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第四章(21)

 今回も、お立ち寄り頂きまして、ありがとうございます。

 前回に引き続き、短いはなしですが、今回で合宿の話しは終了です。


 朝、目覚めると、シックなメイド服に身を包んだソフィアさんが、僕の部屋を覗き、


「おや?起きてましたか?丁度、起こしに来たのですが、要らぬ心配だった様ですね。」


 そう言って部屋を後にした。

 今日は、合宿最終日、最終選抜試験を行うと言って、選手達と合宿に参加した生徒達のモチベーションを上げておく事で、更なる上達を期待していたのだか、それとは全く関係ない所で、メキメキと実力を上げていった者がいた。

 ソフィアさんである。

 山賊砦で保護してから、あまり人目に付かない様に?ツリーハウスに引き籠り、やる気無しの無気力生活をしていたのに、最初は、嫌々ながら手伝い、姉のスカーレットさんに制裁を加えられる事もあったのだが、日に日に動きも良くなり、1週間もすれば、姉のスカーレットさんからの指示も受けずに、そつなく仕事をこなしていたのには、世界樹の森で暮らす皆が驚きを隠せない程になっていた。

 これは、学習なのか?進化なのか?色々、意見が分かれたのだが、当の本人に聞いてみると、ただ単に、引き籠りに飽きてきて、そろそろ何かしなければと思った矢先に、僕が手伝いを頼んだのが、良い引き金になったらしいが、最初は、姉のスカーレットさんと同じ仕事をするのに、少し抵抗があったが、一度、制裁を加えられて、姉を越えてやろうと思ったらしい。

 それからのソフィアさんは、日に日に仕事を覚えて今では、姉のスカーレットさんと変わらない程の働きぶりである。

 スカーレットさんが、ゴールディさんとヘレンさんの専属メイド的なポジションなので、ソフィアさんは、僕とハク姉ちゃんの専属メイドになると言い出した。

 それに対してハク姉ちゃんは、


「私は、たまに手伝ってもらう位でいいから、エドワード専属になさい。」


 と僕専属にしてしまった。

 これが原因で後に、少し困った事が起こるのだが、それはまた後程。



 話が、ソフィアさんの方に反れてしまったが、代表選考会に戻すと、剣術代表に希望参加枠の中からシャルロットさんが食い込んできた。

 剣での参加が多い中、数少ないレイピアの選手で唯一代表に選ばれた。

 代わりに3年生の男子が枠から外れ補欠になり、少し悔しそうにしていた。


 そして魔法競技の方は、全種目代表を脅かす者は現れなかったのだが、種目別の方は、3人程の入れ替わりがあったのだが、2年生の代表が3年生と入れ替わった。

 選ばれた代表選手は、学園生活最後の競技会に出られるとあって、かなり嬉しそうにしていた。

 代表から漏れた2年生は、来年こそ代表になると、決意を新たに頑張ると言っていたので、これからを大いに期待したい。

 全ての代表が決定した後、マークさんに呼ばれて、話しをしたのだが、急遽、剣術競技に個人戦が組み込まれる事になったと言うのだが、トーナメントにするか、総当たり戦するかこれから決を取るらしい。

 トーナメントなら各校8人選出、総当たり戦なら3~5人選出で行うと言う。

 競技会直前での、いきなりの競技追加なんて出来る人と言えば、前国王のマークさん位しか思い浮かばない。

 またいつもの悪い病気がでたのだろうと思い、


「マークさん、団体戦で取りこぼしても、個人戦なら、僕で星の取れると思いましたか?」


「流石エドワード、儂の考えが良く解ったな!」


「このタイミングでの、競技追加が出来る人ってマークさんしかいませんからね。」


「実のところ前々から、個人戦の案は出ておったのじゃが、日程の事も有り、棚上げされておったのじゃが、最近、西の隣国ヘルメシアと南の隣国アイゼンの情勢が怪しくなって、戦争が起こる可能性が高くなってきたので、隣接する領地の貴族達が、私兵を増やしたいと言い出して、個人戦を見せて欲しいと親書が数多く届いたので、これを無視する訳にはいかず、選手達には負担を掛けてしまうが、これも国の為と我慢して欲しいのじゃ。」


「分かりました、選手の選出は、任せてください。そう言う事なら、3年生を中心に選出すれば、卒業後の就職先が決まって良いのではないですか?」


「それは、そうなのじゃが、確実に星を取りたいので、エドワード、お主も出てくれんか?」


「トーナメントならば、僕の枠も有ると思いますが、総当たりで3人なら、3年の先輩で固めますね。」


「解った、総当たりなら、5人で行う様にするか、トーナメントで行う様に取り計らう様にしよう。」


 こうして、新たに個人戦が組み込まれる事になったのたが、就職と言う言葉が出たせいで、今回は急遽、代表に選ばれた全ての3年生によるトーナメントと、各校の代表3人による総当たり戦の2種目が増える結果になってしまった。


 そして来年度からは、3年生の代表選手のみの個人戦と1~2年生代表の個人戦の2つの競技が、正式に組まれる事になった。

 これにより、近衛兵、騎士、有力貴族の私兵等の登用の幅が広がる事に成るだろうと、マークさんは、言っていた。


 今回も、最後までのお付き合い、ありがとうございます。

 さて次回の話しですが、少し世界樹の森の話し(宴会)から、合同競技会の話しへとなります。

 それでは、次回のお立ち寄りを、お待ちしております。

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