りで、各校の先鋒そして、副将、大将の順に競技を行う。
先ず、昨年の優勝校の騎士養成校の先鋒が、クレイモア程ではないが、大剣を持って30枚と宣言した。
多分、彼は、剣の質量にモノを言わせて枚数を稼ぐつもりなのだろうけど、余程の剣速がなければ、固定されてない板を30枚は無理だと思う。
結果はやはり21枚しか割れず、12ポイントしか入らなかった。
次は、付属校の先鋒が、両手剣で、20枚と宣言し全て割り20ポイント獲得した。魔法士養成校は、片手剣で15枚をクリアして15ポイント騎士養成校の失敗を見たせいか、手堅くポイントを稼ぎにきている。
リリーに何枚にするか尋ねられたので、他校のポイントと照らし合わせて15~20枚で良いと思うけど、無理して失敗するより、確実な枚数でいけばいいよとアドバイスすると、
「じゃあ、3枚失敗して19ポイントかな!」
そう言いながら、25枚と宣言して、ミスリルの刀を使い見事な居合いを決めて24枚を綺麗に切った。
失敗失敗と笑いながら戻って来たリリーに、本気で3枚失敗するつもりだったのか尋ねると、
「どうせ、どんなに負けていても、最後はエドワードが、ひっくり返すの分かってるから、僅差の2位にしたかったの。」
成る程、でもリリーが、24枚なら、マリーが対抗意識を燃やしそうな気がする、まぁそれならそれで、僕の負担が減るから良いか、と思った。
競技は、2順目になり騎士養成校は、片手剣で30枚をクリアして、合計42ポイントになった。
どうやらリリーの居合いを見て、剣速重視の方が有効な事に気付いたのかも知れない。
続く付属校も片手剣で、25枚クリアで合計45ポイント、次の魔法士養成校は、刀を使い30枚クリアした。
魔法養成校も騎士養成校も、魔法騎士の育成に力を入れているらしいが、魔法士養成校にも、なかなかの剣の使い手がいる事が判った。
そして、マリーの番になると、
「妾も、一枚失敗してくるぞ!」
25枚に挑戦して、宣言通りの1枚失敗の24枚で44ポイント、現在トップは、45ポイントで2校が並び1ポイント差で追いかける形になった。
そして、大将戦で、騎士養成校の大将は、両手剣で45枚をクリアし合計82ポイントになった。
一気に点差が開き、付属校は、40枚にチャレンジして36枚を割り32ポイント獲得で合計77ポイントの暫定2位となった。
続く魔法士養成校は38枚に挑戦するのだが、クリア出来れば1ポイント差で1位になれるが失敗しても枚数いかんで、2位の目も有ると微妙にセコさを感じさせる枚数を選んできた。
結果は、クリアして83ポイントで今のところ1位なのだか、ダメ元で40枚にチャレンジした付属校の大将に男気を感じたのは、僕だけではないと思う。
最後に僕の順番なのだが、マリーとリリーに、
「スカッと切りの良いポイントにしてくるよ!」
と言って、56枚を宣言すると、会場がざわめいたが気にせずにサクッとクリアして100ポイントでこの競技は1位で終了した。
今回も、最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。
引っ越しの後、新しい家での荷解きがまだ終わっていませんが、次はなるべく早くアップ出来る様に頑張ります。




