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第四章(5)

 皆様、新年早々の、お立ち寄り、ありがとうございます。

 私、チョコは、本日から、通常業務で仕事をしております。

 正月休み、短くないですか?


 うちの会社は、どうなってるんだ!

 ど、愚痴を溢してしまいましたが、宜しければ、最後まで、読んで下さいね。


 「王族の2人を見守る会」って?

 そもそも、2人がハブられてる理由って、見守られてる訳?


「シャルロットさん、そのぉ~何で見守っているのですか?」


「可愛いからに決まってるじゃない!

 スカーレット様もセリーヌ様も王族の名前に恥じない、美しさと可愛さを併せ持っていますわ。

 そして、雪の結晶の様な儚さを、だから、私達は、触れたら溶けて消えそうな、あのお2人を、触れず触らず、ただ見守っているのです。」


「いや、セリーヌ姉さんそんなに繊細じゃないし、スカーレットちゃんは雪の結晶と言うよりも、向日葵の様に思うのですが、それにシャルロットさんも2人に負けない位に可愛いですし、僕なら、シャルロットさんも入れて「3人の姫様を見守る会」にしますよ。」


「そんな私なんて、と言いたいところですが、エドワード様、貴方、今しがた、セリーヌ姉さんと仰いましたね!」


「それは、ほら、セリーヌさんが僕より少し誕生日が早くて、それで、親戚のお姉さんって意味ですよ。

 昔、親戚の集まりで、誕生日を聞かれて、ほんの少し早いだけで、ずっと弟扱いされて、お姉さんと呼ばされていたから、癖で、つい!」


 これで誤魔化せただろうか?


「そういう事ですか?確かにセリーヌ様は、内弁慶だと伺った事がありますわ。

 それにしても、あの2人と同格に扱われるのは、私よりもマリーさんやリリーさんの方が、お似合いですわ。」


「確かに、あの2人は美しいけど、リリーなら兎も角、マリーは、スカーレットちゃん以上に自由気儘だから、見守るより、監視が必要な感じだよ。」


「マリーさんてそうなのですか?」


「そうだよ、マリーは少し前まで、遠くの国で生き神様として育ってきたんだ、だから、彼女の魔力制御凄かっただろ!炎の魔法で人の形を作って自在に動かしたり出来るし、僕は魔力量は、多いけど、あんな事出来ないから。」


「そう言えば、リリアが1人普通だった事に驚きましたもの、そう言えばリリーさんは、イフリートを使役していましたが、何ですのあれは、講師の先生が脅えていましたわ!」


「彼女は、精霊魔導師の家系でうまれて、幼い頃からの修行で、高位の精霊を使役出来るらしいんだ。」


「成る程ですわ、それでは、リリアさんはどんな方なのですか?」


「彼女は、昔、魔物に殲滅された町の生き残りです。

 僕がまだS級冒険者に成る前に、受けた依頼で、訪れた町が、一足遅く壊滅状態で、生き残った人が5人しか居なくて、その中の1人なんですよ。」


「そうだったの、リリアさんは、心に大きな傷を負っているのですね。

 これからは、優しく接してあげなければ、いけませんね。」


 色々、こちらの情報を吐き出しながら、ようやくこの侯爵令嬢の事が分かってきた。

 ハッキリ言って、凄く性格が良くて、ピントがズレてる!このズレを修正してやれば、どうにか成りそうに思えた。

 そう思ったら、先ずは、行動に移そう!


 ハク姉ちゃんに念話を飛ばすが、返事が無い!

 (僕の大好きなハク姉ちゃん!声が聞きたいなぁ!)

 返事が来た!そのまま、御願いしてみると、すぐにスカーレットちゃん捕まえて、そっちに行くわ!と良い返事を貰えた。

 次の瞬間、ラウンジスペースの入り口から、ハク姉ちゃんが、こっちを見てる、どれだけ仕事早いのですか?

 シャルロットさんに、少し席を外して追加の注文してくると言って、ハク姉ちゃんの所に行くと、ハク姉ちゃんの後ろには、スカーレットちゃんがニコニコ笑っている。

 僕は、ハク姉ちゃんとスカーレットちゃんを連れて、カウンターで飲み物と、追加のスイーツを注文して、軽い打ち合わせの後でハク姉ちゃんと2人ラウンジに戻ると、皆の視線はハク姉ちゃんに集まった。


「エドワード様、そちらのお方は、どなたでしょうか?」


 シャルロットさんの質問に


「私とエドワードお兄ちゃんの師匠ですわ!」


「ス、スカーレット様!!」


 ハク姉ちゃんの転移魔法で、シャルロットさんの質問に合わせて、転移したスカーレットちゃんに、シャルロットさんは、腰を抜かさんばかりに驚いていた。


「そんなに驚かないで下さいな、私は、大事に温室の中で育てられた花ではなくて、エドワードお兄ちゃんや、マリーさん達と刀を持って野山を駆け回っているような、少し暴れん坊なところもあるのですから、大事にされなくてもいいのです。」


「な、なんと畏れ多い、私達に気を使わないで下さいませ。」


「気など使いませんわ、シャルロットさんの方が、年上なのですから、私は、これからシャルロット御姉様とお呼びして宜しいでしょうか?

