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第四章(13)

 今回も、お立ち寄り頂きまして、ありがとうございます。

 今回は、アレイシアさんの家の完成と、新しい住人が1人増える話しです。


 アレイシアさんが世界樹の森に来てから、1ヶ月近くが過ぎ、建設中の家も外観は、ほぼ仕上がり細部の飾りと塗装を残し、内部の作業を行っているのだが、一部の部屋で畳と言う床材を使いたいと言い出し、大工達を困らせた。

 麦や米の藁を束ねてマット状にした物に藺草をカーペットの様に編み上げた物を張り付けた物らしいのだが、生憎この国には、そんな物が無い。

 麦藁ば有るが、米は、この国では、生産されていないし、藺草と言う物は、ハク姉ちゃん以外の者は、聞いた事すらなかった。

 他の部屋と同じ様に板張りでは、いけないのかと言うと、畳でなければ駄目だと譲らない。

 仕方無くハク姉ちゃんが、生まれ故郷の東方の島国に転移して、畳を注文する事になった。


 行き先を聞いて、マリーが、お婆ちゃんに会いたいと言い出し、それならと、アレイシアさんも同行すると言うので、僕も連れて行かれる事になった。


 僕の場合は、空間魔法で転移出来る様になったので、少しでも多くの場所に行き、転移出来る場所を増やす事と、ハク姉ちゃんと別行動をとり、マリーに同行して、目的が済み次第マリーを世界樹の森へと送り届ける為に同行させられた。


 ハク姉ちゃんの転移でまず、IZUMOと言う場所に転移すると、ハク姉ちゃんとアレイシアさんのお父さんが祀られていると言う、大きな木造の神殿に赴き、礼拝を済ませ、次にISEと言う場所に転移した。

 こちらの神殿には、ハク姉ちゃん達のお母さんが、祀られているとのことで、ここも参拝する事になった。

 錦の都と言う街に転移して、畳屋を探し、部屋の寸法を告げ、畳を作って貰う事になった。

 その後、僕とマリーは、ハク姉ちゃんの転移魔法で、錦の都から、少し南の伏水と言う、霊山の有る場所に連れて来られた。


「お姉さん(アレイシア)の話しによると、この霊山の頂きの神殿に行けば、マリーのお婆ちゃんが居るか、若しくは所在が判るだろう。」


「妾もこの場所は、幼い頃に、祖母と来た覚えがある!」


 マリーは、遠い目をして、懐かしそうに言うと、ハク姉ちゃんは、


「私は、これから、お姉さんと合流して、用事を済ませすが、畳は完成迄に10日程掛かるので、10日後に、エドワードが、引き取りに来て下さいね。」


 どうやら、僕を連れて来た本当の理由はマリーではなく、こちらがメインだったようだ。

 どうも最近、色んな人に、良いように使われている気がする。


 気を取り直して、マリーと参門をくぐると、参拝者の為の、お茶屋があり、軽い食事が出来る様なので、マリーと軽く食事を済ませてから、山の頂きを目指す事にして、席に着き、注文を済ませ出されたお茶を飲んでいると。


「女将、串団子を10本じゃ!」


 マリーと瓜二つの女性が、勢い良く、お茶屋に飛び込んで来た。


 白い半袖のシャツに紺色のブルマーを着たその女性を見るなり、マリーが、お茶を吹き出して、


「お婆ちゃん!」


 マリーの叫びに、その女性が振り返り、


「おぉ!由良か、久しいのう。」


「由良は、妾の母上じゃ!今、お婆ちゃんと呼んだの聞こえなかったのか?」


「由良の娘と言う事は、加茂乃玉か?」


「その名は、既にない、妾は、今マリー·ゴールドと名乗り、マリーと呼ばれておる。」


「そうか、尻尾が10本あるから、由良と間違えてしもうたわ!」


「えっ?10本?」


「何じゃ、数えておらなんだのか?」


「最近、ずっと人の姿をしていたので、気に止めなかった!」


「尻尾が二桁に成ったのなら、嘸や良い土地と繋がっておるのであろう!」


「いや、妾は、土地から、離れた身じゃ。」


「由良には、お主が、大陸の西で土地と繋がったと聞いておったのじゃが。」


「長い間寝ておったら、繋がっていた土地がダンジョンに喰われて、力を失ったのじゃ、その後、回復する為に、世界樹の森にたどり着いて、このエドワードに名前をもらい、一緒に修行して、力を付けたのじゃ。」


