第四章(9)
今回も、お立ち寄り頂きまして、ありがとうございます。
上級生の授業をしてから、暫くたったのだが、学校で、上級生と出会う度に、師匠!師匠!と呼ばれるので、いつの間にか同級生にまで師匠と呼ばれる様になり、そう呼ばれる度に、赤くなっている僕の事が何故か女生徒に受けていた。
そんなある日、魔法実習の授業を受けていると、シャルロットさんが、
「エドワード様は、初めて魔法実習の授業の時に、凄い魔法を発動させていましたよね。」
「よく、覚えているね、あの後、先生に説教されました(笑)」
「私、色んな属性の魔法が使えるのですが、魔力量が少なくて、大きめの魔法を発動すると、魔力切れを起こしてしまうのです。
どうすれば魔力量を増やす事が出来るのでしょうか?」
「それって、学校では、教えてくれないの?」
「はい!魔力量に関しては先天的なモノだと教えて頂きましたので……」
「じゃあ、毎日、寝る前に魔法を使いまくって、魔力切れを起こしてから、更に魔法を使うイメージを頭の中に描いて瞑想してから眠るといいですよ。」
「毎日続けていると、少しずつ魔力量が、増えていくから、騙されたと思ってやってみて。」
「本当にそんな事で増えるのでしょうか?」
「僕は、5歳の頃から、常に魔道具で魔力を空にしていたから、今の魔力量は、10万位あるよ。」
「へっ?」
「ん?何かおかしい?」
「10万って!先生!今直ぐにエドワード様の魔力量を調べて下さい!」
「えっ?何で?」
「エドワード様は、軽く10万と仰いましたが、この国最強と言われる宮廷魔導師ですら、5~7万位ですよ。
いくら、高位魔法が使えるからと、10万などと冗談ではありませんわ!」
「そう言えば、エドワード達、編入組は、魔力量を測ってなかったな。」
シャルロットさんの言葉に先生が、前向きに反応し、魔力測定器を持って来た。
「じゃあ、編入組の4人、順番に測ってみようか!」
まず、リリアの魔力量は、6800だった、次にマリーが測り14万の数値に先生も生徒も、声を失くした。
そして、リリーが測定器の上限一杯の20万で、先生は、鼻水を垂らし、僕が測ると、上限を振り切り、測定器が壊れてしまった。
「また、魔力量が、増えてたみたいだね。」
マリーとリリーに話し掛けると、シャルロットさんが、
「貴方達どうかしてるわ!
大魔導師なの?」
「あり得ない!」
先生が何故かパニックを起こしている。
先生、何処かへ走り去って行った。
「でも、僕は王城の測定器で♾️の数値を出した人を2人知ってるよ。」
「その2人って神様か何かなの?」
あっ!そうか、ゴールディさんもハク姉ちゃんも神様だった。
思い出して、ヤバいと思ったけど、既に口に出してしまったので、引っ込める訳にもいかず、どうしようと思っていると、先生が、理事長室からマークさんを連れて来た。
そこで、マークさんが、
「エドワード君は、幼い頃に精霊の祝福を受け、ハイエルフや龍属に魔法を教えて貰ったので、常人とは桁違いの魔力量を持っている。」
なんて、かなり苦しい言い訳をしてくれたお陰で、それ以上の追及を受けなかったが、先生の僕を見る目に、怯えた光が感じられた。
その後、マークさんに現在どんな魔法が使えるのか尋ねられたので、地、水、風、火、聖、闇、時空、無属性、それから最近、雷属性が使える様に成りました。
正直に話すと、マークさんは、
「分かっていた事だが、ここまでデタラメだとは!」
そう言って頭を抱えて悩んでる風を装いながら、口角が僅かに上がり、少し嬉しそうだった。
去り際に、エドワード君、この授業が終わったら、儂の所に来てくれ、と言い残して。
言われた通りに授業の後、理事長室へ行きマークさんの所へ行くと、魔導師ギルドに連れて行かれ、魔力量や、使用可能属性等、色々調べられた結果、大魔導師の称号を与えられた。
魔導師ギルドからの帰りにマークさんが、これで魔法の授業も、お主に任せる事が出来るのぅ!と言われ、
「またですか?僕は、確か生徒のはずですが!」
「イヤイヤ、許可は、取って有る、魔法を教える教師が質も悪く、数も少なくて困っていたのじゃ!」
そう言いながら、頼んだぞとばかりに、肩を叩かれた。
どうも学校に通い出してから、いい様に使われ過ぎているとしか思えないので、帰ってハク姉ちゃんに愚痴を溢すも、
「人に教えるのも修行のうち。」
剣術の時時同じ様な事を言われ、なし崩しに魔法の授業まで受け持つ事になった。
しかし考えてみると、最近、特に武闘祭の少し前から、剣術の練習ばかりになって、魔法の修行が疎かになっていたので、少し本腰を入れて復習をするために、魔導書を読むことにした。
実際のところ、地、水、風、火の基本的な4属性に関しては、最上位の魔法まで使う事が出来るのだが、その他の魔法に付いては、雷属性が上位魔法を覚えたぐらいで、他は、低位の魔法しか知らなかったりする。
講師をするならば、使える属性の魔法にもっと精通しなければ、ならないと思い、ハク姉ちゃんに更なる教えを乞う事にした。
今回も、最後迄、お付き合い頂きまして、ありがとうございます。
今回の話し少し加筆しました。