 そうですね、クラスメイト全員私よりも年上でしたね、全員に、御兄様、御姉様と敬意を込めてお呼びしますわ。」


「そ、そんな滅相もない、スカーレット様には、私達の事は、呼び捨てで御願い致します。」


「呼び捨てにして欲しいのなら、私の事も、様付けではなく、エドワードお兄ちゃんの様に、スカーレットちゃんと呼んで頂きたいですわ、シャルロット御姉様!」


「そ、それだけは、御勘弁下さい。」


「このままでは、平行線ですわね、ハク先生に何か良い考えが在れば知恵を、お借りしたいのですが。」


「そうですね、解決策に成るのかは、分かりませんが、スカーレットちゃんと、シャルロットさんでしたね、あちらの、恋人専用席で握手したままで、お喋りしていらっしゃい。」


「それは、良い考えですわね、ハク先生!それではシャルロット御姉様、あちらの席に参りましょう。」


「そ、そんな!スカーレット様ぁ!」


 シャルロットさんは、いやいやしながらも、お姫様には、逆らえずスカーレットちゃんに手を引っ張られるまま、恋人専用席に連れ去られた。

 すると、何人かの生徒が、僕とハク姉ちゃんの席に来て、エドワード君その方を紹介して貰っても宜しいでしょうか?と興味津々の様子だった。


「分かりました、この方は、王家の現在の武術指南役で、スカーレットちゃんやセリーヌさんリリアちゃんの家庭教師で、そして僕とマリーとリリーの武術と魔法の師匠でもある、ハクタイセイお姉さんです。」


「あら、エドワード、私は、貴方の婚約者でもあると付け加えなさいよ。」


「「「「「「「「「エーッ!」」」」」」」」」


「エドワード君、こんな綺麗な婚約者が居たの?」


「何か、成り行きで!」


「成り行きでは在りませんよ!貴方が産まれた時からの規定路線なのですから!」


「へ?」


「これは、フォルトゥーナの認証を獲ている事だ。」


「それって、ポンコツ女神様の?」


「ポンコツでも女神は女神だ、その認証の力は、強大よ。」


「ところで、ハクタイセイお姉さんで呼び方宜しいでしょうか?」


「好きな様に呼んで頂いて結構ですよ。」


「お年は、幾つなのでしょうか?」


「貴方、人前で女性の年齢を聞くものではありませんよ。」


「ハクタイセイお姉さん、家庭教師をしているとの事ですが、私達でも、教えて頂く事って出来ますか?」


「私が、家庭教師と言っても、ブライトリング家と、カイゼルグランデ家専属なので、スカーレットちゃんと一緒に、レイク・ステイゴールドまで、来て頂ければ、一緒に授業を受けてもいいですが、私が教えているのは、一般教養、剣術、槍術をスカーレットちゃんに教えていますので、そんなモノで宜しければ、御越しくださいね。」