「成る程のう、しかし、土地の繋がりを断って二桁の尻尾に育つとは、我が孫ながら、恐れ入った、嘸や厳しい修行に耐えてきたのであろう!」


「それ程でもなかった、師匠が良かったから。」


「ほう、それ程の傑物が大陸に居ったのか?」


「心技体、共に申し分無い御仁じゃ、このエドワードの未来の細君じゃ。

 そして、妾も、エドワードに娶って貰う予定じゃ!」


「何と、お主、番となる伴侶を見せびらかしに来たと申すのか?」


「今回は、買い物のついでじゃ、師匠の姉のアレイシア殿が、畳を所望して、この国に注文しに来ると言うので、お婆ちゃんに会う為に付いてきたのじゃ。」


「お主、アレイシアとは、天地間之姫(あつまのひめ)の事か?」


「そうです、ハク姉ちゃんが、そう呼んでいました。」


「妾も、その名前を聞いた。」


「ハク姉ちゃんとは、伯(博)帝聖(はくたいせい)様の事か?」


「そうだけど、葛之葉様、ハク姉ちゃんの事知っているのですか?」


「よう知っておるぞ、伯帝聖様は、私の封印を解いて下さった。」


「ん?お婆ちゃん、自力で封印を解いたって母上に聞いたけど?」


「半分は、伯帝聖様のお陰じゃ!

 私が殺生石に封印されていた時、伯帝聖様が殺生石を手に取り教えてくれたのじゃ、正しき心を育み人の幸せを願うなら、いずれ封印も解けるであろうと、それから心を入れ替えて封印を解く事が、出来たのじゃ!

 封印を解いた後、この地で暴れ回っていた私は、しばらく、この国を離れ、私に怯える者が居なくなる迄、世界を巡り、伯帝聖様を探し求めたのじゃが、かの御仁は、天界に行かれ会う事は叶わなかったのじゃが、伯帝聖様の姉の天地間之姫と出会い、しばらく、一緒に暮らした後に、この地に戻り、土地と繋がり、土地神と成ったのじゃ。」


「そうだったのですか!じゃあ葛之葉様は、ハク姉ちゃんとアレイシアさんの事を知っているんですね。」


「エドワードじゃったな!お主の言うアレイシアとは、面識もあるが、伯帝聖様は、私の封印された殺生石しか見ていないから、面識が在るとは言えないかも知れぬが、私は、伯帝聖様に会って、感謝の言葉を述べたい。」


「じゃあ、会いに行きますか?」


「会わせてくれるのか?」


「もちろん!」


「しかし、私はこの地に繋がっているから、そうじゃ加茂乃玉よ、今は、マリーじゃったかな?

 お主、私の代わりにこの地と繋がらんか?」


「何で妾が、もう一度、土地と繋がらねばならんのじゃ?今、妾はエドワードと共にある。」


「仕方がないのう、少し待っておれ。」


 少しすると、又もや、マリーとそっくりな女性が現れ、


「母上、急用とは、何事じゃ?」


「宇治乃露よ、これは、お主の姉、由良の娘、加茂乃玉と、その伴侶のエドワードじゃ、この2人と、昔の恩人に会いに行くので、しばらく、留守を預けたいのじゃ。」


「では、しばらく、私にこの地と繋がれと?」


「そう言う事じゃ、頼めるか?」


「分かりました、由良姉さんが戻って来たら、姉さんと交代でも宜しいのでしょうか?」


「それは、お主達で、好きにすれば良い、一族の者の誰かが、この地に繋がっておれば、文句は言わん。」


「ところで、お婆ちゃん、母上は、何処にいるのですか?」


「由良は、今、流れ巫女をしておって、この国の何処かを旅しておる、何年かに一度戻って来るが、顔を見せると、行き先も言わずにすぐに旅立つで、何処に居るのか、さっぱり判らんのじゃ。」


 そして、宇治乃露と言う、マリーの叔母さんにあたる人?が、葛之葉様の代わりに土地と繋がったので、僕達は、錦の都へと転移したのだが、ハク姉ちゃん達は、既に世界樹の森へと帰った後だった、僕達も、世界樹の森へと転移を行った。


 葛之葉様を連れて集会所へ行くと、リリーがマリーが、二人になったと驚いていたので、間違えるといけないので、お互いに尻尾を出して貰った。

 確かにマリーの尻尾が10本になっていたが、葛之葉様は、20本あった。

 集会所に、ハク姉ちゃんが、居なかったので、何処に居るのか尋ねると、レストランの方に客が増えたから、手伝いに行ったらしい。


 取り敢えず、ハク姉ちゃんが、居ないので、面識が有ると言う、アレイシアさんを探していると、建設中の家の前に居たので、葛之葉様と引き合わせた。

 2人は、旧交を深め合う様に手を繋ぎ、建設中の家を案内すると、家の中に入って行った。

 この場に僕は、必要無さそうなので、集会所に戻り、10本に増えたマリーの尻尾をモフモフしていると、ヘレンさんの娘のオリヴィアが隣に来て、一緒にモフりだした。

 しばらく2人で、モフモフしていると、褐色の2人グレイシアとセルリアが、レストランの手伝いを終えて戻って来るなり、マリーの尻尾に顔を埋めて、素晴らしい肌触りだと、うっとりしていたのだが、当のマリーは、むず痒そうな顔をしていた。


