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第四章(6)

 今回もお立ち寄り頂きまして、ありがとうございます。

 年末に引いた風邪が、まだ良くなりません。


 それでは、最後まで読んでいただければ幸いです。


 翌日の朝、スカーレットちゃんと僕達は、いつもよりも、早目に登校して、他の生徒の登校を、待っていた。

 セリーヌ姉さんには、先に登校する事を、アレックス父さんを通じて伝えて貰っていたので、家から直接、登校して来ると思う。

 意外にも、僕達の次に登校して来たのがセリーヌ姉さんだったのには、驚いてしまったが、それはそれで面白いかも知れない。

 セリーヌ姉さんが登校して来てからは、続々と生徒が登校して来たが、全員、僕達や、スカーレットちゃんセリーヌ姉さんに朝の挨拶をしてくれた、いつもなら、無言で頭を下げる程度の挨拶しかしない生徒達が、進んで声を掛けてくる姿にセリーヌ姉さんは、少し面食らっている様だ。

 そんなセリーヌ姉さんの姿にスカーレットちゃんは、楽しそうに、クスクスと笑っている。

 男子生徒の中には、スカーレットちゃんとセリーヌ姉さんそしてマリーとリリーを様付けで呼ぶ生徒までいたのには、少し驚いた。

 シャルロットさんに至っては、僕にまで様付けで挨拶してきたので、セリーヌ姉さんに


「貴方、一体なにをしたのかしら?」


 と詰め寄られたが、スカーレットちゃんか、説明してくれたお陰で、僕は、セリーヌ姉さんの責めを逃れる事が出来た。



 それから後は、スカーレットちゃんも、世界樹の森で見せる天真爛漫な姿が見られる様になり、より一層クラスメイトとの距離が縮まった、セリーヌ姉さんも、スカーレットちゃんに引っ張られる様にクラスの中に溶け込んでいったので、マークさんに、事の顛末を話しに行くと、マークさんは大喜びだった。


「エドワードよ、マリウスに聞いたのだが、剣術の授業で、女子に教え方が上手いと好評だったそうじゃないか!」


「あぁ、一度マリウスさんが実習の時にやらさされました。」


「そうじゃろう、なかなか評判が良かったので、来月から、正式に剣術の講師として採用しようと思うのだがどうじゃろうか?」


「いやいや、僕は、一応、ここの学生なんですけど、それに、ギルドからの指名依頼も有るかも知れないので、出来ないですよ。」


「心配は、いらんギルドには、もう了解済みじゃ!

 それに、今やお主は、この国一番の剣士たから、その力を学園の為に使って欲しいのじゃ!」


「この国一番って、まだハク姉ちゃんの足元にも及ばないのに、買い被り過ぎです。

 それに、上級生は、僕なんかの言う事を聞いてくれないかも知れないし。」


「その辺りは、心配せんでもいいぞ、1人年長者を付けるから、授業の流れは、そっちに任せて、技の指導と練習の指導に力を入れてくれれば良いのじゃ。」


「そんな、僕、教員免許とか持ってないですよ。」


「大丈夫じゃ、ギルドでS級になれば、教員免許等無くても、講師の資格があるのじゃよ。」


「分かりました、でも、僕自身の勉強は、どうするのですか?」


「それは、ちゃんと考えておるから心配せんでも良いだろう。」


「そんな無茶な!」


 色々話してみたけど、結局は、マークさんに、押し切られて剣術の講師をする事になった。

 家に帰ると、既にハク姉ちゃんや、ゴールディさん達は、その話しを知っていたのには、さすがに、マークさんに、謀られたと気が付いた。

 ハク姉ちゃんが教えてくれたのだが、僕が学校に行ってみたいと、マークさんに、伝えてすぐに、マークさんは、ハク姉ちゃんに打診していたらしい。


 ハク姉ちゃんが言うには、人に教える事で、登れる高みもあるし、また人に教える事でしか気付く事が出来ない事もあるので頑張りなさいと言われ、不本意ながら納得させられた。


 しかし、こんな事になるなら、学校に行くなんて、考えなければ良かったと思ったけど、全ては後の祭りだった。

 でも考え様によっては、クラスの中で孤立していたスカーレットちゃんとセリーヌ姉さんをクラスの輪な中に入れる事が出来たのも、学校に通う事が出来たからなのだから、悪い事ばかりでは無いのかもしれない。


 その3日後、朝から別室に呼ばれ僕1人で試験を受けさせられた。

 かなり、難易度の高い試験だったが、どうにか、問題は解けたと思う。

 翌日、マークさんに呼ばれ理事長室にいくと、


「おめでとう、無事に合格出来たみたいだ。」


「合格って、この前の試験は、もしかして、」


「そうじゃ、ご察っしの通り、卒業検定試験じゃ!」


「何かハメられた気がしますね。」


「すまんな、お主が、武闘祭の剣術部門で見事に優勝した時から、剣術の講師にと思っておったのじゃ。

 しかし、卒業検定試験を一発で合格するとは思わなかったぞ!

 これで、お主は、卒業の年まで授業を受ける必要が無くなったのぅ。」


「?えっと、卒業検定試験に合格すれば、卒業じゃないんですか?」


「いや、学生として在籍したまま、教員ではなく講師に成ってもらう。

 学校対抗の行事が有るのでな、エドワードが学生の方が何かと都合がいいのじゃ。」


「何か僕、いいようにこき使われてませんか?」


「心配せんでも、その分報酬は、出すぞ、まず講師の件じゃが、一応、ギルドへの指名依頼にしておるでな、よほどの事が無い限り、お主への指名依頼は来んから安心せい、それから、講師の仕事1限当たりで報酬も出すので、ギルドからと学校の両方から報酬が出るから、小遣いには困らんぞ!」


 そんな感じで僕は体育教官室にも席が出来てしまった。

 本当に僕は、これからどうなるのだろうか?


 今回も最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。

 第四章は、短くなると、宣伝していましたが、三章ぼどではないですが、少しだけ引っ張ります。

 元の予定では、次回で四章が終わるはずだったのですが、あまりにも短いのでは?と判断しましたので、もう暫く四章にお付き合いして下さいね。

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