「ところでハク姉ちゃん、スカーレットちゃんと、シャルロットさん上手く行くと思う?」


「スカーレットちゃん次第ですが、上手く行くと思いますよ!シャルロットさん、スカーレットちゃんに照れていましたから、押せば何とか成るでしょう。」


「そうなんですか?分からなかった。」


「エドワードも、もう少し注意深く人の機敏を見抜く目を鍛えなければいけませんね。

 ところで、ここで、ヘレンさんに合ったのでしょう、凄く楽しそうでしたよ。」


 僕は、ヘレンさんとの事や、マークさんとの事をハク姉ちゃんに教えると、


「ちょっと見てみたいかも、エドワード一緒に見に行きましょう。」


 とウキウキ顔のハク姉ちゃんに引っ張り出された。

 ハク姉ちゃんは、僕を引っ張って馬車の前にくると、笑いを堪えながら、


「マーク殿、今日は、愉し気な出で立ちで、どうなされた?」


 言い終わると我慢の限界に達したのか、いきなり腹を抱えて笑い出した。

 反応が、ヘレンさんと全く同じなのには、それなりの破壊力を感じたのだが、まさかハク姉ちゃんまで、大笑いするとは想いも寄らなかった。

 まぁ、あのタワシの様な髭はないわなぁ。


 今、店内に、スカーレットちゃんが居る事を教えようか迷ったが、スカーレットちゃんにも、見て貰いたかったので、スカーレットちゃんの事は、伏せておいた。


 店内に戻ると、スカーレットちゃんとシャルロットさん何だか雰囲気が良くなってるし、マリーやリリー達のテーブルも、砕けた良い雰囲気になっていた。

 さすが、男子は、美少女に弱い様だ。


 リリアの方も、自然な感じで打ち解けているのは、リリア自身の素直な性格のお陰だと思う。

 そろそろスカーレットちゃんを皆の真ん中に召還しても良いかと、シャルロットさんとの会話に、聞き耳を立てると、スカーレットちゃん、シャルロットお姉ちゃんと呼び合っているので、2人のテーブルへと足を運ぶと、シャルロットさんが、いきなりギクシャクしたしたので理由を聞いてみると、2人だけなら何とか成るけど他人が居ると少し恥ずかしいらしい。

 これは、時間がかかると思っていたら、ハク姉ちゃんが、私に任せなさいと、2人の会話に混じり、10分もしないうちに、3人で皆の所へ戻って来た。

 その後は、スカーレットちゃんとシャルロットさんを中心に会話が広がり、最終的には、男子も交えての楽しい茶話会になっていた。


 店を出ると、陽は沈みかけていたので、家の方向別に馬車に乗り込み御者の人には、各家の前まで、送って貰う様に頼んで、皆を見送った後に馬車に乗り込んだ。

 僕達が馬車に乗り込む時、スカーレットちゃんが居る事に、変装中のマークさんは、目を丸くして、驚いていたけど、スカーレットちゃんには、気付かれなかった。

 ハク姉ちゃんを含めた他の5人は、笑いを堪えながら馬車に乗り込み、馬車が走りだしたタイミングで、スカーレットちゃんに、御者の正体を教えた。


 スカーレットちゃんが連絡用の小窓から、顔をだして、


「お爺様なの?」


 と尋ねながら、まじまじと顔を覗き込み、クスクスと笑い出した。

 小窓から、顔を引っ込め、皆の顔を見回して、一同、大笑いすると、


「エドワードお兄ちゃん、今日は、素敵な1日に成りました。

 明日からの学校が、楽しみでなりません!」


 満面の笑みでそう言ったスカーレットちゃんが、輝いて見えた。

 ハク姉ちゃんが、楽しみは、皆で分かち合わなければね!ど言いながら、突然、転移魔法で、何処かに行ってしまった。

 王城に到着すると、マリウスさん、ケインさん、ゴールディさんに何故かアレックス父さんまでが、ニマニマ笑いながら出迎えてくれて、マークさんを見て笑い出した。

 バツの悪そうに苦笑いしながら、


「エェイ!あまりジロジロ見でない!」


 そう言いながら、付け髭を外し、いてて、と鼻の下を擦るマークさんの姿に、皆で大笑いした。

 ケインさんと、ゴールディさんが、笑いながら両サイドから、肩を組むと、そのまま転移魔法で消えてしまった。

 多分、世界樹の森で、変装姿のマークさんを肴にこれから宴会が繰り広げられる事だろう。

 僕達が転移魔法陣に向かおうとすると、ハク姉ちゃんが、ここから転移しましょうと、マリウスさんとスカーレットちゃんまで、世界樹の森へと転移させてしまった。

 マリウスさんに、仕事(公務)は大丈夫?と尋ねるとアレックス父さんが残ったから、大丈夫だと笑っていた。

 この国の王族は、結構いい加減な人間が多いようだ。

 スカーレットちゃんは、シャルロットさんと話をしてから、ずっと上機嫌で、笑顔を絶やさない。

 いつも笑顔なのだが、今日は、いつもの5割増し位機嫌がいい。

 そう言えば、セリーヌ姉さんは、今日の事は、何も知らないので、明日、クラスの雰囲気が変わっていたら驚くだろうと、スカーレットちゃんに言うと、明日は、セリーヌ姉さんの驚く顔が楽しみで仕方ないと、嬉しそうだった。

 僕も、明日が楽しみになってきた。

 最後まで、お読み頂きまして、ありがとうございます。

 前書きにも書きましたが、本日から、仕事してます。

 暮れに拗らせた風邪は、まだ治っておりません。

 年明けから、ピンチです。


 次回もお立ち寄りを、お待ちしております。


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