 この日は、レストランの方が忙しく、集会所に、食事当番が戻れなかったので、閉店後のレストランでの夕食となった。

 アレイシアさん達に声を掛けて、レストランに行くと、ハク姉ちゃんを見付けた葛之葉様は、ハク姉ちゃんに駆け寄り、過去の経緯を話し、何度も何度も頭を下げて御礼と感謝の意を示していた。

 ハク姉ちゃんは、少し困った様に笑いながら、そこまで感謝されては、こちらが困るので、これからは、友人として、仲良くしましょうと言ったところ、更に感謝されて、本格的に困っていた。



 そして、翌日の学校では、いよいよ僕の体術の実習が始まるのだが、ルイさんに教えて貰った、歩き方から教える事にした。

 ほぼ、全ての生徒から、つまらない授業だったと文句を言われたが、重心を意識して行動する事の意味を教え、体術だけでなく、剣術も上達するから文句を言うなと言って納得させたのだが、何故か、僕を師匠と呼ぶ上級生が一番物分かりが良かったのには、驚いたのだが、上級生は、上級生なりに、僕の過去の実習授業でそれなりの成果を感じていたらしく、僕の指導を素直に聞き入れてくれたらしい。

 上級生の中には、普段の生活でも、重心と正中線に気を配り行動する者も現れ、早くも成果が現れ始めた生徒も出始めたのには、頭の下がる思いだった。

 葛之葉様が世界樹の森に滞在して丁度、10日経ったので、錦の都へと畳を引き取りに行くので、葛之葉様は、帰るのかと尋ねると、連れて行って欲しいとのことで、2人で先ず、伏水へ行くと、宇治乃露さんを呼び出して、滞在期間を延ばすので、此方の方は、しばらく委せると言って身の回り物や必要な物を用意して、再び世界樹の森に戻ると付いて来た。

 再び2人で、転移して、錦の都の畳屋に行くと、大量の畳が、用意されていて、畳の厚み等が僕の想像を軽く越えた物だった。

 僕が想像していたのは、絨毯的な物だったのだが、どう見ても分厚く重い板の様だった。

 空間魔法で収納して、お金を払おうとしたら、葛之葉様が、畳屋の主人に声を掛けて、大幅に値引きをさせた。

 どうやら葛之葉様は、本当にこの国で崇められている様で、少し恐縮していたら、


「エドワードよ、いつまで私を様付けで呼ぶのじゃ、私にもマリーの様に、呼びやすい名前を付けてくれないか?」


「少し恐れ多いので、皆と相談しても良いですか?」


「エドワードに任す故、色好い答えを待っておるそ。」


 こうして、また名付けを頼まれたのだが、僕に名前を付けるセンスは無いので、帰ってハク姉ちゃんとアレイシアさんの知恵を借りようと思う。


 世界樹の森に戻ると、アレイシアさんに手を引かれ、アレイシアさんの家に連れて行かれた。

 既に家は、完成していて、後は、畳をひくだけだった。

 収納から畳を出して、アレイシアさんハク姉ちゃん葛之葉さん(様は、駄目らしいのでさん付けにした。)マリーとリリーにシェーラ姉ちゃんとで、畳をひき終え、アレイシアさんの家が完成した。

 ひき終えたばかりの畳は、不思議と落ち着く薫りで、妙に心地良かった。

 アレイシアさんが畳に拘った理由が、今なら良く判る。

 そして、この家の建築様式は、ハク姉ちゃん達の故郷で見た神殿の造りによく似ていて、その雰囲気と畳の薫りが、良くマッチしている。


 完成したアレイシアさんの家を、案内してもらっていると、ある部屋で、葛之葉さんが荷物を整理しながら、


「姫よ、私の為にこの部屋を与えてくれた事を感謝する。」


 と御礼を言っていた、アレイシアさん葛之葉さんを連れて来た時に、また一緒に暮らそうと持ち掛けていた様で、葛之葉さんも世界樹の森が気に入って、ここで暮らす事を承知したらしい。


 こうして、マリーのお婆ちゃんの葛之葉さんが、世界樹の森の一員になった。

 その事をシェーラ姉ちゃんに伝えると、ロリ婆ぁが、また増えたと言っていた。

 今回も最後迄、読んで頂きまして、ありがとうございます。

 ロリ婆ぁ増やしました(笑)

 さて次回の話しですが、宴会から始まります。


 それでは、またのお立ち寄りをお待ちしておりますね。


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