第三章(39)
今回も、お立ち寄り頂き、ありがとうございます。
話しは、今回から、数回に分けて武闘祭の話しが続きます。
それでは、最後まで読んで頂けると、嬉しいです。
ついに、武闘祭最終日の朝を迎えた。
昨夜の宴会では、さすがに、一滴の酒も飲まなかったハク姉ちゃんは、快適な目覚めだった様で、朝から機嫌が良かった。
そんなハク姉ちゃんは、試合毎に衣装を替えるのだと、鞄に試合用の衣装を詰めて、朝食を食べに来ていた。
僕自身は、全て同じ服で試合に臨むつもりでいたので、剣士、槍、総合と、異なる競技に出るハク姉ちゃんは、それに適した衣装を選ぶのもアリかなと思ったが、僕の場合は、剣士、格闘、総合の三種目は、普段の、冒険の時と、する事があまり変わらないので、深くは考えず、動き易い服装を選んでいたが、ハク姉ちゃんが、僕の衣装も、何故か用意していた。
そして、今朝は、ゴールディさんの転移魔法で、宴会に参加していた王族の人達と共に、王城へと転移して、そこから馬車で競技場の中迄乗り込んだ。
競技場の試合用の舞台の周りには、他の馬車も停まっていて、マリウスさんと、マークさんが、馬車から降り、舞台の真ん中に立つと、それぞれの馬車から、剣士部門以外の、決勝進出者が現れ、観客にてを振り、マリウスさんによる、本日のプログラムの説明が行われた。
先ず行われるのは、男性剣士部門の三回戦と、四回戦迄が行われて、その後、女性剣士部門の準決勝が、行われる。
そして、男性剣士部門の五回戦が行われ男性剣士部門のベスト8が決まる。
男性剣士部門の六回戦の後に、槍術部門の決勝が行われ、槍術部門の優勝者が決まる。
その後は、男性剣士部門七回戦、格闘部門決勝、男性剣士部門準決勝、女性剣士部門決勝、男性剣士部門決勝、そして、最後に無制限総合部門の決勝の順に行われて、全ての競技が終了した後に表彰式があり、全日程が終了する。
同じ3部門出るハク姉ちゃんと比べると、僕の方が後半は、出ずっ張りで忙しそうだ。
試合のペース配分等しっかり考えないといけないかも知れない、もし、剣士部門を決勝迄勝ち進むとすると、全部で9試合に出場する羽目になる。
個人的には、無制限総合部門の決勝が、最後で助かったと思う、何しろ相手は、ゴールディさんに何もさせずにボコボコにしたハク姉ちゃんなのだから、まとも試合をすれば、絶対にその後は、深刻なダメージを負っている筈だ。
やっぱり、ハク姉ちゃんとの試合は棄権しようかな?と僕の中で弱気の虫が囁き掛けた時、ハク姉ちゃんが、優しい笑顔を見せて、最後の試合が一番楽しみにね!と僕に笑いかけた。
その笑顔の下にハク姉ちゃんが、何を考えているのか分からないけど、ハク姉ちゃんを失望させる訳にはいかないから、有りったけの勇気を振り絞り、ハク姉ちゃんに立ち向かう事にした。
マリウスさんの、プログラムの説明の後、マークさんの挨拶等が終わりいよいよ、男性剣士部門の三回戦が始まる、例によって、ぼくは、第一試合なので、全ての決勝進出者が舞台を降りた後、僕だけ舞台の上で、相手選手と、審判の登場を待つ間、観客の声援に応え手を振ったりしていた。
一際、声援が大きくなると、相手選手と、審判が台上に現れた。
相手はA級の冒険者、クラスだけで言えば僕の方が上なのだが、舐めては掛かれない相手には違いないが、後の試合の事も有るので、なるべく早い決着が望ましい。
ここは、奇策で、勝負を掛けようと思い、試合開始の合図とともに、刀を鞘の中に納めたまま、右足を半歩前にだし、半身に成りながら、腰を落とした。
居合い抜きの構えだ、相手は、刀を使った剣術をしっかりと、研究してきた様で、不用意に間合いを詰めて来ない。
仕方ないので、こちらから動く事にした、先ずは30センチ程づつ、短く間合いを詰めて、一足一刀の間合いの手前から、飛び込んで右手で刀を抜き放ち相手の胸の辺りを狙い真横から斬り込んだ!
相手が、剣で受け止めてくれたので、鞘に手を掛けていた左側の手でそのまま鞘を抜くと、相手選手の右足の脛の下辺りを鞘で殴る様に払った。
予想しなかった不意討ちに、相手選手が膝を付いたところで刀を首元に突き付けたところで、審判が試合を止めた。
一瞬の攻防だったので、身体に疲労は無いけど、精神的には、かなり削られてしまった気がする。
観客に手を振りながら控室にもどり、収納バッグから、特に甘そうなスイーツを取り出して食べる事にしたら、男性剣士部門に唯一出場している女性剣士のニッキーお姉ちゃんが、おやつをたかりにきた。
「いいもの持ってるねぇ!私の分も有るのでしょ!」
そう言われると仕方ないので、同じ物を渡すと、嬉しそうに食べていた。
もうすぐ試合なのに大丈夫だろうか?
その後、ニッキーお姉ちゃんは、三回戦を勝ち、僕と共に四回戦も勝ち上がった。
その後、もうおやつ無いの?と聞いてきたので、もう一つ渡すと喜んで直ぐに平らげていた。
ん?そう言えば、これから女性剣士部門の準決勝じやないのか?
ニッキーお姉ちゃんに聞くと、忘れてた!と、試合会場に、走って行ってた。
食べて直ぐに走って大丈夫なのかな?そんな事を考えながら、客席に行くと、ニッキーお姉ちゃんは、試合前の舞台の上で、横腹を押さえていた。
相手のアリッサが、心配そうにニッキーお姉ちゃんを見詰めている。
本当に大丈夫なのだろうか?
そして、いよいよ女性部門の準決勝開始の合図が掛かった。
今回も最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。
何か、文章力がないので、戦闘シーンの描写が億劫に感じますが、もう一踏ん張り頑張ります。
それでは、また、会いに来て頂ければ、嬉しいですね!




